ARLISS 2024 大会4日目

今日は打上げの3日目です。もう3日!

出発間際にモーターの不調を発見したので、急遽組み換え作業。

本当は5時に宿を出たかったのですが、結局7時15分に宿を出発して、射点に着いたのは9時。今日は午後から風が強くなる予報なので、打ち上げるなら午前中です。

早速、準備開始。

プログラムの書き込みが修了したのですが、カメラの制御が効きません。
この際、カメラの機能はある程度犠牲にして、GPS制御での走行状態をチェックをしましょう。

走行させてみたら、何か変です。
機体が一方向にしか旋回しません。
どうやら、正常だと思って組み替えたモーターに原因がありそう。
ここでは手に負えない作業なので、仕方なく宿に戻ります。

宿に戻る車内でコータローが昨日の空中でのパラシュート切り離しと、今朝のカメラ制御不調の原因を突き止めました。
プログラムのミスです。しかも凡ミス。

遠征先で色々やろうと思うと、こういうのは付きものです。
でも、そういうのって経験しないと分からないものでもあります。

ちなみに、昨日のフリーフォールは、パラシュート降下中の残り三分の一程度の高度から落下しており、地面へのインパクト時の速度は時速100km程度だっただろうとのことです。
丈夫な機体で良かった!

いずれにせよ、モーターに関しては点検と組み替えや修理の必要はありますので、宿での作業は必須。
明日の午前中は微風の予報なので、きっとコンディションは良いでしょう。

ちなみに、今朝の時点でゴールしたチームは1チームのみ。
何とゴールコーンにタッチした状態の0mゴールです。

ARLISS 2024 大会3日目

今日が打上げの2日目です。

ロケットで3,000mまで打ち上げて放出し、パラシュートで降下するので、風はとても重要なパラメーターです。

目指すべきゴールは、射点から2km程度のところに設定されていますが、風が強いとゴールの反対側に5km以上流されたりもします。
運が良ければゴール側に流されることもあります。

なので、どの方向にどの程度流されるかはとても重要なのですが、上空と地表では風向きも強さも異なっていたりもして、それらを読むのは難しい。

で、結局は風が無い時に打ち上げるのが最善ということになります。

砂漠に限ったことでは無いのかもしれませんが、朝の気温が低いうちは風は弱く、気温が上がるにつれて強くなってきます。
なので、打ち上げるなら朝イチがベストです。

というわけで、7時に砂漠到着。気温は12度。

打上げは8時半頃準備完了。
ロケットに搭載します。
今回のロケットのオーナーはジョンさん。アメリカロケット協会の偉い人みたいです。

機体島最後は、発射台に運んで…

発射準備完了。

ヒロヨシの熱いアナウンス(英語)の後、カウントダウンで、発射!

その後、機体を捜索するのですが、なかなか見付かりません。
打ち上げたロケットは、上空で分解して3つのピースで、それぞれのパラシュートで降下します。それらは、それぞれが異なるスピードで降下してくるので、3つがほぼ直線状に着地します。

走り始める前に見つけないと、我々の機体の走行速度は速いので、機体が先にゴールに向かってしまうかもしれません。
そうなったら、小さな機体を見つけるのはより困難になるので、着地点のデータが取れないどころか、感動的な走行シーンも見られない。

我々の機体は、ロケットに比べて降下速度が早くなるように設計されているので、大抵はロケットの着地点を結ぶ直線の風上側に着地するはずなのですが…

無い?

その後、想定外のエリアで機体を発見。射点から北東へ3.3kmのところです。
この際、距離はどうでも良いのですが、パラシュートが見当たらず、機体が動作するタイミングになっても停止したまま。

何か変です。
良く見ると、機体は損傷しているし、地面には強いインパクトの跡が残っています。
で、パラシュートが周辺に無いということは…

そう、フリーフォール(自由落下)です。
恐らく損傷の度合いからして、ロケット放出直後では無いと思います。
その場合、時速300kmくらいの落下速度になるでしょうから。こんなものでは済まないでしょう。
恐らく、途中までは正常に降下していて、何かしらの原因でパラシュート分離の制御が入ってしまった模様。

現地で簡単に検証してみたところ、ホイールの破損、駆動系の破損、制御基板上の部品の破損などは確認できました。
カーボンファイバー製のホイールが損傷したということは、やはりかなりの衝撃を伴って着地したことが分かります。
でも、カーボンファイバー製のホイールだったからこそ、機体の損傷がこの程度で済んだということでもあります。

ちなみに、昨年優勝したSuper NOVAという最強のチームがいるのですが、本日の打上げでは、ロケットが数百メートル上昇した時点で爆発してしまったそうです。
機体は無事に降下して、爆発の衝撃で正常に動作しなくなってしまったとのこと。

我々も過去には、機体がロケットから放出されずに、パラシュートも開かずに、時速300kmで地面に激突して木っ端みじんになったことがあります。
が、ロケットが爆発ってのは、聞いたことがありません、

おっと!
とにかく宿に帰って修復を急ぎ、原因究明と対策をしなければなりません。

宿での詳細な検証の結果、機体は何とか修復できそうです。
また、機体の制御ログの解析の結果、空中でのパラシュート分離は確かに起きていて、プログラム上のエラーが原因であることも分かりました。

さて、これらの問題を解決して、明日も朝イチの打上げを目指しますよ。

ARLISS 2024 大会2日目 開会式・打上げ初日

今日は開会式があり、その後に打上げが開始されます。

宿で5時半に朝食をとって、6時前に砂漠に向けて出発。
このあたりの日の出は6時半頃なので暗いです。

ファーンリーから砂漠の射点まではおよそ100マイル、160km程度で、2時間くらいかかります。

予報では天気は晴れ、最高気温は32度。相変わらず湿度は低くて10%少々というところ。
開会式は8時。気温は10度少々で寒いです。

会場周辺はこんな感じです。
左の列に参加団体のテントが並び、右側はロケットのオーナー達のキャンピングカー、見難いですが、さらに右の方にロケットの発射台があります。

我々は、今日は打上げはせずに、砂漠でのセッティングとAIの学習用データの収集をします。

今日は会場での昼食後、さらにゴール付近でAI学習用データを取得したら宿に戻りました。
後は、今日取得したデータを元に、ゴール誘導のプログラムを組んで、明日の打上げに備えます。

なお、今日が打ち上げの初日でしたが、風が強いこともあり、打ち上げたチームは1、2チームだったかな。ほとんどいませんでしたね。
恐らく最終日に向けて徐々に増えてくるでしょう。