今日は刀匠の方のお話を伺ってきました。
刀匠とは刀鍛冶
日本刀を作る人です。
日本刀に関するある程度の知識は
本やネットで手に入りますし
博物館に行けば色々見られるのですが
実際につくっている人に聞かないと分からないこともあるし
作るための環境を見ないと分からないこともあります。
それに「技術は人なり」ですので
その人と話すことによって感じられること
それが重要だったりもします。
ここで日本刀に関する技術的なことを詳しく話してもどうかな
というところなのですが
異分野のエキスパートの話は大変参考になりました。
まぁ、異分野とはいっても
金属を使ってものを作るということでは
同業と言えなくもないと思っているのですが
あちらは技術レベルが非常に高いことに加えて
伝統的かつ芸術に近い世界なので
かなり次元が違いますけどね。
まぁ、そんなこんなで
色々強させてもらえました。
日本刀は鉄でできていますが
そのつくり方の説明は簡単ではありません。
でも、あえて簡単に言うと…
一口に鉄と言っても色々あるわけで
複数の性質の違う鉄の素材から
理想的な素材に調合するところから始まって
それらを重ねて接合して、成形して、熱処理(焼き入れ)して、研いで作ります。
あの大きさで、あの精度と品質、そして性能
難しいのは当然で、大変面倒な仕事です。
その各工程で、何のために、どんな道具を使って、どんなことをしているのか
そんなことを見たり聞いたりすると
文字にするのは難しいですが(文才が無いから)
何となく我々日本人の持つ強みというか基本特性というか
そんな感じのことが見えてきたりします。
「あぁ、こんな方向性に行けば…
こんな考え方、やり方をすればいいのかな」
という大筋です。
というのも
日本刀の文化は
つくり方の大筋決まってから
数百年間継続しています。
いや、日本刀の起源とも言われますので
ヘタしたら1500年くらいかもしれません。
その間、もちろん工夫したり改良したりはあるでしょう。
でも、大筋は変えずに守って
常により良いものをつくる努力を継続している。
これは凄いことです。
この中には、とても文字にできない
というか
文字になんてしたらキリがない膨大な情報が
しかも目に見えない情報
いわゆる暗黙知が大量に含まれています。
刀匠の世界には
当然ノウハウはありますが
教科書やマニュアルはありません。
日本刀に限らず
伝統工芸の世界はそんなもんですが。
恐らくこれ
現在の教育ではあり得ないやり方でしょう。
現在の教育方法は
せいぜい150年程度の実績しかありませんが
日本刀の技術継承は1500年です。
そこから学べないはずがないでしょう。
とはいえ、これを学校の中に適用しようと思っても
それをそのまま使えるわけではないので
どうしたもんかな
というところなんですけどね。
ま、色々トライアンドエラーしてみます。