常識と自由

要求された正解を求める

正解が出れば安心。
それは現在の我が国の学校においては当然のことで、最も価値があることとされている。

でも、それは本当か?
これからもそうなのか?

そもそも究極的に、あらゆることには絶対的な正解があるのか?

当然、無い。

しかし、テストの問題のようなものには正解がある。
そうじゃないと点数を付けて評価できないから。

そういった勉学のような、知識を獲得する過程におけるものは手段的なものなので、ある程度結果が明確でなくてはいけないのは確か。

ただ、そこにたどり着くプロセスは自由なはず。

何かをするための手段であれば、その結果が明確でないと困ってしまいます。
やったら何が起きるか分からない…では、その手段は使えません。

学校でやっているお勉強は、そういった手段的なものです。
決して目的ではないはず。
ましてゴールでもありません。

何かのためにどんな手段を用いるか
その手段を用いる目的
最終的にたどり着きたいゴール

本来それらは自由なはず。
自分で決めるべきものです。

その自由を奪うのは目的がある。
もちろん自由を放棄したとしても、それにも目的がある。

その目的は常識という名の、目の前にあるのだけど誰も興味や疑問を持たない領域にそっと隠されている。

我々の常識は違う環境、例えば、異なる仕事、異なる国、異なる時においても通用するのか、というと、決してそんなことはない。

自由が不自由に勝るのか

それは分からない。
自由も不自由も、当然一長一短。

自由を求めるか否か、何に自由を求めるか、それこそも自由。

見えないリミッター

我々にとってコロナ禍とは一体何だったのか?

そんなことを今頃になって思い返していたりします。

我々年長者にとっては、長い「コロナ禍前」があって、人生のトータルで言ったら、コロナ禍はほんの一部。
なので、基本的な価値観にはさほど影響が無かった気がします。

でも、ちょうどその時に多感な時期を過ごしていた彼らにとっては、人生のうちの結構な期間を占めることになったわけで、その影響はかなり大きかったに違いありません。
「多感」どころか、あまりに刺激が少なくて抑圧されていて、それがそれこそ価値観の一部を形成してしまうほどの威力があったでしょう。

学生なんて、ただでさえやりたいことができないという経験が多いと思うのだけど、それがさらに強化されたわけで、そしていつまで続くのか先が見えない。

そんな状態では、未来を想像するのは難しいどころか、意味が無かったのかもしれません。
自由がないのは当たり前で、来るものを単に受け止めるだけ、オンラインで垂れ流される情報を受け止めるだけ。
そんな状態が続いていて、それによって価値観の基本的な部分の一部が形づくられていたとしたら…。

我々年長者の持つ基準や価値観と比べたら、そんなことになっていた、と言っても良いくらいなのではないかな、と思いました。

虫のノミっているでしょう。
ピョンピョン跳ねるヤツ。
アレをコップに閉じ込める。
すると、跳ねると天井にぶつかってしまうので、やがて高く跳ねなくなるそうです。
で、コップを外しても高く跳ねないまま。

魚を水槽に入れて、中にガラスで仕切りを設けます。
水中ではガラスの壁が見えません。
魚は、ガラスの見えない壁にぶつかって、その先に行けません。
すると、ガラスの壁の先に行こうとしなくなるそうです。
で、その壁を外しても、その先には行こうとしないまま。

そういうことなのだろうなぁ。
例えが極端かもしれませんが、きっとそういう風に、見えないリミッターが効いた状態なのかもしれません。
見えないリミッターはキツイです。
自分でもなぜそうなっちゃうのか分からないし、分からないものは手の付けようが無い。

ところが今年の1年生は、その効き目がちょっと弱くなった世代なのかな、と思うのです。
彼ら、結構グイグイ行きますから。
良い傾向です。

で、その影響がチームに及んで、皆でグイグイ行って欲しいものです。
自分だけで考えていても分からないことでも、他と比べれば気付くこともあるでしょうから。

きっと大丈夫!

小さな勇気で解決だ…という戦略

何かをするとき
特に困難やリスクを伴うことをするとき

そんな時には勇気が必要です。

そして、時間が経てば立つほど大きな勇気が必要になります。
ビビったから、ちょっと待って落ち着いてから…
そうはいきません。

初動が早ければ速いほど、小さな勇気で動くことができます。
待てば待つほど余計なことを考えて動きにくくなる。
人は誰しも失敗の経験の方が多いはずで、失敗については超リアルに想像できるからです。

さて、誰しも成長して能力を向上したいですね。

能力は使わないと伸びないし
使う環境が無ければ使わない

そして、その能力を使うかどうかは勇気が左右する
そして初動が早ければ小さな勇気で済む

ということは、思いつきでも良いので適切な(と思う)環境に素早く飛び込んで、遠慮せずにやりまくる。

小さな勇気を継続的に発揮して経験の数を増やしていけば、必然的に能力は向上するのですよ。
ビギナーは最初からうまくいかないものです。
まして、いくら考えたところで経験が無いのに完璧な答えなんて出ません。

だったら早く動いて、ダメなら結果をフィードバックして改善する。
これならうまくいきます。
凄いスピードで改善したら、うまくいくのは当然でしょう。
時間と経験というリソースを最大限に活用する戦略です。