我、真理を得たり ちょっとだけ

以前から心掛けていることがあります。

動機善なりや 私心なかりしか

これは京セラ創業者の稲盛和夫さんが
KDDI(当時は第二電電)を創業する時に
自身に問いかけておられた言葉です。
有名ですね。

この言葉を知った時
当時は完全に飲み込めなかったものの
何かピンとくるものがあったので
自分の行動指針としてノートに書き留めて
ことある度にに見るようにしていました。

それから何年が経って
ここ数年で、やっと腹落ちしてきました。

私の望みは
学生の夢が叶うこと
ではありますが
それはごく一部です。

一番重要なことは
将来彼らが世の中の役に立ってくれることです。
それを彼らの得意なことや
好きなことで実現してくれれば嬉しいし
それが一番うまくいく方法なのだと思っています。

では、今回の核心です。

人は色んな希望を持っています。
いわゆる夢の実現、自己実現などもありますが

自身の安定した楽な生活のために
仕事が欲しい!
お金が欲しい!

こういう動機は自分のためでしかない
利己的なものなわけで
これが我欲であり私心です。

今や…というか昔から
それが当たり前なのかもしれません。
偉そうにこんなことを書いている私も
大学生の頃はそんなものでした。

でもこの私心が
うまくいかない根源だ
ということに気付いている人は少ないと思います。

「食うために仕事をしている」
という動機は別に珍しいことではありません。
良く聞きますよね。

でも仕事には必ず相手がいて
相手のためにやるからこそ対価がもらえるわけでしょう?

対価を払うとき、我欲に基づいて仕方なくやっている人と
本当に相手(お客さん)のことを考えてやっている人の
どちらに気持ちよく払えますか?

あなたは
「俺が食うために必要だから、これ買ってくれ」
と言われてお金を払いたいですか?

なんて聞くだけ愚かですね。

そんなの分かっているけど
きれい事言ってもどうにもならない?
自分だけは利己的な考えでもお金がもらえると?
本当なんですか、それ。

チャンスもお金も、相手に渡すには理由が必要です。
厳密には、理屈ではなく感情の問題だと思いますが。

自分のことばかり考えている人間に
周囲が同意して力を貸す気になれるか?
チャンスをあげる気になれるか?

なれるはずはないですね。
なれるとしたら
それは取引上とか職務上の理由だったりして
本心から同意して動いているわけではない。

なので
他の利のために仕事をすべきなのですね。

それを
自分の好きなこと
自分の得意なことで提供できたら最高です。

これは
会社の仲間との関係でも同様でしょうね。

皆が利己的な心で動いているとしたら
それに同意できる者はいないはずなので
あらゆることがうまくいかなくなるはず。
当然ながら
そんな人間が集まった社会はうまくいかなくなります。

そして
そもそも利己的なことのために
全力を尽くせるのかというと
もちろんそんなことはないわけで
そういうものって
短期的で小さな成果になること多くて
困難に遭遇すると
簡単に諦めたり変えたりできます。
結果、うまくいかないことが多い。

でも
利他的な心で動けば
同意してくれる人は多いでしょうし
多くの人が力を貸してくれるはず。

皆が喜んでくれることなら
必要としてくれる人も多いでしょうし
やり甲斐も感じられるでしょう。
もちろん、そう簡単に諦めたりはできません。
最終的にはうまくいったり
色々と得られるものが多くなる。

もちろん
得たものは溜め込むのではなく
次に回すんですよ。

言うは易しで
できるかどうか
どこまでできるかは
やってみないと分かりません。
なので可能な限りやるべきでしょう。

やってみないと分からないならやらない
とか
分かっていることしかやらない
などという選択肢は無い!

技術は人なり