好きこそ物の上手なれ

昔から

好きこそ物の上手なれ

と言いますね。
好きなことは上達するもんだ
といったような意味です。

論語にもあります

子曰く、これを知る者はこれを好む者に如かず。
これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。

あることを知っていても
それを好きな人にはかなわない。
それを好きな人は楽しんでいる人にはかなわない。

ってことです。
まさに真理!

というか
昔からそんなの当たり前だったのです。
にもかかわらず
最近はそんな感じが薄れているように感じます。

工科系の学生は
もちろんそっちの分野に興味があるから
その道を選んでいるわけで
日頃から
もっとワクワクすることに接していれば
もっともっと伸びると思うのです。

現状は
学ぶ内容が自分の価値観に対して
距離を感じさせるようなものになっていて
自ら進んで「モノにしたい」と思えないのでしょう。

技術の価値の根底にあるものって
「動いた!」
「飛んだ!」
「走った!」
「速いぞ!」
とか
とてもプリミティブな感情だと思うんです。

それを支えるために周辺の技術があるわけで
細かい個別の技術がスタート地点ではないはず。

まぁ、中には細かい要素技術が好きで
そういうのが得意な人もいると思いますが。

ゴールが
「うわー!すげぇ!これやりたい!」
というようなものであれば
周辺の知識や技術は
自ら進んで掴みに行くでしょう。

興味を持てない
何に使うか分からない
そんな知識を
とにかく理解しろ
というようなやり方は
ボチボチ限界なのではないかな。

なので
その辺のやり方に関しては
まだまだ工夫する余地があるはずです。

奇跡の国の若者たち

自分が住んでいる国は
自分にとっては当たり前で
それが基準なわけだから
別になんとも思わない
それが普通かもしれません。

しかし
我が国についてよくよく考えてみると
こりゃ凄いな
と改めて思うんです。

だって
たいして資源らしい資源なんて無いですよね。
それに島国なわけだから
他国の情報を入手するのは
いちいち大変なはずなのです。
今はネットもあるし、飛行機もあるので
さほど不利ではないですが
かつてはかなりの日数をかけないと
他国の文化なんて知ることすらできなかったはず。

そんな状況から発展していって
こんな水準を保てている国はそうそう無いです。
生活のレベルはもちろん、文化や技術もしかり。

むやみに
日本サイコー!
とか言いたいわけではないのだけど
冷静に考えてみると凄いと思います。

ここまで発展したのは
先人の努力によるものなのですが
それにしても良くやるなぁ
と思ってしまいます。

現状は
バブルがはじけた後に
失われた20年とか
色々あったりして
自信を失っている部分もあると思うのです。
加えてコロナ禍ですものね。

ですが
現状を悲観したり卑下したり
暗く悲しい気持ちを持って何かをやっても
うまくいかんと思うのです。

きっと我々の先人たちも
危機感とかはあったかもしれませんが
悲観的な気持ちで
色々やってきたわけではないはずです。
そんなんじゃうまくいかないはずです。

なので
前向きな明るい気持ちで行きましょうよ!

なんてことを改めて思ったりする今日この頃。

というのは

私が面倒を見ている学生達
毎日オンラインで
超頑張ってます。

学生の活動なんだから
気が向いたときにボチボチやってんだろ?
とか思います?

いやいやとんでもない!
朝から晩まで毎日フルパワーですよ。
さすがに週末は休んでるようですが。

最初の緊急事態宣言が出てから
ずーっと
そんな調子でやってます。
もう1年くらいになりますかね。
よーやるわ。

なので
オンラインで
できることを伸ばしまくった結果
新人の1年生は
超絶に成長しまくってます。

で、彼らを見ていて思うんです。
ろくに経験が無い連中が
クルマ作ったり惑星探査機作ったり
してるわけなんですが

経験が無いから
自信が無いから
ということを理由に
自信なさげな表情とかしないんですよね。
超元気!

