ものづくりはひとづくりなのですよ 本当に

授業で製図を教えたりしているのですが
常々思うことがあります。

描き方だけ教えたって片手落ちだよなぁ
と。

授業では描き方だけでなく
強度の計算などもやりますが
それでも片手落ちと言わざるを得ません。

なぜかというと

図面はものを作るためにあります。
なので、ものを作ってみないことには
どんな図面が良いのか
なんてことは分からないからです。

「良い図面」の定義を並べてみようなんて思ったら
色々出てきちゃって大変なので省略しますが

図面はなぜあるかというと
自分以外の誰かに
それを作ってもらうためです。
(そうでない場合もありますが
大抵はそのためです)

多くの場合
設計者は設計だけ
図面を描く人は描くだけ
作る人は作るだけ
となったりします。
設計と作図の両方をやる場合も多いですが。

でも、設計者、作図者がものを作ったことがあれば
それはもう間違いなく
良い設計ができて図面を描けます。

だって作ってもらうために
設計したり作図したりするのですから
どう作るかを知らなければ
良い設計、良い図面にはなりません。

製作者は
どういうふうに図面を見るか
どの寸法、形状を重視するか
どういう手順で作るか

指定した材料を
どのように加工するのか
加工すると何が起きるのか

そういうのは知識面だけでカバーすることが多いと思いますが
実際に手を動かして作った経験があれば
格段に良い情報(設計情報や図面)が作れるのです。

ものを作る経験が十分でない人が描いた図面は
ひどいものもありますからね。

「どうやって作るんだよ、それ」
そんなことが往々にして起こります。

結局、図面は他人のために描くものですが
授業では、その視点が手に入らないのです。

ついでに言えば
作ってもらう相手
使ってもらう相手
に対する気持ちや心の問題でもあって
そういうのが図面に現れるべきです。

だから、ものづくりって大事なのです。

そういう大事な経験を存続するために
夢工房は頑張っている
というのもあるのです。

技術者が良心を捨てたら終わりです。

技術は人なり

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