悩んでいいし、失敗してもいい…というか、しろ!

夢工房の活動は、全て正解や答えが無い活動です。
どうするかは、自分達で考えて決める必要がある。
何が正しいかは、自分達でやってみて確かめる必要がある。

どうやって開発を進めるか、どんな戦略を取るか、どんなクルマにするか、どうやって部品を作るか(入手するか)、どうやって資金を集めるか、どうやって性能を確認するか…などなど。

と、言うのは簡単ですが、当人達はそんなことをやったこともなければ、考えたこともありません。

なので悩みます。
しかし、悩んだところでどうにもなりません。
だって、正解なんて無いのだから。

で、レースだというのが、これまた良いところ。
だって、勝ちたいのであれば、相手と同じ事をやったり、最低限だったりしたら、勝てないことが確定しますから。

なんでもかんでも「皆と同じように」「普通に」と育ってきた学生達には、面白くもあり、辛くもあり、といったところでしょう。

そして、何をするにもアイデアが必要です。
そしてチャレンジが必要です。

悩むのはいいですが、足を止めたら即死です。
だって、時間は刻々と流れていって、「やる」ための時間を失ったらお終いですから。

考えて、やってみて、失敗の中から学ぶ。
なので、勇気を持ってチャレンジして、どのような結果が出ようと、それを糧として前進し続ける必要があるわけです。

こんな風に書くと、辛く苦ししい日々を送っているように感じますか?

ここまで自分の力で多くをこなす必要があるような活動は、ほとんどの学生は経験がありません。
なので、最初は当惑することも多いのは事実です。

でも、こんなに多くのことを自分で決めて、自分でやることができるということは、大きな自由を手に入れているということです。
それは、社会に出てから大きな力に変換されます。

そして日々前進していくと、マインド面でも大きく成長できますし、普通に学生をやっているだけでは想像もできないような知識とかスキルも手に入ります。
それはもう、1時間でどれだけ成長するんだ?ってくらい色々なことを手に入れます。

彼らに日々付き合っていると、そんな毎日に慣れてしまったりするのですが、ふと「あぁ、凄いことやってるんだよなぁ」と思うことがあります。

なんでできるの?

今日、学生から聞かれました。
「どうやってできるようになったんですか?」
仕事やら趣味やらに関してです。

設計したり、作ったり、乗ったり…一通りはできるものの、「できる!」と言うほど深い領域までできるとは思っていませんが、そこそこ色々できるかな。

でも、突然そんなことを聞かれて、ちょっとドキッとしましたよ。
そんなの普段考えてませんから。

で、改めて考えてみました。
今できてることって、なぜできるようになったのだろう?と。

例えば、初めて自分の乗っているバイクのエンジンをオーバーホール(分解整備)したときにどう思っていたか?

バイクに関することなので、やる前から大好きでした。
で、初めてなのに、できると思っていました。
「他人がやっていることなのだから、きっと自分にもできるはずだ」と。

で、やってみたらできました。
もちろん、事前調査とか準備はしましたよ。

仕事も同じ流れです。
できるだろう
と思って、できた。

これ、どういうことか?

できると思っていれば、やる。
やった結果、何か困ったことがあっても、何とかしたいと思うし、チャレンジする。
だってできると思っているのだから、そりゃやるでしょう。

できると思っていれば、仮に何かしらの困難があっても、視野に入ったものを何とか利用して、チャンスに変換できないか、とか思いますよね。

好きなことならなおさらです。

ついでに言うと、私の場合は仕事と趣味の境目が非常に曖昧なのです。
概ね好きなことを仕事にしてきたというのもありますが、仕事を好きになる工夫が大事だと思っているということもあります。
面白いと思えないものを数十年も継続するなんてできそうもありませんから。

一方、できないことに関しては、よく分かってます。

好きじゃなくて、やりたくないのです。
なので、できないと思っている。
できないと思っているものができるわけはない。
できないと思っていたら、それに関係するヒントやチャンスが視野に入っていても認識できないものです。

面白いところまでいこう

決められた枠にはまって褒められたい

そんなところを目指していませんか?
自身の子供の頃を振り返ると、そんな感じの空気感が支配的だった気がします。
今もありますよね。
学校ってそういうところでしょう。

決められたことをやって、うまくできれば褒められる
みたいな。

まぁ、それで褒められれば嬉しい人もいるでしょう。
最近で言えば、そういった枠からはみ出しちゃうと目立つし面倒だし、ってのもあるでしょうね。

その場合は
そこそこやって無難にいきたい
みたいな感じになるのかな。

けど、そういうので満足できない人も一定数いるわけで、そういう人はどんどん面白いことをやったらいいです。
ただ、周囲の空気感に飲まれるとか、同調圧力みたいなものもあるでしょうから、言うほど簡単ではないかもしれません。

でもね、一生の時間なんて限られているのだし、周囲と同じ事ばかりをやっていたところで、「個」としての価値とか意義とかは得られないわけで、リスクが低いのと引き換えに、喜びを得られないわけで。

何より、やることを決める人の想像の範囲内のことしかできないってのがつまらなそうです。

それに、「そのうちやろう」なんて思っていると、どうせやらないままに時は過ぎます。

夢工房のメンバーには、好きなことを頑張ってやって、「おお!オレは生きてるぞ!」というような実感を持てるような仕事をして欲しいのです。
決められたことをやる、最低限やる、という経験ばかりだと分からない感覚かもしれませんが、そういうところまで行って欲しいのです。

経験上、コンペティションを一所懸命やるというのは、そういう感覚に近づきやすいと思っています。

レースをやること、そのために必要なこと、その辺を考えていると、人生そのものだな、と思うのです。

あ、これは他のカテゴリーでも、一所懸命やったひとは同じ事を思っているでしょうね。
まぁ、本質は同じってことです。