新しい技術は奇妙だったりする

私はミリタリーオタクでは無いのですが
軍事技術、特に航空宇宙系の技術には惹かれるものがあります。

なぜかというと、軍事系で航空宇宙関連の技術ともなると
軽くて速くて強くてコストかけ放題で最先端ですから
(実際はコストも考慮していると思いますが
民間から見るとかけ放題のようなもの)
そんな世界の技術は、多くがレースの世界にも適用できたりするわけです。

なので、レース関係者は軍用機とかに詳しい人が結構多かったりします。

実際にレーシングカーの部品や素材は
軍事技術から落ちてきたものが多いのですが
今やその影響の範囲は広く
レーシングカーに限らず、多くの分野に適用されています。

速いマシンを作りたいと思ったら
それこそ色んな分野の情報を収集して
「引き出し」を増やしておくのが吉
ということになるのですが
今日は貧困な引き出しの中から
とびきり奇妙なのを、ふと思い出したのでご紹介。

アメリカにF-117 ナイトホークと呼ばれる飛行機があります。
いわゆるステルス機の走りですね。
こんなヤツです。

WIKIPEDIA “F-117”

変でしょう?奇妙でしょう?
何だお前、UFOか?
って感じでしょう。

詳しいことは画像のキャプションにあるWIKIPEDIAのリンクを見てくれれば分かると思いますので、ここでは私が興味を持った部分だけお話ししましょう。

この飛行機の形は、レーダーに映らないことを目的に形作られています。
飛ぶことより、そちらが主目的です。

で、どうなったかというと
凄く不安定で、パイロットが操縦できない形になってしまいました。

というのは言いすぎですが
正確には、パイロットの技量だけでは安定した飛行は不可能なので
コンピューターがちゃんと飛ぶように制御するのです。

なのでコンピューターがダウンしたら
落ちます。

もちろんそういう場合は、冗長化と言われる
複数の安全策がとられていて
ちょっと壊れたくらいでは落ちないはずです。

この方式では、操縦桿を動かした分だけ補助翼が動く
という仕組みでは無く

例えばパイロットが
「真っ直ぐ飛べ」
と入力すると
コンピューターが頑張って安定させるのです。

こういうのをフライ・バイ・ワイヤ技術といいます。

操縦者の操作する入力装置と
最終的に動作する部分が電線で繋がれている
という意味で
要はコンピューター制御ってことですね。

そういうのを総じてバイ・ワイヤ技術とか言ったりします。

最近では、このバイ・ワイヤが
一般的なクルマやオートバイにも多用されるようになっています。

その他にも色々と興味深いことがあるので
まずはこのF-117について複数回に分けてお届けしてみましょう。

その後は成り行き任せで行かせてもらいます。

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