夢工房も一歩前へ

「先生、会社入ったら、まんま夢工房でしたよ!」

今日は今年の春に卒業して
完成車メーカーに就職した卒業生の一人から
たまたま話を聞く機会を得ました。
どうやら楽しく仕事ができているようです。

どうやら卒業生の多くは
会社に入ってから、あまり大きなギャップを感じずに
業務遂行できているように感じます。

今回、冒頭のような感想を聞けたのは何よりなのだけど
全ての卒業生が同じような感想を持っているかというと
決してそんなことはないはず
というお断りはしておきます。

もちろん、入った会社によって
学生時代に何をどのようにやっていたか
色々なバックグラウンドによって
感想は違ってくると思います。

ここ、夢工房は
学生の主体性によって回っているのですが
そこに管理監督者の考えが介入するのは
安全面や開発の基本をはじめとした
諸管理から当然のことです。

この部屋の運用のモデルは
前職でやっていた特殊部隊のやり方なのですが
それもかれこれ20年前のことで
いまだにこのやり方が通用しているのは
嬉しくもあり、疑問を持つところでもあるのです。

なので、卒業生から広く話を聞いて
時代に即した要素を入れて
先を見越した改変をしていきたいですね。

ただ、基本の部分は時代によらず不変なのかな
という気もしているのですけどね。
この核心になる部分も
より明確化と強化をする必要があるでしょう。

夢工房のやり方は
あまり一つのことに固執しているつもりはないのだけど
この核心部分の明確化によって
一歩前進させる時が来ている気がします。

今日は2年生メンバーが本格的なテスト走行に帯同した初日となりました。
彼らがチームに所属してからおおよそ1年半
やっとコースに出られました。
このご時世ですので、感染防止の対策とか
色々工夫が必要だったようですが
彼らはなかなか良い動きをしていたようですので
今後に期待ができそうです。

やはり利他ですな

今の世の中がどんな風になったら
もっと幸せな世の中になるのでしょうね。

個々が自分の幸福を追求して
みんなが幸福になる

なーんてことは無いよね。
と思っています。

だってそれって
みんなが利己主義になるってことでしょう?

個々の幸福とか利益を追求していくとどうなるかというと
失うのが怖くなるんじゃないかな。

似たようなので
自分を守ることばかり考えていると
自分が攻撃されたり
自分の領域を侵されることが怖くなるでしょう?
そんなことないですか?
で、ますます守りに入っていく。

組織の中で
自分のことばかり考えていると
他から見るとその当人って
あまり価値が無いんですよね。
まぁ当たり前なのですが。

学生って若いわけで
生命体として弱い子供の時期から
大人としての自立に切り替わる時期なので
この辺が難しいところなんだと思います。

弱い子供は
自分が生きることに必死で
当然、自分のことばかり考えるのが自然で
周囲もそれを助けますが
成長すれば自分が周囲を守ることによって
価値を生み出す立場に切り替わっていく。

この場合の価値を生み出すというのは
仕事で考えると分かりやすいですね。

仕事で生み出す価値によって
会社が守られたり
お客さんや地域の利益に繋がったり
国力が保たれたり。
で、自分の価値が確立されていくのですね。

なもんで
自己の利益とか保身とか
そんなことを考え始めちゃうと
仕事の方向性自体が変わってきちゃったりするんだと思います。
自分に課すハードルが最低限になっちゃったり
そもそも向かう方向がおかしかったり。

夢工房で頑張る学生達も
大抵はこういう壁にぶち当たります。
最初は自分の興味とか利益でスタートしますから当然です。
でも、色々コンペティションやってたりすると気付くんでしょうね。
「これじゃ勝てねぇ」
って。

そんな彼らの変化を見ているのも楽しいものです。

コロナ禍に思う もっと色々やろうよ

学力に秀でた人は必要です。
でも、皆が同じ能力を持っていなければいけない
というなら、そのやり方は危ういと思います。

日本は安価な量産品で勝負していこうというやり方が
すでに成立しないポジションにいるし
AIが台頭してこようとしているのに
皆が同じように勉強できなきゃいけない
ということはない。

というのも
今日は成績が不振な学生と面談をしたのです。

で、思ったのが
彼らなりに良いもの持ってたりするんですよね。
結構パワーを持て余してる感があります。
もちろん、人によって様々ですけど。

何かもっと良いやり方があるはずです。
もっと彼らのパワーを活かすやり方があるはず。

同時に感じたのは
やはり自信の無さから来るものなのか
自身で蓋をしてしまっているような印象も受けます。
うーん、もったいない。

学校って、せっかく大勢が集まってるのだから
その中で、それぞれが違ったことができて
それらを統合して何かを成す
といったことが本来あるべき姿
ではないだろうかとも思います。

皆が皆、言われたことができなくたって
他にできることがあるはず。

会社なんてそうですもの。
現実の社会の成り立ちから
離れちゃってるんじゃないかな。

私のところの学生の多くは
エンジニアを志望してたりするので
価値あるもの(つまり新しいもの)を
生み出せるようになって欲しいわけで
創造性が重要なのですね。

で、いきなり凄いものじゃなくても良いし
発明的なものでなくても良いので
レベルの低いことからでも
とにかく新しいものを生み出したり
とにかく作る努力をして
それをレベルアップしていく
プロセスを体験することが重要なのではないかな?
と思うのです。

何とかそんな機会を作ってあげたいものです。

コロナの感染拡大で
オンライン授業に逆戻りしてしまったので
悔し紛れにこんなことを書いてみました。

今、色々と動くのは難しいかもしれないけど
心が萎まないようにメンテナンスする必要はありますね。
さて、どうしようかな。