人材育成について 一つの解答

では、夢工房はどんなスジを狙っているのかという話です。

まず第一に
マジョリティに飲み込まれないことです。
2:6:2の法則の
「6」に入らないこと。

これは当人に不利になるだけでなく
他のためにもなりません。

そして最も大事なのは
チャレンジャーであること
これです。
まずはこれに尽きます。

そこから創造性が生まれて
独自性とか優位性に発展していく
と思っています。

勉強ができてもチャレンジャーであるとは限りません。

最近では、むしろチャレンジしたくないから
勉強を頑張っているケースが多いのではないでしょうか。

定型的な学びに固執すれば
当然ながら定型的な仕事に繋がります。

では、定型的でないもので勝負するとはどういうことか
これは、より高いレベルの知識とか学歴が…
と思いがちですよね。

ところが、そういうことではありません。

定型的ではないというのはどういうことかというと
形の定まらないものとか
何が起きるか分からないとか
答えの無いものとか
そういうものは総じて新しいものです。
つまりクリエイティブ(創造的)いうことになるでしょう。

創造性を発揮するというのは
新しいことをやるということですから
経験が無いとか
答えが無いとか
そういう情況に対峙することになるわけで
そえはまさにチャレンジです。

そこでものを言うのは
知識ではなく心のあり方です。

自らそういう情況を作ったり
そういう情況に飛び込んでいったりするわけですから当然です。

そこでは新しいことをやるのですから
必ず何かしら不足します。

チャレンジャーなら足りないものを放置できずに
掴みに行くはずなので
自ら学びます。

基本的にチャレンジャーの特性として
自分が必要と思えば学ぶけど
一旦必要無いと思うと全く身が入らない
というのがあると思っているのですがどうでしょうか?

同様に
自らのチャレンジに必要と思うものは
積極的に取りに行くので
チームワークとかコミュニケーションとか
そのへんも心配は要らないはずです。

そうそう、最近では
多くが専門領域の中で仕事をして
そこから出ていかないとか
過去の経験の領域内から出ていかないとか
そういう傾向が強くなっていたりしませんか?

そんなことは無いなら結構なのですが
そんな風になっている気がしてなりません。

私がサラリーマンをやっていた頃は
役所が絡む仕事になると
「前例が無いから」とか
「担当範囲外だから」とか
すぐそんな台詞が出てきて
「またかよ」
とうんざりしていたものです。

まさか民間企業がそんなことになっていないといいのですが
安定傾向が強くなってくると
そういうところに向かう気がしています。

そういう情況を打破できるのもチャレンジャーでしょう。

続くかも

人材育成について ちょっぴり戦略編

前回の続きです。

技術系の学校であれば
プロフェッショナルとか
エキスパートとか
スペシャリストとか
そういうのを目指すというのは
ごく自然で当たり前でしょうね。

これに対して違和感を感じるのはなぜか
というのが今回のお話しです。

違和感の正体は何かというと
そこを狙っても競争力が無いのではないか
ということです。

勘違いして欲しくないのは
プロフェッショナルとか
エキスパートとか
スペシャリストとか
そう呼ばれる人達に
価値が無いはずはありません。
そういう話ではないのです。

我々が単純にそこを目指しても
競争力を得にくいということなのです。
それはつまり
十分に人様の、世の中のお役に立てない可能性がある
ということでもあります。

学校は「言われたことをやる」教育なので
その方向で行くとライバルが多すぎるのです。
だって、皆がそうしているのだから当然です。

さらに
2:6:2の法則では
2割は言われなくてもやる
6割は言われたらやる(言われたことをやる)
2割は言われてもやらない
です。

この6割を狙うというのは戦略的にダメです。

なぜかというと
この6割には、定型的な知識を使って
アサインされた仕事をこなすのが得意な人達が沢山いますし
そういうのは学校のお勉強ができる人の得意分野で
さらに、その領域の頭数は足りているでしょうから
過当競争になります。

仕事というのは言われたことをやることだ
と聞かされて、そう思って
そのためのことをやってきたら
そりゃあそうなります。

でも、そのやり方は
これからの日本が生き残っていくためのスジではありません。
すでに日本は安価(低付加価値)で大量生産、大量供給をして
やっていける立ち位置ではないでしょうから。

それに、そういった人材は決して理想ではなく
受け入れる側は、うんざりしているはずです。

なんでそんなことが言えるのか?
「そっち側」にいたからです。

私自身、完璧でも理想型でもありませんでしたが
部下を持った経験があれば、誰でも感じることです。

要求に対して答える仕事をするのは重要だけど
そこに付加される価値が重要です。

普通のことを完璧にこなしたところで
それはどこまで行っても普通なわけで

より大きな付加価値が必要なのですが
定型的な知識で付加価値を大きくできるかというと
そうではないことは、すでに皆が知っているはずです。

そんなのは今の世の中を見れば明らかではないでしょうか。
失われたウン十年と言われるようになったスジで
ハードにプッシュしたって結果は変わらないでしょう。

新卒社員が3年後に3割以上辞めてしまうのは
勉強ができないからですか?
もっと頑張って勉強して成績が良くなれば
それは解消されるのですか?
そんなことはないですよね。

そういうのを政治のせいとか
社会のせいとかにしたところで
それでうまく行くはずはありません。

学校には、できることがあるはずで
むしろ学校が大事なのだと思います。

言われたことを人一倍うまくやれるなら
そもそもウチの大学に来ていないわけなのですが
だからといってダメかというと
決してそんなことはなくて
我々には我々の勝ちスジがあると思っています。
というか、それを作って強化しなければならない。

そんな前提で夢工房の人材育成を考えています。

続く

人材育成について 前振り

夢工房で育成すべき人物像は?

これは私が大学に来てからのテーマです。

もちろん単一種では困っちゃうし意味がありませんので
色々できる競争力のある人材を育てたいと思っています。

扱っているテーマがテーマなので
幸いにして今のところはモチベーションの高い学生が集まってくれて
結果としては卒業生達の多くがやりたいことができていて
世のお役に立てています。

取り組んでいるテーマ自体はほぼ一貫していますし
本質的な部分も一貫しています。

でも、取り組んでいることの細部や手段の面では
ずっと同じことをやってきたわけではないし
今後も同じことをやり続けていくつもりはありません。

冒頭の
夢工房ではどんな人材を育成すべきか
これを継続的に考えているのですが
それにも波があって
ガッツリ考えることもあれば
ゆるーく、何となく考えていることもあって
最近は、それらをちょっと整理すべき時かな
なんて思っています。

そう、ボンヤリとしたビジョンはあるのですが
明確化していく必要があるということです。

仕事柄、この話は業務の核心に触れるところなので
もし開発業務であれば機密事項です。

でもまぁ、他人から見ると
それほど大したことでは無いかもしれません。

しかしもし意味のあることだと思って
参考にしたいと思って下さる方がいるのなら
それはそれで結構なことなので
ブログで展開してみようと思いました。

さてさて
基本的な部分は
やはりものづくりなわけで
その路線で行くとイメージ的には

プロフェッショナルとか
エキスパートとか
スペシャリストとか
そういうニュアンスになるかと思うのですが

それらを良く考えてみると
どうも違うな
という気もしています。

まぁ、それでも悪くはないのかもしれませんが
その線で行くと敗北決定かもしれません。
一体どういうことか。

次回に続く