あぁ、それがうまくいく秘訣か
と。

そんな表情だと
周囲の連中は
「これはイケるわ!」
と思って頑張るんですよね。
それがチームで連鎖してる。

もう毎日オンラインで
「行っちゃえ!行っちゃえ!!」
「やっちゃえ!やっちゃえ!!」
ですよ。

普通は、自信が無かったりすると
それなりの表情になるじゃないですか。

その表情見て
「力になりたい」
って気持ちにはならんのですよね。

「あぁ、大変なんだったら
その辺にしておいたら?」
なんて思ったりしてしまいます。

表情とか元気とか
ちょっとしたことなんですが
そんなことが環境を作っていくんですね。

日々、学生達から学んでいます。

やはり「技術は人なり」だ

お付き合いのある
とある会社の社長さんが
我が夢工房に来てくれました。
F1とかMotoGPなどの
トップカテゴリーのマシンの部品はもちろん
ジェットエンジンとかロケットとか
とにかく最先端の部品を
世界最高の精度と品質で作る
凄い会社の社長さんです。

世界中の(「日本中の」ではありません)トップカテゴリーの
ほとんどのチームがその会社に部品を発注しているので
どのチームが勝っても嬉しいという凄い仕事をしてます。

レーシングマシンの仕事しかしていないわけでないけど
こんな表現ならレベルの高さが分かりやすいのではないかな。

本学の卒業生もその会社で良い仕事をしてますし
仕事をオーダーしているチーム側の設計者も
私の研究室の卒業生だったりします。

嬉しいやらありがたいやら。

今まで何度も工場を見せてもらって
話を聞かせてもらっていますが
そのたびにビックリしたり納得したり。

話を伺っていて
エンジンからEVにシフトするとか
自動車そのものの形態が変わっちゃうとか
これから色んなことが大きく変わるだろうけど
高いレベルにチャレンジできる組織は生き残っていくんだな
と感じました。

「これからはEVだ」
と聞くとすぐ動いちゃったり
フラフラすると生き残っていけないみたいですね。
トレンドに追従したくなる気持ちは分からなくはないけど。

チャレンジして強みを作って磨いていく
本筋はこれだな。

やっぱり「人」だな。
と思いました。

チャレンジする人が
高い技術を必要とする
高い技術を生み出す

「技術は人なり」
ですよ。

結局は本人次第なんだけど
背中を押すことはできるはず。

夢工房では
せめて原石を割って
宝石が見えるくらいのところまでは持っていきたいものです。

できないことなんてない

言いすぎかも知れませんが
あながちそうとも言い切れません。

大学で学生と接していると思います。

技術や知識が何かをできるようにしているわけじゃないのだなぁって。

だってね
どんなに勉強ができたって
何か作れる
何かができる
とは限らないんですよ。

授業で成績優秀な学生に
「何か作ってみ」
と言っても
できるとは限りません。
成績が悪い子でも同様ですけど。

私も工科系の大学を出てますが
授業を受けてるときに思いました。

「この勉強で、自分の好きなクルマとかバイク作れるようになるんかなぁ?」

それは卒業まで確信に変わることはありませんでした。

もちろん授業の内容が全く役に立たなかった
ということではないですよ。

でも、いける気がしないままでした。
これで何かができるようになるとは思えなかったのです。

なので、在学中はレースばっかりやってました。
もしくは、江ノ島の堤防で昼寝してるか、バイトしてるか。

そんな話じゃタイトルと違うじゃないか!

そうですね。
本題はここからです。

冒頭の方で

どんなに勉強ができたって
何か作れる
何かができる
とは限らないんですよ。

と言いました。
これは事実だと思いますが

勉強ができるできないに関わらず
やりたいと思ったことは結構できるもんだ

ということが言いたいのです。

だってね
ろくにモノをつくったことがない学生が
レーシングカーを作れるようになるんですよ。

海外なんて行ったこともないのに
マシンを輸出する手続き取ったり
現地で色々やったり。

勝つためにマシンを作ろうと思ったら
強度計算とか解析とか設計とか実験とか加工とか…
それこそ山ほどできなきゃいけないことがあります。

でも、彼らはそれをやってますからね。
ほとんど自力で学んでいる。

一応、教員として私が面倒を見ていますが
別に授業みたいに
「はーい、これから車の作り方を教えますよー!」
なんてやってませんから。

分からないことを聞かれたら答えることはありますけどね。
燃える学生の背中を押すのが役目です。

なので
初動は学生自ら
です。

恐らく
教員が手取り足取り
アレやれ!コレやれ!
みたいにやってたら、こんなに大変な活動は
これほど長年続かないと思います。

やはり学生自身がやる気にならないとね。

そのパワーの源って、自身の心ですよね。
「やるんだ!」
っていう気持ち。

彼らのやっていることを見ていたら
「あぁ、できないことなんてないんだなぁ」
って思いますよ。
人の心の力って凄いなぁと思います。

あの巨大なギザのピラミッドとか
墳墓としては世界最大級の仁徳天皇陵は
いずれも完成するまでに20年ほどを要したと言われています。

その結果分かったことは

奴隷を使った労働では不可能であった

ということ。
そんな大規模な大事業は
力で無理矢理やらせるようなやり方では
必ず奴隷の反乱が起きて
継続できずに破綻するはずで
自発的な労働であっただろうということです。

