何を強みとすべきか

まぁ、そんなの人それぞれなのですが。

とはいえ、国民性なんかは確実にあるわけで。
いくら「自分は国限定で仕事するから」とは言っても、工業製品に関して言えば、今や国内に限定している産業なんてあまりないわけで。

そして、自動車産業は国内より海外が主戦場です。
世界規模で考えたら、日本のマーケットは小さくて、メインとは言い難い状態です。

なので、日本人の価値観だけで製品を考えるわけにはいきません。
そして、グローバルなマーケットで価値を発揮するには、やはり国民性の強みを活かしていくことになるわけです。
だって、単にヨソの真似したって、オリジナルには敵いませんからね。

というわけで、我々日本人はどういう特性を持っているか、というのがカギになるわけです。
それを強みとして活用する必要があります。

例えば、クルマで言うと、ハイブリッド自動車なんかがよく例に挙げられますね。
「エンジンとモーターの擦り合わせ技術が…」
とか言われますものね。

そう、日本人は、異なるパート間の調整とか連携とか、そういうところに強みがあったりするのです。
それって、国民性というか、多くに共通する特性で、それが製品の強みとなって現れているのですよね。

それは、クルマ一台に使用されている部品間に留まらず、メーカー間における仕事などにも言えることでしょう。

しかし、最近はそういった貴重な特性を伸ばす環境というかチャンスというか、機会が無くなっている気がしてなりません。

個人主義になりつつあるなんてのは、とても気になるところです。
「自分のパートさえ成立すれば、後は知らねえ…」
みたいなことになりがち。

あと、学校では細かい要素を学ぶわけです。
数学とか力学とか。
すると、ものごとを小さいところから見ていくようになります。

しかし、製品は「大きいところ」から見る必要があります。
全体として、最終的には、というところから逆算して部分が決まるのです。
なので、学校で身に付けたアプローチを取ると、視野が狭くなって、本来あるべきアプローチとは逆方向に進みたくなります。

細かい部品を考えて、それらを組み合わせて…
最終的に、こんなんなっちゃいました
みたいな考え方です。

ものづくりの経験があれば、全体を見ないと部分は成立しない、なんてことが分かってくるのですよ。
で、やってみてうまくいかないなら、足りないものが明確になるわけで、それが学びのモチベーションとなる、というか、それこそが学びの一部であったりするわけです。

というわけで、ものづくりから特性を磨いていくというのは、教育の戦略的には大変有効だと思うのです。
作った「もの」って、自分そのものですからね。
そこからどうしたら良いかは「もの」が教えてくれるのです。

何から学ぶか?

昨日のお誕生日会で、お師匠様の佐野彰一先生が卒業生達に言っていたこと

「失敗からしか学べないんだよ」

今まさに社会でチャレンジを続けている彼らには、必要な言葉だったと思います。

これは私も全く同意見。

「失敗しないために学ぶ」って人もいますが、どうもそれは違うな、とも思います。

だって、失敗しないために学ぶのなら、その結果はどうなる?
ゼロでしょう。
そんなの面白いの?
誰か喜ぶの?

チャレンジしたから失敗もするわけで、でも失敗した中にこそ大事なノウハウが詰まっています。

そして、時として失敗すると怒られたりするのですが、「なんで怒るのか」の中にも貴重な情報があったりします。

でも、なぜか成長過程で多くは失敗を避けることが価値観の中心に芽生えてきたりします。
失敗や怒られることは、悪いこと、ダメなこと…
何なのでしょうね、これは。
まぁ、ほぼ間違いなく環境の影響だと思いますが。

失敗にこそ貴重な情報が詰まっています。
佐野先生から聞く話だって、失敗話の中に多くの学びがあります。
果たして自分がそれほどの失敗話ができるだろうか?と自問すると、まぁそんなの無理なわけで、あぁ、まだまだだなぁ、と思うのです。



誕生日…でした

今日は、お師匠様の佐野先生と一緒に誕生日を祝っていただきました。
実際の誕生日は10月でしたが、諸々の都合で今日になりました。

3連休の初日にも関わらず、全国に散っている卒業生のうち、10名ほどが集まってくれて嬉しい限り。
皆、多くの人の役に立つ立派な仕事をしているのは素晴らしいことです。

さて、今になって思うのは、時間はあっという間に過ぎるので、やはり若いうちにやれるだけやっておくのは大事だな、ってことです。

その過程で、躊躇とか恐れがあるのは当然のこと。
チャレンジすれば失敗があるのは当たり前。
でも、その先に行けば…というか、仮に行けなくても、チャレンジした結果は、いつかきっと報われる日が来ます。

もちろんそこには保証も証拠も無いのだけど、それを信じて継続するところから価値が生まれるのでしょうね。

と、卒業生達を見て、そんなことを考えていました。

現役生2人が幹事をやってくれたのだけど、大学生が銀座のお店を予約して、場を仕切るなんて、よくやってくれました。