船旅の話し

16歳からバイクに乗り始めて、恐らく15年くらいはレースばかりやっていて、いわゆるツーリングなんてほとんどしなかったわけですが、周囲の影響もあって、そのうち少しずつやるようになりました。

サラリーマンを始めた頃、大学時代のレース仲間とツーリングをするようになったのですが、彼が北海道に長期間行くようなライダーだったこともあり、やはり行っちゃうわけですよ、北海道に。

となったら、必ずフェリーに乗らなければならないわけです。

それがいつ頃だったのか、正確には覚えていませんし、時期なんてどうでも良いのですが、とにかくその時が初めてのフェリー乗船でした。

当初は茨城の大洗から出る有名で大きな「さんふらわ」…に乗りたかったのですが、同じ港から出るブルーハイウェイラインのフェリーに乗って行くことになりました。
確かこっちの方が安かったのではなかったかな。
「さんふらわ、乗ってみたかったなぁ」
なんて思ったのを覚えています。
今、ブルーハイウェイラインは存在しませんが。

さて、出発当日、フェリーターミナルに付いたら相方が来ないのですよ。
皆が乗船手続きを済ませて、フェリーに乗り込み始めても来ない。
出港しても…来ませんでした。

その後しばらく待っていたら現れたわけですが、仕方ないから陸路を北上して、どこか北海道行きの船に乗れるところで乗ろう、と。
北に向かえば、宮城、八戸、大間とあるので、どこかで乗れるだろう、と。

高速道路のサービスエリアで仮眠を取ったりしながら徹夜で走って、付いたのは青森の八戸港。
ここの朝の便に空きがあって乗ることができました。
結局、これが初のフェリー乗船です。

で、ですよ、何が言いたかったかというと、船酔いの話しだったりするのです。

いくらフェリーに乗ったことが無くても、大きい船の方が揺れないってことくらいは知っているわけですが、この八戸発の船は、良い感じに揺れたわけです。
これが船酔いかぁ。あぁ、大洗発ならこんなことにはならなかったんだろうなぁ、なんて思いながら。
いくら気持ち悪くても、どこにも逃げ場が無いってのはキツイなぁ、参ったなぁ、と。

でもなぜか、もう船なんて乗りたくないとは思わなかったのです。
なぜか分かりませんが。

それは、バイクもクルマも飛行機も同じ。
痛い思いをしたり、酔ったりしても、「もういいや」とは思わないのです。
何でしょうね、一体。
基本的に乗り物が好きなのか、変態なのか、もしくはその両方ですね。

で、今はほとんど船酔いはありません。
恐らく、3回くらいフェリーに乗ったあたりから酔わなくなった気がします。
例え台風の影響で大揺れでも、そこそこ楽しめますので。

「慣れ」で、ある程度船酔いはしなくなるとは思いますが、船酔いの克服について思うところがあるのでお話ししましょう。あくまでも私感ですが。

乗り物で「酔う」のはなぜか?というのは過去のシミュレーターに関して書いた記事にある通り、「想像と異なる動きをするから」が一つの要因だと思っています。

船、しかも大きなフェリーだと周囲が見えませんし、仮に見えたとことで動きの予想は付きません。
そういう状況だと、船の動きに抵抗して、次に来る揺れを想像したりするでしょうけど、予測の付かない動きに心も体も翻弄されるのは目に見えています。

そこでどうしたか?

揺れに身を任せて
想像しない

です。

これで酔わなくなりました。そう思っています。

揺れに身を任せて
想像しない

なんか瞑想みたいじゃないですか?

揺れに抗って、次の動きを想像して、備える
なんてことをしたところでムダなんですよね。
でも、そうしてしまう。
「揺れはイヤだ」と思っちゃうと…

嫌なことにフォーカスして、想像力を働かせたところで、予想を裏切ることしか起きない。
これは切ない。そして酔う。

こういう状況や考え方、何かの役に立ちそうじゃありませんか?
そんなことないですか?