自身がが「やる」と決めたら
凄い力が発揮できるということですね。

レーシングカーの作り方…の知り方

日本でレーシングカーを作るための実践的な知識を得たければどうしたら良いでしょうか。
学生がやっている手作りレーシングカーのFormula SAEマシンとか。

実はほとんど手がありません。

レーシングカーの作り方について実践的な内容が書かれた本は…
2冊ほど知っていますが、いずれもかなり古い本です。
内容が古くても本質は変わらないので
今でも役に立ちますけどね。
とはいえ絶版ですので
入手は難しいかもしれません。

あとは自動車技術会からも出ていますね。
理論的なことを理解するには良いのではないかな。

F1のメカを解説した本なんかはあります。
技術的な興味を満たすには良いですが
あれでレーシングカーは作れません。

ネットでもある程度情報が得られますが
部分的な知識であることが多いようです。

書籍でレーシングカーを作るための知識を得たければ
やはりアメリカでしょうね。
結構な数があります。
イギリスにもありそうな気がします。

欧米(オーストラリアやニュージーランドを含む)には
手作りで車を作る文化が今でもありますから
そういう知識に対するニーズが一定数あるのでしょう。

プロジェクト・カーとかプロジェクト・バイクなんて呼んで
長期的に家のガレージで週末に
レストアするとか
大幅な改造をするとか
人によっては車体ごと作ってしまうとか
そういうのを趣味にしている人達がいます。

作ること自体が楽しみだったり
乗って楽しんだり
そういう手作りの車で走れるレースもありますので
そういう文化が定着しているのでしょう。

ただ、人数自体はそんなに多くはないと思います。
多い少ないって主観的なものなので表現が難しいですが
カスタムカーがそこらじゅうで走り回っている
という感じではないです。決して。
アメリカでもイギリスでも。
まぁ、たまに見かけますので
一定数は確実にいるのですけどね。

バックヤードビルダーなんて呼ばれる人たちは
そういう人達ですね。
プロ、アマ問わず。
車に限らず
家で家具作ったりする人達もそう呼ばれますが。

日本国内のレーシングカーコンストラクターは
だいぶ減ってしまいましたね。
見学に行くのも良いでしょうけど
設計を教えてくれってわけにはいかないでしょう。

四苦八苦して
レーシングカーの設計や製作の
基本的な部分を理解したところで
それで戦力を持ったマシンを設計できるわけではありません。
実際に試行錯誤して
何度も何度も色々とやってみないとね。
本読んで知識を付ければ済むわけじゃないんですね。
まぁそういうものです。

というわけで
レーシングマシンの設計とか開発って
いわゆる暗黙知の世界なんですね。
やらないと分からないことばかり。
まぁ、ものをつくるって往々にしてそんなものです。

ところで
職人さんって
教科書で学ぶのではなく
見て覚える
見て技を盗む
という世界でしょう。

この
見て盗む
というのは
結構理にかなっていると思います。
目で見て分かる「型」をまねる
「型」が同じであれば同じ結果が出る
ということはないので
その過程では
多くの自分なりの工夫が必要です。

なので
一見同じようなものをつくっているようでも
実は進化している
ということがあるのではないかと思っています。

出雲とか伊勢の遷宮なんかはそういうものらしいですね。
何年かに一度
腕の立つ宮大工が全国から集まってきて
そのときの最新技術で以前と同じお社を作って
(もちろん伝統的な技術も使います)
神様が新居にお引っ越しする
というイベントです。

そんなものづくりの世界ですが
それでもアメリカ人は
そういうのをノウハウ化して残しちゃうから凄いです。
とはいえ!
やはりやってみないと分からない世界であること
には変わりはありませんけどね。

というわけで
実践的なレーシングカー作りの解説書
探すなら洋書が一番ということになります。

英語が苦手だから心配?
大丈夫です。
好きな世界のことなんだから理解しやすいですよ。
それに分からないことがあっても
自力で何とかしようとするでしょう?
それが本当の学びではないでしょうか。

