大事なことの周辺見えてる?

レーシングカーを作って勝とうと思ったら
どうするか?

「まずは速いマシンを作ろうぜ!」
「そのためには良い部品が必要だな!」
「パワフルなエンジンも!」
とかなりますね。

いやいや、ちょっと待ってね。

そもそも「速い」とか「良い」とか
それは何なの?
という話しですよ。

何に対して
どのようなシーンで
どのくらい速ければいいの?
何がどれくらい良ければいいの?
そもそも「良い」って何?
それをいつまでにやるの?

「とにかく出来る限りだ!」
なんて言わないでね。
どうしたらいいか分からないから。

「そりゃぁ速いマシンを作らなきゃ!」
と思うでしょう。
それは正解!

加えて言うなら
そのマシンがレースのスタートに
適切な状態で用意されている必要がありますね。

でも、まだ不十分です。

そのマシンで勝つには
それを運用するためのチームが必要です。

もちろんここには
開発や現地でのオペレーションをするクルーとドライバー
それを束ねるリーダーの全てを含みます。
人的リソースってヤツです。

もっと視野を広げるなら
物流とか
現地での受け入れとか
サポーターとか
色々ありますが
ここではやめておきましょう。

人的リソースのレベルを高めるには
経験が必要ですが
高いレベルの経験を積むためには
そのための考え方が必要ですし
それを得たい
と思う気持ちがそもそも重要です。

それらの、ぜーんぶが
レースのスタート前に揃っている必要がある
ということですね。

と、簡単に言ってみましたが
マシンも人も
必要なときに必要な状態にする
それはどういうことか?

それこそが問題なのです。

これ、答えがありませんから。

レースで勝つということは
想定しているライバルチームに勝つ
ということです。

まずは、その目標を明確化する必要があります。

ですが、ライバルが
次のレースで何をしてくるか
そんなことは詳細には分からないので
想像して
いわゆるベンチマーク
を設定する必要があります。

ベンチマークを上回るパフォーマンスを得れば勝てるわけなので
目標を設定します。

目標と自チームの現状を比較して
その差を埋めるためにはどうしたらいいのか?
いわゆる戦略とか戦術を考えて
それらを成立させるために
具体的に何をしたら良いのかという
手段が決まります。

そして、それらを時間軸上に乗せて
いつまでにどうなっていれば良いか
というマイルストーンを決めます。
で、いざ実行!

理屈は簡単ですね。

でも、いざやろうとすると
細かいところばかり見ちゃったり
目に見える「物」に関することばかりやっちゃったり
順番とか関係とかがおかしなことになったり
時間軸を見失ったりしがちです。

こういうことは普通
学校では全くと言って良いほど経験しませんが
社会に出れば当たり前のことですね。
全員にとって必須ではないでしょうけど。

これを学生のうちにやるチャンスがあるわけなのですが
どうするかは本人次第ですね。

すぐやることの大切さ

学生を見ていると
色んなことに気付きます。

ああ、こういう行動パターンって…
うまくいくんだなぁ
とか
やっぱりうまくいかないんだなぁ
とか。

目の前でその光景が繰り広げられるのですから
そりゃ良く分かるってものです。

ただ、学生の心の内は
見ているだけでは簡単には分からないので
話したり試したり観察したりして
探ってみる必要があります。

自分の心の内なんて
自分でも良く分かっていないことが多いのです。

今日のネタは
「あとでやろう」は大抵できない
です。

生真面目なタイプは
うまくいかないことが多いなぁ
と思っていて気付きました。

生真面目なビギナーは
「よーく考えて完璧にやろう!失敗しないようにやろう!」
なんて理想があったりするかもしれないけど
できないまま終わることが多いのです。

これ
「よーく考えて(あとで=今はやらずに)完璧にやろう!」
なわけですよ。

すぐにやるわけではない。
すぐやらなければ
大事なことを忘れたりするし

最初の段階で「先送り」にしちゃっているので
その後はいくらでも先送りにできる。

「完璧にやるために」
がそのための言い訳になる。

それに
結局は「完璧に」なんて考えても
経験がないのだから
そもそも大したレベルでできるわけはなくて
ブラッシュアップが必要になります。

そのためには
早期にトライして結果を出して評価して
重要なポイントやノウハウを身に付ける必要がある。

つまり考えることが
トライしたりブラッシュアップするための
時間を消費しちゃっているのです。

「早くやりたいからまずやっちゃう」
というやり方は
失敗も多いのだけど
その分やらないとわからないことが分かる。

「まずやっちゃう」
は行きすぎかもしれないけど
「(ちょっと調べて)まずはやってみる」
「調べながらやってみる」
くらいがちょうど良いのだと思います。

結局は
自分の持っている限られた時間を
どのような配分で使うかが問題。

(やらずに)考えれば考えるほど
「やる」時間が無くなる。

その分、やらないと分からないことが分からなくなる。

その辺に気付いている学生は少ないのではないかなぁ。

あとでやろうと思った瞬間に
それはできなくなる
というお話しでした。

究極の選択になっちゃう理由

でっかいチャレンジをしていると
考えること
やることが
一々ヘビーなことだったりすることがあります。

特に初期段階の戦略を考えているときとか
マシン全体の企画を考えているときとか
他にも色々ありますが

当然、決断を躊躇して
考え込んでしまうシーンも出てきます。

こういう時って
考えようと思ったら
いつまでも考えられたりするのです。

だって正解は無いですから。

特に学生の場合
失敗しないように
よーく考えて一発で正解を出したい
なんて思うことがある
というか
ついつい無意識で
そういうやり方をしちゃうケースが多い。

もちろん、そんなことをすると
決断が遅れるのですが…

決断を遅らせると何が起きるか

最終的には
いわゆる
究極の選択
をするしかなくなります。

しかも一番嫌なときに
です。

究極の選択とは
一番取りたくない選択肢
しか残っていない状況です。

誰しも間違えたくないし
失敗もしたくないだろうし
面倒なことはやりたくない
それらを避けるために
一所懸命考えることに時間を使って
または考えずに
決断や行動を先延ばしにしても
「締め切り」は変わらないので
結果としてトライするための時間が無くなります。

そんな風に
トライする時間が無くなってしまったら
一発で決めるしかないので
ますます真剣に考えて
ますます時間が無くなって

もうどうしようもないところで
究極の選択をせざるを得なくなる

本当は
どうせ正解なんて無いのだから
早く考えてやってみて
その結果をリファインしていく
というやり方自体が
正解と言えば正解なのですが

それって簡単に言うと
早くやって早く失敗する
ということです。

なので、失敗を避けることが
第一優先になっていた場合
非常に取りにくい選択です。

だいたい、小さい頃からそれをやったら
ダメなやり方だと
怒られてきたわけで
いまさらそこに戻れるのかというのが大問題。

でも、良いもの作るにはそれしかない。

これ、学生のうちに
やっておかなければいけないことの一つです。
なかなか機会はありませんが。

やはりキーワードは「勇気」と「スピード」かな。
前提としては「ビジョンの明確化」ですね。

失敗を避けるためにやっちゃダメなのかって?

ダメですね。

だって、失敗しないことが成功じゃないから。