あと、フェリーに乗ると起きること。これは飛行機なんかでも似たようなものですが。

ゆっくりのんびり長時間移動するものだから、結局やることがなくなります。
携帯の電波も無くなったりして、何もできない状態になりがちです。

これはつまり、「何もしなくて良い」ということでもあって、色々やることがある日常からは完全に切り離された世界です。
非日常ってそういうこと…でいいですかね?

何もしなくて良い状態で、ゆっくり長時間移動するなんて贅沢だと思いませんか?
レストランと大浴場が付いたホテルが海上を移動してるようなものですし。

豪華客船でクルーズしちゃう人からすれば「何をショボいこと言ってんだ」という感じかもしれませんが、私は結構満足してるのです。

そうそう、クルマでフェリーを利用すると結構お高いのですが、バイクは割安だと思ってます。
長距離移動の高速代、宿代、燃料代などを考えると、結構リーズナブルだったりします。
まぁ、時間は掛かっちゃいますけどね。
でも船を楽しむなら、むしろ時間は掛かった方が良かったりするわけで。

貨物輸送なんかも、陸上を長距離走って行くトラック輸送より、フェリーを使った方がCO2排出量の面でも有利らしいですよ。
まぁ、この場合も時間が問題になるのでしょうけどね。

年末年始 巡礼の旅 大阪から徳島へ

大阪港入港後は、有明行きのフェリーに乗るために徳島港に向かえば今日のタスクは完了。

徳島へ行くには、明石海峡大橋で淡路島、大鳴門橋から四国の徳島というルート…なのですが、あまりに時間に余裕があったので、仁徳天皇陵に行ってみました。

あまりに大きくて、何がなにやら分かりません。
朝早かったのでビジターセンターは開いておらず、とりあえず正面で参拝。
どうも地元の方も朝の散歩のついでに参拝したりするようです。

さて、では明石海峡大橋を渡って徳島へ…行くはずが、まだまだ時間が余っていたので姫路城に行ってみました。

姫路城はメンテナンスはされてはいますが、れっきとした古城です。
スケール感は凄いです。というか実際大きい。
でも、遠くから天守を見ると、かなり遠く感じるのですが、実際に歩いてみるとすぐに着くという感じがしました。不思議です。

内部の作りは、槍鉋(やりがんな)をかけた迫力のある太い柱や、そこらじゅうの壁に槍や鉄砲などの武器を保持できるようになっていたりします。
殿様が優雅な暮らしをするための居城というよりは、まさに要塞です。
そもそもお城とはそういうものなのでしょうが。

その後、今度こそオーシャン東九フェリーに乗船するために徳島港へ。
あちこち寄った割にはかなり早めの午後2時30分に到着。
お客さんが多いためか、その後すぐに乗船となりました。

出航は午後5時。昼前には有明港に到着予定です。

年末年始 巡礼の旅 再び最南端へ

宮崎の宿を出たら、本土最南端で鹿児島最南端の佐多岬へ再度の訪問。
ここには2021年に1Dayチャレンジで行っています。
目的は本土最南端の神社、御崎神社の参拝。
宮崎市からの距離は165kmほど。

宿で朝食をとって9時前に出発。
宮崎の中心部は南国風。ロサンゼルスみたいですね。

3時間ほど走って佐多岬到着。
気温は15度ほど。かなり暖かく感じます。

御崎神社は、その名の通り岬にある小さな神社ですが、何と708年創立。
鹿児島県神社庁のHPには「日本本土最南端の国土守護の神」とあります。
今のご時世にちょうど良いかもしれません。

その後は、下道を2時間走り、志布志港へ。ここから大阪行きのさんふらわあに乗船。

ちなみに、志布志港の住所は…
鹿児島県志布志市志布志町志布志
です。
しぶしししぶしちょうしぶし
うむむ…

大阪港の着岸予定時刻は朝の7時40分。
徳島港からの出航は夕方5時。
2時間前くらいにフェリーターミナルに着くとしても結構時間が余ります。
せっかくなので仁徳天皇陵でも行ってみようかな。