「考える」ということ

最近、学生達と話していて気になることがあります。
分からないことが発生したら
「じゃ、調べてみます」
とくる。

良いんですよ、調べるのは大事なことです。
でも、行動の大きさというか、「枠」(わく)というか、戦略と戦術みたいな上位下位で言うと…

「考える」という大枠の中で、その中の手段の一つとして「調べる」があるべきだと思うのですよ。
だって、調べて分かることって、すでに誰かがやったことでしょう。
疑問に対する解決って、別に過去に誰かがやったことじゃなくても良いはずです。
むしろ、だれもやったことがない解決方法の方が価値があってエキサイティングでしょう。

調べて分かることは、既存の、答えがあること。
まさに定型的な「お勉強」で正解を出すプロセスですね。

それに、ここまでインターネットの利用が日常化したら、そうなるのは当然でもあります。

そこで出てくる「正解」は、間違えてはいないかもしれないけど、たぶん面白くはない。
ぶっちゃけ、あまり価値は無いってことです。
まぁ、無難ではあるでしょうが。

でも、そういったことって、夢工房でやっているような活動をするからこそ気付くわけで、恐らく多くは、そんなことなど気にすることなど無いまま世に出ることになるのでしょう。
なんか、もったいない気がします。

単に正解を知ったら、それを沢山知ったら、成長したと言えるのか?
そんなことはありません。
成長を構成する要素の一部ではあるかもしれませんが。

間違えていようが、レベルが低かろうが、自分で考えてみて欲しいのです。
成長のプロセスの入り口って、そういうものですから。

先延ばしの恐ろしさ

やらなければならないことを後回しにする先延ばし。
これで一時的な安心感や快適さを得ることができます。
多くの人が経験していて、ヘタをすると日常の行動パターンの一つになっていたりもするでしょう。
私も日々戦っています。

先延ばしにすることの多くは、些細なことだったりします。
些細なことだけに気軽にやってしまいがち。
そして、それは習慣になる。

しかし、先延ばししたものは消えて無くなるわけでなく、確実に未来に蓄積します。
時が来ると、蓄積した先延ばしは、手に負えないモンスターになって、未来を押しつぶします。

大抵のものごとは、時間が経てば立つほど、重要な局面に突入していき、必要な労力が増大して、なおかつ冷静な判断が必要になったりします。

先延ばしモンスターが登場するのはそんな時です。

その結果、結果的にストレスが増大し、精神的な負担が重くなって、多くを諦めたりせざるを得なくなり、自信を失ったりする。

これが習慣になっていたりすると、負のサイクルが回り続けて、新たなタスクに対するモチベーションが低下し、さらに先送りを繰り返してしまったりする。

さぁ、どうしたものか。

これ、私が開発の仕事をしているときに直面して、解決すべき課題としていた事の一つでもあります。

日々、あまり意識せずに先送りしている一見小さなこと、これをすぐに処理しておけば、多くのことがうまくいきます。
当たり前のことなのだけど、これがなかなか手強い。

だって、小さな些細なことなんて、「後でいいじゃん」って思いがちでしょう?
誰もそいつが後にモンスターに成長するなんて思いませんものね。

モンスターは、小さいうちにやっつけておくに限る!

叩き台って知ってるかい?

叩き台(たたきだい)

社会に出た時、特に開発の仕事をするようになった時に、よく聞くようになった言葉の一つです。

辞書にはこうあります。

(バナナなどの)たたき売りの際に使う台。転じて俗用で、今後、審議・検討する原案となるもの。

正直、バナナのたたき売りが語源とは知りませんでした。
ということは、そんなに古い言葉じゃないようですね。

え?
バナナのたたき売りって何だって?
まぁそうでしょうね。
私の世代でも、実際に見た人はあまりいないと思います。
興味があれば、YouTubeなんかで確認して下さい。

で、叩き台って何だ?ということですが。
あらすじというか、下書きというか、大まかな方向性とかを知るためのものと思ってくれれば良いと思います。

何かの企画とか、開発などの、色々なプロセスを含む長期的な計画においては必須と言っても良いでしょう。
その叩き台を早期に関係者に提示して、方向性などを確認するのです。
それによって、おかしな方向に進んだり、迷走したりするのを防げます。

多くのプロセスを含む長期的な仕事では、早期に方向性や内容を確認しておかないと、とんでもないことになります。
「完成したら提示する」なんて言っていて、提示した時点で「振り出しに戻る」なんてことになると、時間切れで計画が一発で破綻します。

なので、手早く概要をまとめて、ラフでも良いので内容を提示して、その後について検討する。
「えーっと、現状では、このゴールに対して、こんな方向性で、こういった内容で行くつもりなんですけど、アレとかコレが要検討項目なんですよね」
ってな感じですね。

ところがこれ、学校ではやらないでしょう?
出された問題に対して、自分一人で正解を出す、という文化ですから。
基本的に、できたものを提示しないと評価されませんからね。
未完成のものを提出したら怒られたりするわけで。

なので、何かしらのプランを検討するときなんかは、いきなり「清書」をしようとする。
もちろんそれには時間がかかります。
で、時間をかけた末に
「あー、これじゃダメだね。でも時間切れだね」
みたいな結果になりやすい。

プロが叩き台を使うのは、もちろんそれを他に提示するためです。
そして、組織の力を使って…まぁ上司とか関係者とか、他人の力を使って、ということですが、そうやって形にしていくわけです。
もちろん、他に提示しないで、個人的にやっても良いのですけどね。

学生のうちにそういったスキルを身に付けるには…
そりゃ実際に経験するしかないわけで、何かしらプロジェクト的な活動をする必要があるわけです。

というお話しでした。