ものがないのでものづくりの何を伝えるか

学生の設計内容を
特に1年生のものを確認していると
色々と気付くことがあります。

具体的には
客観的にどう見えるか
使用者を考えているか
使用環境を考えているか
あたりが見えていないなぁといったところです。

もちろん彼らはノウハウを知らないわけですし
機構や材料、要素部品についての知識など
基本的な知識が不十分だったりもします。

そもそも人が使うものなのに
ユーザーの視点に立って考えていなかったり
起こりえるイレギュラーな事象を
想像できていなかったりもします。

でも
学生なのだから
最初はそんなものです。
自分が作ってみたい物をなんとか形にしたい
というレベルからスタートです。

現状では
こうなるはずだ
という自己中心的な考え方になってしまっています。
こうなるかもしれない
という外部の不確定要素を視野を広げて
色々と発見できるようになると良いのですが
そういうのは
実際にものをつくらないと腹に落ちません。

そもそも人が使うものなのだから
ユーザーの視点に立って
どう見えるかとか
起こりえることなどを
作ったり試したりしながら体感できると
話が早いのです。

そのチャンスがあるのが
ものをつくる活動の良いところですね。

その辺に気づきを得られれば
クリエイティビティが刺激されて
急成長できます。

しかし
今はすべてをオンライン環境で進めているので
「じゃぁ作って試してみようか」
と簡単にいかないのが歯がゆいところ。

物体に関することを
言葉や文字や絵で伝えるしかないのですが
限界があります。

はやく大学に来て
物に触れるようになれば
色んなことが一気に解決するのですけどね。

そのときのために
どこまで準備しておけるか。
それが今すべきことの一つなのです。

結果として昨年は
マインドとメンタルの面を
集中的に伸ばせたと思います。

思えば
1年生と、こんなに色々話したことは
かつてありませんでした。
自分の経験や過去の事例、一般論など
口頭で可能な限り
伝えたつもりです。

このへんはオンライン環境のメリットですね。

ひょっとすると
彼らは今後
凄い伸び方をするかもしれない
とも思っています。

実際に手を動かして
ものをつくり始めると何が起きるか
今から楽しみです。

これから”も”必要とされるエンジニア像

この先、どのようなエンジニアが
世の中から必要とされるのでしょうか。
そのために学生はどのように成長すべきでしょうか。

工科系の大学で教員という仕事をやっている限り
こういうことを考えるのは重要なことです。
世から求められる人材を育成するのが仕事ですから。

端的に言ってしまうと
エンジニアは
新しい価値を作り出してナンボですよね。
そのための資質は基本的に重要です。
これは時代が変わっても普遍でしょう。

私は良いエンジニア
であったかどうかは分かりませんが
幸いにして素晴らしいエンジニア達に
囲まれて成長する運には恵まれました。
これには本当に自分でもビックリです。

自身の実力よりも人間関係に
恵まれていたので今がある
と思っています。

いろんな人がいましたが
皆さん共通していたのは
何かしらの明るさとか
強さを持っていたことだと思います。
あとはスピードですね。

「何かしらの」と表現したのは
「同じような」ではないからです。

皆さん個性的でした。
他と同化したがるようなところは
無かったと思います。
なので今でも「普通は」と
良く口にする人に接すると
違和感を感じてしまうのです。

「そこに答えは無いだろ」
と思ってしまう。

一口に明るさといっても色々ありますよね。
一見して明るい性格の人や
真面目そうなのだけど
どこか面白さを秘めたような人。
共通していたのは前向きな姿勢
だったのかもしれません。

強さは、力強いとか
ひたむきで粘り強いとか。
心の強さは重要です。
だって開発って必ず失敗したり
行き詰まったりしますからね。
そのときにどうするか
そこからどうするか
が勝負です。

スピードに関しては言うまでもありません。
前に進まずに考え込んでしまう人に
仕事ができる人はいませんでした。
これは当然ですね。
即断即決!即行動!

すぐに動けるということは
頭の回転が速い場合もありますが
自分の軸を持っているので
直感的に判断できるケースも
多いのではないかと思います。
そういう人は日頃から
色々考えているのでしょうね。

すぐに動くのは
やはり勇気でしょう。

こういった資質は生まれながらの
ものかどうかは知りません。
でも、後天的に身につけられるはずです。

自分が
そうなりたい
と願えば。

すべてではなくても
何かに特化しても良いと思います。
それは自分の戦略次第。

こういうのって外部から
「こうしろ」
と言ったところで
そうなるものではないですね。
もしそうなるのであれば
授業を受けたり本を読めば良いわけでしょう?

