仕事に必要なもの その1

仕事とは、言われたことをやるもの
と思っているなら、この先は読む必要は無いと思います。

ここでは、技術系、特に開発の仕事において、良い仕事をするには何が必要か、という話をしましょう。

とは言うものの、これさえできれば完璧!という正解があるわけではありませんし、私ごときが言えることはたかがしれているのだけど、私でも言えることで、半ば社会の常識かもしれないけど、意外と学生は知らない話をしましょう。

そもそも、開発業務を経験した人と学生が話をする機会ってあまり無いのですよね。
なので、そういったことを仕事にするのであれば知っておいた方が良いことでも、なかなか知る機会が無いのが実情でしょう。

必要なことは色々ありますが、基本的には「ものづくり」ですので、ものはどうやって作られるかという基本的な知識は必要でしょう。

と言うのは簡単です。
ですが、ここに含まれることは広範にわたるものです。

まず筆頭に来そうなのが、技術的な知識でしょう。
これはいわゆる学問的なものも含みますが、完璧である必要は無いと思います。
基本的なところはソコソコ知っていれば良いかな。

重要なのは、実践知だと思います。
やらないと分からない事です。

というか、実践してみたら必要なことが分かるという言い方のほうが良いかもしれません。
ここで言う「必要なこと」には、授業で教わるような形式的な知識も含んではいますが、授業では教えられないことも含まれていて、それが実践知です。
「それは何だ?」と言われると困ります。
だって、やらないと分からない事だから。

でも、分かりやすいところを一つ挙げるなら、五感で感じるようなことかな。

例えば、設計をするのであれば、最終的なアウトプットは、図面などの設計情報や仕様なのですが、それらは一体何のためにあるかというと、製品にして使用して、要求される働きを発揮させるためにあります。

そのためには、まず製作する必要があります。

であれば、どのように製作するのかが分からなければ、それらの情報を作ることはできません。
作れもしない図面を描いたところで意味はありませんし、作り手を考慮せずに作りにくいものを設計するとロクな事になりません。
精度が出ないとかコストが上がるとか。

なので、いくら設計をするといっても、ものを作った経験が無いと良い仕事はできないと思います。
とはいえ、あらゆる製作経験を…なんていうのは非現実的なので、可能な範囲で経験を積んだら、あとはせめて現場を見て、作業者とコミュケーションを取って、実際の製作をイメージできるレベルにはなりたいものです。

そのイメージに含まれるのは、単なる形式的な知識ではなく、作り手が五感で感じるであろうものまで含まれれば、それを元により良い設計情報をつくることができるでしょう。

つづく

仕事の価値とマインドセット

言われたことをやったところで
皆がやっていることをやったところで
それでうまくいくという保証はありません。

確かなのは、言われたことや、皆がやっているなら、独自性や希少性は無いということ。
それをやっても喜ぶ人はいない…

いや、いるか。

親や先生は、言われたことをちゃんとやってくれたら喜ぶだろうね。
学生は、そうやってトレーニングされていくものだ。

今回言いたいのは、社会に出てからのこと。
社会に出たら、仕事をするわけでしょう?
自分で何かしらの価値を作って、それを他者に渡す。
そして対価を得る。

もちろん、渡した価値に対して相手が喜んでくれたら良いわけで、その喜びの大きさが価値の大きさなわけです。

言われたことをキッチリやったら、その成果は要求を満たしたってことになる。
その成果で相手がどれだけ喜ぶか?
どう思いますか?

安心はするかもしれないけど、恐らく大して喜ばない。
要求を満たすのは最低限のことだから。

分かりやすい例として、コンビニで買い物をしたとしましょうか。
欲しいものが買えた。
店員さんはマニュアル通りの対応。
あなたはどれだけ嬉しくなるだろうか?

