バイク考

趣味は何ですか?

と聞かれたら
バイクです。

クルマも大好きで趣味にしたいけど
今はバイクかな。

16歳の誕生日に免許取ってから
ずっと乗ってます。

レースもやりました
メカニックとしても
ライダーとしても。

飽きないですねぇ。

あんな危ないもの乗って
バカなんじゃないの?
って言われたら
返す言葉もありません。

いや、返す言葉はありますね
「たぶんバカなんでしょうね」
かな。

と、そんな自虐的なことを言いたいわけではなく
何でバイク乗ってんの?
ということなんですが

これには理由があります。

面白いからです。

初めてバイクに乗ったとき
面白すぎて笑ってしまいました。
「こんな面白い乗り物が世の中にあるんか!」
と。

右手一つで
むき出しの体が凄いスピードで思った通りに移動する感覚
実際は50ccなので凄いスピードではなく
さらに初心者なので全く思った通りでもないのですが
そのときはそう感じたのです。

それからいろいろ経験して
痛い思いもしましたが
やはり面白い。

面白さの一つは
自身をコントロールしている感覚です。
道具としてのバイクをコントロールする面白さもありますけどね。

バイクは危険な乗り物なので
死なない領域に常にとどめて
その中でいろいろコントロールする必要がある
ってところです。
自分自身を自分自身で。

あれ?
これこそが自由だ!!

いろいろチャレンジもしますが
死なない領域にちゃんと留めておくのは前提
そしてイメージを描いて
それを実現するように操作することの繰り返し

で、
思った通りになったり
ならなかったり

「完璧」という感覚は得られないので
常に色々トライしている感じです。
やってもやっても先がある。

修行僧ですね(笑)

なので
バイクでツーリングなんかすると
景色見たり
おいしいもの食べたり
温泉入ったり
という楽しみよりむしろ
走っていること自体が楽しいのです。

最近で言うと
住んでいる埼玉から出て
24時間以内に
北海道最北端の宗谷岬まで
1500km走ったり

真夏のオーストラリアで
1週間で3700km
途中では気温45度の砂漠を数日走って
死にそうになる(ちゃんと危機回避はしてます)

とか変なチャレンジしてるんですが
これは快楽的なお楽しみ要素はほとんど無いです。
でも楽しいです。

山に登る人とか
マラソンしている人もこんな感じではないのかな?

「そんなバカなことやってる人間と一緒にすんな!」
と言われたら謝るしかないですけどね。

「脳トレ」で有名な川島先生が仰ってますよね。
「バイクに乗ると脳が活性化する」って。

あれ、本当ですよ。
バイクで通勤すると
朝から脳みそギンギンで仕事できますもん。

あ!そうか!
最近クルマで通勤してるから頭悪いんだな!!
いや、それは生まれつきだわ。

最近のバイク CRF450Rその7

その1その2その3その4その5その6と続いてます。
今回はスイングアームです。

まぁ良くあるタイプに見えるかもしれませんね。
角パイプで構成された形状ですが…

単なる角パイプではなく
前方の付け根に向かって太くなってますね。

部材にかかる力を考えると
根元は太くして強くしたいけど
動きを考えると
先端(後端)は細くして軽くしたい。

一般的にそんな形状にするなら鋳造です。
自由に形を作れますからね。
でも重くなってしまいます。

軽くしたいならパイプ材ベースですね。
型でニューっと押し出して作るパイプ材。
でも
一般的な押出材だと一定形状の断面になってしまうので
単なる角パイプのスイングアームになってしまいます。

これをどうやって作るんだって話です。
ただそれだけです。

これ、恐らくハイドロフォーミングってヤツですね。
違いますか?

現役で設計やってた20年くらい前に
プレス業界から新技術として紹介をされた覚えがあります。
実際に製品の設計で使ったことはありませんでしたが
「へ~、凄いことができるようになったんだなぁ」
と驚いた覚えがあります。

コイツがそうか。
きっとそうに違いない。

詳しく知りたい人は調べてみて下さい。ハイドロフォーミング。

2021/01/15追記:
違いました。
ハイドロフォーミングではなく、スウェージング加工でした。
型を使って外から押し縮めて細くする加工ですね。

あと、強度が求められるアルミ合金の溶接部品ですから
恐らく材料は超々ジュラルミン「A7N01」もしくは類似のものでしょうね。

一般的に強度を求められるアルミ合金材は熱処理をして使うものですが
溶接すると熱で強度が低下してしまうのです。

が!
このA7N01材は溶接後に徐々に強度が復帰するミラクルな材料なのです。
確かこの材料、零戦の開発に伴って生み出されたはずです。

夢工房にいる連中は、ずいぶん昔から使ってます。
入手が難しいのが難点ですが。

学生のうちからこんな面白い材料と付き合えるって良いですよね。

最近のバイク CRF450Rその6

その1その2その3その4その5に続き、今回は外装部品です。

ラジエータの横に付いているカバー、ラジエータシュラウドです。
材質はポリプロピレン。

表面のグラフィック、昔はデカールでしたが、今は違います。
シールを貼ったものではなく、部品の表面と一体化しています。
一体どうやっているんだろう。
型に樹脂を注型する時点でグラフィックのシートを仕込んでるのかな。
※2020年12月8日追記:やはりシートを仕込んだうえでの注型のようです。フィルムインサート成形というそうです。

これならペロッと剥がれることは無さそうですね。
しかも美しい。

裏側はこうなってます。

大きく赤い部分と黒い部分から構成されているのが分かりますね。

接合部分のアップはこうなってます。

2色の樹脂部品がはめ込まれているわけではなく一体化してます。多色成形ですね。
これなら激しい使い方をしても分離してしまうことはないでしょう。

技術の進歩は凄いなぁ。