でも、誰でも受けられる授業や
誰でも読める本を読んだところで
皆と同じになるだけであって
そこに固有の価値は無いでしょう。

と、こういうことを言うと
よく揚げ足を取るように誤解されるのですが
なにも勉強する必要なんか無い
なんて言うつもりはありませんからね。

やはり重要なものは
色々やる経験の中から
身に付けるものなのでしょう。
これこそが経験知の一つなのかもしれません。

夢工房の連中は
レーシングカーや惑星探査機をつくる経験の中から
何かしら身に付けてくれるといいなぁ。

他の多くの学生達にも
色々なことに挑戦してほしい。

と、こんなことを昔を思い出しながら書いてみました。

海外遠征のお話

このところ12月は
ほぼ毎年オーストラリアに行ってました。
Formula SAEの大会に参加するためです。
もちろん今年はコロナ禍のために遠征は中止です。

12月のオーストラリアは真夏です。
なので、結構長いこと12月の3分の1は
日本の寒さから逃れられてたんですね。
寒いのが苦手な人間としてはラッキーでした。

オーストラリアで毎年お世話になっている
皆さんに会えないのは寂しいですね。
遠征の拠点にしていたメルボルンは
結構厳しい規制が敷かれているようで
あまり自由に移動できないような話も聞きます。
みんな元気でやってるかな。

2019 Formula SAE Australasia

遠征は旅行ではないので
お気楽で楽しいものではないです。
正直かなりしんどいです。
エキサイティングな日々ではありますが。

私は長いことあちこちの遠征に付き合ってきたので
慣れてるといえば慣れてるので良いですが
恐らく学生達にとっては
いろいろな感情がごちゃ混ぜになった
凄い体験なのだと思います。

遠征に行っているおよそ10日間は
心も体も早朝から深夜までフルパワー
アドレナリン出まくりです。

では、そんな遠征は嫌なのかと言われれば
決してそんなことはありません。
私も学生達も。

大変なことの裏側には
常にやりがいとか充実感とかがありますからね。

大変な思いをすればするだけ得られるのもは大きいです。
彼らの成長ぶりも遠征の前後では見違えるようです。
本人達は気付いていないかもしれませんが(笑)

異なる文化の地で
どうしたら良いか分からないことの連続で
それらが一々避けて通れないことです。
何が何でもやるしかない。

とはいえ
語学が苦手な学生でも
普段は消極的な学生でも
いざとなったらやるもんです。
大抵は何とかしちゃう。
これには感心してしまいます。

例えば
大会中に部品が壊れてスペアが無い。
仕方ないので手書きで図面描いて
近所の工場に飛び込んで作ってもらう
とかね。
しかもタダでやってもらうとか(笑)

現地の学生と一緒に
バイクの解体屋さんを探して
スペアパーツを探して買ってくるとか。

重要な部品を日本から持ってくるのを忘れて
現地で専門業者を探して
ゼロから作ってもらうとか
そもそも忘れんなよ!って話なんですが
それでも、その状況を期限内になんかすることに
意義があるのです。

他にも
「おいおいマジかー!」
っていうような
凄いことをやってのけることもあります。

こんな遠征を経験した学生達は
得体の知れない自信を身につけます。
天狗になるという意味ではないですよ。
やればなんとかなるって実感するんでしょうね。
その感覚を体で習得する感じかな。

遠征が終わるたびに
「もっとみんながこういうことすれば良いのにな」
と思います。
Formula SAEとか惑星探査機CanSatの遠征に限らず。

でも、みんなは無理だな。
大変だもん。

こんな凄い経験をさせてくれている
大学や支援者の皆さんには感謝することしきりです。
学生達は、いつかこの恩を返せるようにと
日々頑張っています。

明日からはオンラインでのオーストラリア大会が
スタートします。
授業やら何やらで
準備が十分できなかったようにも見えるけど
ベストを尽くしてもらいましょう。

仕事の本質

偉そうなタイトルですね。
すみません。
でも難しい内容でも
偉そうな内容でもありません。

最近
世のため人のため
ってあまり聞かなくなりました。

そんなのは偽善的で受け入れられないのかな。

自分が食うために
やりたくないけど
我慢して
頑張ってんだよ!

