道具の進化 土器編

石器の後は土器でしょう。

日本で土器の時代と言えば
なんと言っても縄文ですね。

みなさん
縄文は好きですか?
私は大好きです。

学校の歴史の授業で
縄文時代とか土器とかはサラッと触れますが
土器がどのように人類の生活を一変させたか
は習った記憶がありません。
いや、習ったけど覚えてないのかもしれない。
皆さんはどうですか?

土器で鍋などの調理器具をつくると
生活はどう変わるのでしょう?
今まで食べられなかったものを
煮たり焼いたりして食べることができるんですね。
米や麦なんかの穀物はそういった類いですね。

そういうものって往々にして保存が利くので
通常時はもちろん
獲物を捕ったり植物から採取することが難しい
冬とか干ばつの時期のために
食糧を蓄えておくことができる。

これは凄いことです。
土器ができるまで
そういったものは
食料にカウントされていなかったはずです。

なので
土器ができた途端に
食料が一気に増えたようなものです。

もう一つ重要なことがあります。
食料が不十分なときは
みんなが食糧確保のために動く必要があります。
自分で食料確保して
自分で家を建てて
自分で衣類を作るとか。

でも食糧事情が良くなって余裕ができると
土器を作る人
家を作る人
服を作る人
食料を調達する人など
特定の事に専念できることになります。
他人のために特定の仕事をする専門家の登場です。

専門家たちが生きるために必要な生活必需品は
他人である
他の分野の専門家
がなんとかしてくれる。

「食料は調達してきてやるから
お前は土器をバンバン作ってくれよ」
とか
「家作ってやるから食料くれよ」
みたいな感じですかね。

すると
生産者は一つのことに専念できるので
スキルが向上して
製品のクオリティが向上して
生産性も向上する。
結果、人口も増えて
ますます生産性が向上する。

これがそもそもの
仕事らしい仕事の始まりではないでしょうか。

石器時代にも
手間の掛かる石器を作るのが
得意な人はいたでしょうけど
土器によって大幅に
食料の余裕ができることと関連して
専門家が生まれることによって
ますます生活の質が向上して
人口が増えたのでしょうね。

それにしても縄文土器。
凄い形してますよね。
代表的なのは火焔型土器でしょう。
社会科の教科書にも出てますよね。
実物を見たときは驚きました。
想像以上に大きくて
凄い迫力です。

一見肉厚に見えるところは
割れ防ぐためか
ちゃんと肉抜きされていたりするんです。
加えて実用性を全く感じさせないところも驚きです(笑)
煮炊きじゃないんかい!
一体何のために作ったのでしょうか。

あとは
印象的なところで行くと遮光器土偶ですかね。
これまた凄い。
一体何をモチーフにして
どう考えたらこんなものができるのか。
こういうのって
よく神事に使われたと考えられる
とか説明されていることがありますが
単に人を喜ばせるための
エンターテイメント的なもの
かもしれないなとも思ったりします。
宇宙人モチーフ説もありますね。

いずれにせよ
誰もが作れたわけではなく
専門家の仕業でしょう。

八戸市埋蔵文化財センター 是川縄文館にて ここには遮光器土偶がいっぱいあります

土器にしても土偶にしても
青森県は素晴らしい縄文の遺跡のメッカです。
三内丸山遺跡なんて素晴らしいですよ。

大型掘立柱建物跡と呼ばれる
巨大な櫓
直径1メートルで、長さ10数メートルの
柱を立てた構造なんですが
金属器が無い
つまりノコギリが無くて
せいぜい石斧程度で
どうやってあの木を切って
どうやって運んで
どうやって建てたのでしょうね。

体育館のような(というのは大げさかも)巨大な竪穴式住居の右にあるのが「大型掘立柱建物」 もちろん両方復元です 柱の根元部分は出土した現物を見ることができます

あと翡翠のネックレスとかも凄いです。
翡翠はダイヤモンドの8割くらいの硬さがあります。
それを丸く小さく整形して
直径1ミリちょっとの穴が空いてたりします。
ドリルなんて無いのに
一体どうやったらそんなことができるのでしょう。

そんなことを考えていると
あぁ、我々は縄文人に比べて
あらゆることが進化している
なんてとても言えないなぁ
とか思ってしまうのです。

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