それぞれの時代の生き方

凄いタイトル付けちゃいましたが
別にたいそうなことを言うつもりはないのです。

便利な世の中は楽ちんで快適です。

若い世代は今の世の中が当たり前で
どうってことないでしょうけど
10年単位くらいで遡って昔を思い出すと
凄い世の中になったもんだと思います。

私が子供の頃を思い返すと…

山道に行けば
オーバーヒートしたクルマがボンネット開けて停まってたり
冬はエンジン掛からなくて難儀したり

電話は固定電話が家に一台で
女の子の家に電話するのに一々ドキドキしたり

テレビは真空管が入った白黒で
たまに壊れて電気屋さんが修理に来たり

家の電気はブレーカーじゃなくて
でっかいヒューズで
もちろん飛んだら交換

ゴミは庭でガンガン燃やしてて
飛び火でボヤや火事になったり

野良犬の群れに追いかけられたり
逆襲したり仲良くなったり

よく分からない怖いおっさんに説教されたり
何かおごってもらったり

ここに書けないような
悪いことや危ないことを
悪気もなく危ないことにも気付かず
平気でやってたり

今思うと
不便とか
小さい危険とか
そんなのが周囲に沢山ありました。

もちろん私より前の世代の方の比ではないと思いますが。

そんな昔と今とを比べてみれば
隔世の感があるってこういうことなのか
と改めて感じるわけです。

でも、そんな昔は昔で良かったのかな
とも思いますよ。

色々不便で危険だから
相応の工夫が必要だったり
バカなことをやるから分かることがあったり
今なら何てことないことに感動したり

考え方やらスキルやら
感性なんかも
そういうところから得られるものです。

面倒とか困難とか
そういうことがなくて
平坦な毎日からは何も得られないでしょうね。

とは言うものの!

では、今の世の中は未来に対してダメなのか
というと
未来から見たら「今」は
不便で原始的なのかもしれません。

昔の人が
皆、苦労を重ねて
相応のものを得ているのか?
というと
決してそんなことはなかったりするでしょうしね。

どの時代も、その瞬間が最先端なわけで
いつも年長者に
「昔はなぁ、今と違って…」
と言われ続けているのです。

結局は、それぞれの時代で
どれだけジタバタやったかによって
得られるものが決まってくる
そういうことなんじゃないでしょうか。

どんな世の中だろうと
一所懸命やったら良いと思います。

嫌なことや大変なこともあるでしょうけど
前向きにやっていれば
そのうち良いこともあって
終いにはプラスマイナスゼロ
ってなもんじゃないかな
と思っています。

物差しをひっくり返せ

学校でいうところの
できるヤツ

できないヤツ

これは勉学の成績についてですね。

授業においては
この物差し上で評価されますが
皆さんご承知の通り
人の価値とはそういった
単純な物差しだけでは測れません。

…ということは分かっていても
どうしてもそういった尺度で
判断してしまいがちではないですか?
もちろんそうでなければ良いのですが。
どうなんでしょうね?

社会で活躍されている方なら分かっていると思います。

勉強ができる・できないと
仕事ができる・できないは
あまり関係ないよね
って。
全く関係ないとまでは言いませんが
イコールではないでしょう。

研究者としてなら重要なのかもしれませんけど
ひょっとすると開発系の仕事では顕著かもしれません。
業務内容にもよるかもしれませんが。

夢工房での学生の活動を見ていると
よーく分かります。

言われたことができたり
たくさんものを覚えられるのと

創造性を発揮したり
チャレンジできるのは別のことです。

そもそも出来が良くて
あまり失敗の経験の無い者は
打たれ弱くてチャレンジできなかったり。

言われたことをするのが得意な者は
言われてもいないことを自発的にやるのが
苦手だったりすることがあります。

そもそもやる気が起きなくて
やるべき事ができないのはこの際論外なのですが。

何が言いたいかというと

万能な人なんてそうそういないわけで
なにも人と同じことを同じようにやらなくていいのだ
と気付けば
何かしら力を発揮できる部分が
見えてくるものなんですよね。

神様は、うまいこと
そういう「隙」を作ってくれている。

そういうのに気付いた学生は強いです。
一般的な、できる・できない
の物差しを、ひっくり返したりします。

さらに言うなら
多くがそういうことに気付いて
皆で補完しながらチーム力を上げられることに気付けば
皆で凄い成長をするでしょうね。

学校って、本来は
もっともっと学生達のポテンシャルを
引き出せるはずだと思います。

ま、夢工房はそういったことはお構いなしで
変わり続けますけどね。

学生の成長と環境について

夢工房に新たに学生が入ってくると
最初はどうしたら良いか分からない
というところから始まります。

もちろん、ものを作った経験も
十分に無いでしょうから
スキルを積みながらということになります。

学生達は試行錯誤しながら成長していきますが
そんな彼らを見ているのは面白いし
彼らの成長からこちらが気付かされたり
学んだりということも多々あります。

ここでは色んな学生が色んな事をやるので
一概に言えない部分も多いのですが
共通して言える部分を
おさらいという意味も込めて書いておきましょう。

まずは、やはり考えすぎずにやってみて
そこからブラッシュアップしていく
というのが最も成長が早い。
まずやる!
すぐやる!

もちろん、考えて行動するというのは大事ですが
「考えすぎない」
というところがポイントです。

どうせ経験が無いのだから
ある程度のところまで考えたら
その先はやってみないと分かりません。
それに、やはり経験の数がものを言いますから。

やらなくても分かるようにするために知識があるのでは?
とお思いかもしれませんが
それでもやらないと分からないことは山ほどあります。
なので、暗黙知が重視されるのです。

十分経験の無いことにトライするとき
当然ながら失敗がつきものです。
なので、それを
「新たなことを知った良い経験」
と思えるかどうか
これも重要ですね。

そのように処理ができないと
ネガティブな感情にとらわれて
前に進めなくなります。

最後に
何のためにそれをやるのか
という目的意識も重要です。
というのも、多くは「自分のため」
から始まるわけですが
この価値観で続けていっても底が浅いのです。

失敗しようと成功しようと自分のためなので
結果がチームのリソースとして利用できないとか
色々残念なことになります。

失敗しても自分の中に小さく納める
ことができるかもしれませんが
成功したときの喜びもチームで共有できないので
面白くもなっていかないし
広がりがなくなって
結果的に推進力を失ってしまう。

というふうに色々見ていくと
うまくいくときの共通点
みたいなものが見えてきます。

…見えてきます?

凄く単純なことですが
ポジティブな気持ちで元気にやること
これに尽きます。

この基本的な部分を押さえていないと
何をやってもうまくいきません。
特にチームでやっている場合は。

なので、彼らが活動する場の空気感
つまり環境が最も重要なのだということになります。

夢工房であれば
必要以上に身構えること無くチャレンジできる空気感
失敗しても、それを良い経験として
活かしていけるという空気感
そういったものを重視しています。

本学に関していえば
ガチガチのお仕着せという感じはなく
もちろん、至れり尽くせりでもなく
比較的おおらかに学生のチャレンジを見守ってくれる
といいう印象があります。

これ、実は学生の成長には大変重要なことです。
なぜかというと
過剰なお膳立てや強要でやるチャレンジでは
学生の自発性は育たないからです。

なので、色々教えるのも重要ですが
彼らがチャレンジしたくなるような
環境を作る努力こそ重要なんだよなぁ
なんて思っています。

この辺は継続的にまとめていってみようと思っています。