って言わないとダメ?

本来、仕事とか経済活動っていうのは

自分にできないことを
誰かにやってもらって
「ありがとう」
って対価を渡す

他の人が喜ぶことを
やってあげて
「ありがとう」
って対価をもらう

ってことでしょう?
それが本質ですよね。
とてもシンプルです。

会社のような組織だって
一人じゃできないことをやるために
いろんな人が集まって
特技を活かしたり
お互いを補いながら
顧客(他人)に価値を提供していくのですよね
喜んでもらうために

「喜んでもらうなんてきれい事だ!」
なんてことはないですよ。

「わあ、いいな!」
って心が動くからものを買うのでしょう?

買ったものに満足がいけば
嬉しいでしょう?

本質はそこですよね。
人の心を動かすための
熱意と感謝
かな。

最近になって
「ユーザーエクスペリエンスのために」
とか言い始めてますよね。
より良いユーザー体験のために
ってね。
これってつまり
お客さんに喜んでもらうのが大事だ
ってことでしょう。

さてさて
夢工房では
学生がレーシングカーや模擬惑星探査機を
つくってたりします。

彼らは日頃やっていることを
「仕事」
と呼んでます。

もちろん給料みたいな報酬はもらっていません。
この活動をすることによって
将来やりたいことに近づく
就職に有利
自分の成長のため
好きなことを一所懸命やりたい
とかは
もちろんありますけどね。

彼らは
周囲の支援があって活動できてます。
なので
みんなを喜ばせないといかんのです。
そんなゴールがあれば
簡単に諦めるわけにはいかない。

当然うまくいかないことはあります。

理由は色々ありますが
多くの場合は

自分のためにやってるから
だったりします。

自分が失敗したくない
自分が傷付きたくない
自分が苦労したくない
自分が褒められたい
とかね。

こういった活動は
エキサイティングで
やりがいがありますが
当然大変です。

こんなことを
自発的に継続できているのは
人のために
と思ってやっているからだと思います。

なので
彼らにとっての仕事なんです。

応援してくれてるみんなのために勝つんだ!
と思ってたら
そう簡単に諦められませんよ。

2019年オーストラリア大会参戦時 Honda Australiaにて

海外にも応援してくれる人たちがいます
ありがたいことです

最近のバイク CRF450Rその7

その1その2その3その4その5その6と続いてます。
今回はスイングアームです。

まぁ良くあるタイプに見えるかもしれませんね。
角パイプで構成された形状ですが…

単なる角パイプではなく
前方の付け根に向かって太くなってますね。

部材にかかる力を考えると
根元は太くして強くしたいけど
動きを考えると
先端(後端)は細くして軽くしたい。

一般的にそんな形状にするなら鋳造です。
自由に形を作れますからね。
でも重くなってしまいます。

軽くしたいならパイプ材ベースですね。
型でニューっと押し出して作るパイプ材。
でも
一般的な押出材だと一定形状の断面になってしまうので
単なる角パイプのスイングアームになってしまいます。

これをどうやって作るんだって話です。
ただそれだけです。

これ、恐らくハイドロフォーミングってヤツですね。
違いますか?

現役で設計やってた20年くらい前に
プレス業界から新技術として紹介をされた覚えがあります。
実際に製品の設計で使ったことはありませんでしたが
「へ~、凄いことができるようになったんだなぁ」
と驚いた覚えがあります。

コイツがそうか。
きっとそうに違いない。

詳しく知りたい人は調べてみて下さい。ハイドロフォーミング。

2021/01/15追記:
違いました。
ハイドロフォーミングではなく、スウェージング加工でした。
型を使って外から押し縮めて細くする加工ですね。

あと、強度が求められるアルミ合金の溶接部品ですから
恐らく材料は超々ジュラルミン「A7N01」もしくは類似のものでしょうね。

一般的に強度を求められるアルミ合金材は熱処理をして使うものですが
溶接すると熱で強度が低下してしまうのです。

が!
このA7N01材は溶接後に徐々に強度が復帰するミラクルな材料なのです。
確かこの材料、零戦の開発に伴って生み出されたはずです。

夢工房にいる連中は、ずいぶん昔から使ってます。
入手が難しいのが難点ですが。

学生のうちからこんな面白い材料と付き合えるって良いですよね。