それに対して、嬉しくなるような買い物をした経験もあるでしょう。
それは商品の持つ価値だったり、店員さんの対応だったり。
それこそが価値です。付加価値と言った方が良いかな。
そしてそれらは「最低限」ではなかったはずです。

実はあまり知られていないかもしれないけど、会社員だって同じです。

私が部下の給料の査定をするときに、ボスから聞いて知ったこと。
基本的には、与えられたタスクをこなすだけではプラス評価にはできない。
やって当然のことをやっただけに過ぎないから。

もちろんマイナスじゃないですよ。
でも、プラスにはできない。
まぁそりゃそうだ。
と、その時知りました。

しかし残念なことに、「仕事は言われたことをやるもんだ」という固定概念がはびこっています。

これは給料の話ですので
「別に特別沢山お金もらう必要なんてないもんね」
となるかもしれません。

しかし、評価されない仕事を、言われたことを我慢しながら何十年も続けて大丈夫そうですか?
やり甲斐を持って仕事をするなら40年以上楽しめる可能性があるのに。

じゃぁ面白そうな仕事を探さなきゃ!

それは大事です。
が、やってみたこともないことなんて面白いかどうかなんて分からないし、実際やってみたら想像と違っていたなんてこともザラにあります。

なので、基本的には好きな分野を選ぶべきだと思いますが、大事なのは自分がやっていることを面白いものに変えていくことだと思います。
言われたことをやるだけでなく。
それで他者を喜ばせる。
その様子を見た自分も楽しくなりますよ。

しかし残念ながら、学校の授業ではそういった経験はしにくいです。
そもそも言われたことをやるのが基本で、そういうことができるシステムになっていないから当然ですが。

しかも学校では、やらなきゃいけないことが多すぎて、余計なことをやりたくないとか、そんな余裕は無いとか、そういうことになりがちかもしれませんね。
そういうやり方に飽きちゃってるかもしれない。
それで受け身で最低限のことをやるマインドセットになってしまう。

なので、好きなことをできそうなフィールドを探しましょう。
将来、組織で仕事をするなら、チームでできることが良いですね。
そこで一所懸命やる中で、ものごとを面白く変えていく経験をしましょう。
そして積極的に最大限のことをやるマインドセットを作りましょう。

それができれば、恐らくどんな仕事をしても面白くできて成果が出せます。

人は誰しも環境の影響を受けます。
なので、仕方ないことも多いのです。

でも、現状の問題を認識したら、その先どうするかは本人の責任です。
というか、自由です。

自由は責任を伴いますので、当然リスクが発生します。
しかし、現状の問題を放置してもリスクは発生します。

どちらを取るかは自分次第。

今、どうすべきか?

「自分はこんなとき、こうする」ってのがあるでしょう?
そういうお話しです。

良い事が起きたら喜ぶ
とか、そういう当たり前のことは大して問題にはなりません。
だって良い事が起きているのですからね。

大事なのは、その逆です。

困難な状況、危機的状況でどうするか?
そういった状況でこそ、自身が問われます。

困ったことに、そういった時に発動するのは生存本能やら防衛本能で、無意識のうちに反射的に行動していたりします。

それが悪いとかいう話ではありません。

善悪じゃなくて
それじゃ面白くないよね
とか
それじゃ価値が無いよね
とかいった話です。

困難は、かつての自分が原因を作っています。
それによる結果が起きて、それに対する反応はいつも通り。
だったら、その後も今まで通りで、同じ事が起きます。

そう、困難な状況こそ、試されているのです。

そこで面白いことができるか?
そこで価値ある行動ができるか?

そこで求められるのは、一般的な当たり前の行動では無いのです。
でも、かといって正解も無い。

まぁ、色々やってみて
「自分ならこうする」
を構築したらいいでしょう。

ヒントになるのは…そうだなぁ…

「逆」をやるといいですね。
皆がやる逆のこと。
これ、冗談ではありません。

面白いことや価値があることって、どういうことで構成されているでしょう?

大抵は、独自性とか希少性でしょう?
ありふれたものには価値は感じられませんものね。

基本的に、皆がやらないこと、やりたがらないことって価値があったりするのです。
だから逆をやる。

困難に遭遇したら、眉間にしわを寄せたり、俯いている場合じゃありません。
その時に、キミにとっての「逆」をやってみましょう。

きっと面白いことになりますよ。