最近のバイク CRF450Rその3

その1その2に続き、またまたCRFです。

ぱっと見て気になった点のひとつ。  

シートレール後端の溶接部品。
MIG溶接が多少モコモコしてるのはご愛嬌。
注目したのは溶接されてる後端の部材です。

角パイプがV字に収束したところからシートの取付部まで伸ばした部材だけど、従来であればシートレールの上側の水平パイプを延長するかプレス部品を溶接するのではないかな。

これ、一見削り出しのように見えるけど型材ですね。
トラス断面になるような押し出し型を作って、ムニューっと長い材料を押し出した後にスライスしていく。
で、溶接。

パイプだと強度出しにくいし、もしプレス部品のモナカ合わせなんかにすると型の点数が増えるし溶接の工数も増える。

押し出しの型って、意外とコストかからないのですよね。
まぁ、スライスするのに多少時間がかかるけど、トータルで見たら良いやり方なんでしょうね。
カッコ良いし。

このバイク、まだまだ驚く点がありますよ。
また紹介します。

最近のバイク CRF450Rその2

前回の続きでまたまたCRFです。

なんとモトクロッサーにスターターモーターが付いてます。

今どきのモトクロッサーはスターターモーター付いてるのが当たり前なのか?
と思って調べたら

ホンダ あり

ヤマハ あり

スズキ なし

カワサキ あり

という結果でした。

装備が増えるのは、競技車両として最も大事な要素のひとつである車重に効いてくると思いきや、あまり変わりませんね。
コストもしかり。

モトクロスはスプリントレースなので、何かイレギュラーが起きない限りエンジンの再スタートはないと思うのですが、それでもスターターモーターがあった方が良いんですね。
まぁ、高圧縮の大排気量単気筒はエンジン掛けるの大変ですからね。
温間でエンストしたときの再始動なんてうんざりしますからね。

もちろん、車重もコストも大幅に変わらないのは設計的には凄く頑張った結果だと思うんですが、それにしても凄い時代になってきたなぁ。

ハンドル右側には

スタータースイッチ

なのですが、これがスタータースイッチ以外に、スタート時に使うローンチコントロールのモード切替スイッチも兼ねています。
エンジンスタート後に長押しで3段階に切り替えできます。

そして左側には

2つのスイッチボックス

グリップ側のスイッチボックスの赤いボタンはキルスイッチで、青いのはエンジンモードの切替スイッチです。
モードは3種類のレスポンスを選択可能。

そして右に見える緑のボタンはトルク特性の切り替えスイッチ。路面コンディションに合わせて3種類から選択可能。

いやー、凄いですね。

私が昔エンデューロやってた1990年頃はキルスイッチしか付いてませんでしたからね。

その当時は、XR600Rという空冷単気筒のバケモノみたいなマシン(あくまでも当時は)でレースに出たりしてましたが、このCRF450Rは、はるかに上を行く性能なのでしょうね。

そうそう!キャブレターだった頃のCRFはちょっとだけ乗ったことがあるのでした。
現行はもちろんフューエルインジェクションですが。

あれはあれで凄かったなぁ。

最近のバイク CRF450R

とは言っても競技車両ですが。

これはホンダのCRF450R、2020年モデルです。
モトクロッサー、つまりオフロードの競技専用車両ですね。

新車で買うと100万円以上するのですが、本学Formula SAEチームを支援して下さっている本田技研工業様からご提供頂きました。ありがたいことです。

いずれはエンジンを摘出して、今設計している新しいレーシングカーに搭載する予定ですが、その前に色々と特性を計測しています。

最新のバイクを見ると色々と発見があります。
昔の燃料タンクは樹脂製でしたが、今どきのタンクはチタン製なんですね。
もちろん、この外側には樹脂製のカバーが付くのですが、写真では外しています。

プレスされたタンクの合わせ部はこんな感じに溶接されています。レーザー溶接なのかな。
※2020年12月8日追記:シーム溶接だそうです。旧来の手法ですね。

他にも色々と発見があったりしますが、それは後ほど。