バックキャスティング

皆さん
ものごとを考えていくとき
どのようにしていますか?

目的を達するためにとかです。

別に日本や世界の未来を…
とかじゃなくて良いんですよ。

自分の将来とか
自分の所属するチームのレベルではどうしてますか?

学校ではこういうノウハウは教えませんね。
普通は。

今まで多くの学生と話してみましたが
どうやら特別何か工夫をしているケースは少ないですね。
あまり意識していない。

そうだな
どんな例を挙げましょうか。

「レーシングカーを作ってみよう!」
というのはどうでしょう。

こういう普通はよく分からないものが良いかもしれませんね。
夢工房では日頃やっていることだから説明しやすいし。

多くはこんなふうに進めようとします。

「そうか、レーシングカーか。
速い車だな。
じゃぁ、まずは車ってどんなものか調べよう!
最初は基本原理だ!」

ってな感じで
基本の基本から調べていきます。
続いて応用技術とか材料とか
製造方法とか…
延々と続きます。
時間がどんどん過ぎていきます。

ある程度知識が付いてきたところで
いい加減時間が無くなってきたので
ボチボチどんな車にするか考え始めましょうか。

「さて、じゃぁ、今の自分たちの知っている範囲で
自分たちができる範囲で…」

はい。もうダメです。

この時点で、何をどうすればどんな車になるのか
そもそも速いってどういうことかすら分かりません。

そう。
最初の時点で
現状の自分達のパフォーマンスをベースに積み上げた時点で
結末は見えていたのです。

一見、基本的なことの積み上げは堅実な方法に思えます。
しかし実は
積み上げた先がどこに向いていくか
そもそも何を積み上げるべきか
それすら分からずに積み上げている場合が多いのです。

「積み上げ」の場合は、ゴールが曖昧になってしまったり
ゴールまでの距離感が掴めないことが問題です。

ではどうするべきか。

夢工房では、日常的に使っている思考法「バックキャスティング」と
「戦略の階層」のピラミッドを使って
こんな感じに進めます。
(かなり大雑把な説明で申し訳ありません)

「レーシングカーを作ってみよう!」

というお題が出された時点で
決めるべきことはゴール
「勝つこと」です。

あなたの経験値がどうなのかは関係ない。
今、この瞬間にできることをやるわけではないのだから良いのです。
チャレンジってそういうもんです。
ゴールに合わせて成長すれば良いのです。

逆に、今できること
控えめなことをゴールとするなら
何でできることをわざわざやるのに
労力を払わないといけないんだ?
時間やらお金を使わないといけないんだ?
ということになりませんか?

では次の段階です。
ゴール達成の方法を考えましょう。

「速いってどういうことなんだ?」
ということを明らかにして
「そのためにどんな戦略が必要か?」
を考えて
「どんな車にするのか」
「それには何が必要か」
を順に決めていき
戦略のピラミッドを作ります。
もちろんこの時点で
相応の調査や学びが必要です。

この過程で
色々と問題が出てきます。

学生の活動であれば
環境とか、器材とか、予算とか
多くの場合は必要なリソースが問題になりがちですね。
あとは知識かな。

これらに関しても
現状をベースに決めてはいけません。
どうやってそれらを手に入れるかを考えましょう。

なので、それぞれの不足しているリソースについても
同様にゴールを設定して戦略を考えるのです。
戦略のピラミッドの中に小さなピラミッドが入っているイメージです。

こんなふうに考えて
ピラミッドをいじって調整していくと
大抵は何かしらのトレードオフにぶち当たります。

それは時間だったり予算だったりします。
どうしても手に入らない何かだったり。

なので、必要に応じて計画を段階的にしてみたり
用いる技術を変えてみたりして調整します。
必要に応じて戦略を立て直したりしてグルグルします。

このように考えて計画を成立させましょう。
そうしたら、あとはやるだけ。

しかし、現実には未経験の学生がやるわけですから
思い通りに行かないことも多くて
失速してしまうこともあります。

「バックキャスティング」の場合は、やるべきことが明確になりますが
負荷が大きいことが問題になりがちです。

なのでパッションが超重要!

大抵は、経験値とか、気持ちの部分とか、考え方が原因になるのですが
それはそれで大いに意味があります。

だって、それをどうすべきかが分かれば
どうやってそれらを成長させるかを考えれば良いのですから
そこに新しいチャレンジのネタが生まれるのです。

そんなことを在学中に繰り返す学生達の成長は凄まじいものがあります。

夢工房なりの「技術は人なり」の具現化は、こんなふうにやっています。

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