心の重要性を忘れてませんか?

我々の周りを取り囲んでいるものは
全て人が作った物です。

自然溢れる地域に住んでいる場合は別かもしれませんが
それでも人が作った物は相当あるはず。

我々の周囲
そりゃぁもう、何でもかんでも驚くほど
人が作った物ばかりです。

そして、ほとんど全ては
人の考えによって作られています。
当たり前ですね。

では、その「考え」を構成しているのは何でしょう。

理論などの定型的な知識だったり
経験知であったり
サイエンスとかテクニカルな要素は
もちろん必要ですよね。
物を作るんだから。

それだけで物はできますか?

できませんね。

心が無いと無理でしょう。
ちょっと捉えどころがありませんが。

テクニックとかスキルとか
知識とか
どんどん掘っていくと

奥底の方にあるのは
感情だったり
熱意だったり
そんなものがあって

そういう根源が色んなものを駆動して
形になっていくんだと思います。

なので
勉強するのは結構ですが
何か大事なことを忘れてはいませんか?
と思うのです。

技術的なものって
知識があれば良いものできる
なんてことは無いです。

知識や技術と心が両輪となって
形になるものだと思います。

レーシングマシンなんて良い例です。

あまり機会はないかもしれませんが
レーシングマシンの開発者と話をすれば分かると思います。
単なる「頭良い人」じゃないですよ。

学生だってやってみるチャンスはあるのだから
実際にやってみれば分かります。

勉強できる人なら
速いマシン作って勝てるかどうか。

そりゃ無理です。

でも、勉強できて
凄いパッション持っている人もいるわけで
そういうケースなら目立つ成果も残せる可能性が高いでしょう。

そういうところから
ちょっとハードルが高そうなことに対しては
「そういうのは、頭良い人じゃないと…」
なんてことになるのかもしれません。

ところが、逆のケースもあるのですよ。

勉強なんて興味ないけど
どうしてもやりたいことに必要だから
必要なことは全力でやる!
結果、色々できるようになっちゃう
とかね。

長くなりましたが
頭を鍛えるのはもちろんですが
心を鍛えるのも忘れずに!
という話でした。

コロナ禍で
ものづくりができなくなった夢工房
そのための2年間でした。

もちろん十分とは言えないかもしれないけど
やるだけはやった。
ボチボチ勝負掛けないとね。

言ったって分からない でも、やったら分かるね

夢工房にずっといる
ということは
ものをつくる現場にいる
ということなのですが

こういうフィールドにいると
よーく分かることがあります。

「言っても分からない」
でも
「やれば分かる」
ってことです。

表現としては極端ですが
いくら大事なことを伝えたつもりでも
当人がそれを必要と思っていなければ
理解できない
ってことです。

逆に
よく分からないことでも
とりあえずやってみれば
結構色々分かります。

特にものづくりの現場では。
結果だけでなく、プロセスを見られるならなおさらです。

なので、ものづくりのほとんどの工程を
一部屋の中でやっている夢工房は
最高の環境だと思っています。

例えば
図面に描かれた一本の線。

これでどういう考え方をしているか
そんなことも分かったりしますし

企画段階の構想図なども
自分が出ますね。

材料の加工なども分かりやすい。

特に溶接なんかは
手元で大きなエネルギーを扱う反面
とても繊細な作業なので
何を考えているのかとか
時として価値観なんかも分かります。

手元から生まれる物は
自分自身を表したものです。
自分の考え方に基づく力量以上のものは
決してできません。

そんなことなので
何かをつくると
つくったものが教えてくれるのです。

「今のお前はこんなもんだよ」
って。

なので、素直な心を持って
結果を見つめれば
どうしたら良いかが分かるのですね。

明確な答えが分からなかったとしても
「これじゃダメだ」
ってことが分かる。
これ、凄く重要なことです。
やれば何かが分かるってことですから。

本当は、何事もそんなものだと思うのですが
物体を相手にしている場合は
分かりやすいのでしょうね。

中には、失敗したくないとか面倒とか
内的な理由でなかなか手が動かない場合があるのですが
そういう場合は
間に合わない=できない
という結果が出ます。

何事も締め切りがありますからね。
作る部品だって、使うタイミングはあるし
自分の成長に使える時間だって限られている。

学生はよく
「良いものをつくるには長い時間をかけて当然」
と勘違いしがちですが
「そんなものは無価値だ」
という事実を知る良い機会でもあります。

という風に、どんな結果が出ようと
その結果と原因を見つめ直せば
どうすれば良いかが分かる…
と結論付けたいのですが

ところがどっこい
多くの場合は、感情とか価値観の壁が邪魔をして
なかなか前に進めないこともあります。
良くあります。

でも、それも勉強です。
というか
それこそが勉強じゃないかと思うのです。

こういうのって、決められた答えを導くようなことだと
なかなか分かりにくいんじゃないかな
と思うのですが、どうなのでしょう。
専門の人だと、色々分かったりするのかな。

昔ながらの仕事をする職人さんなどに
結構深いものの考え方をする
しっかりした方がいる
というのは、ごく自然なことだと思います。

精度や、品質など、レベルの高いものを
つくろうと思ったら
自分を磨く他ありませんから。

自動車をはじめ、多くのメーカーでは
新人に生産現場の研修をさせますが
これ、凄く理にかなっていると思います。

ま、新人の頃は、その中身の重要性に
気付かないことも多いのでしょうけど。

自分で考えて
自分で作る
そんなことを繰り返している夢工房は
修行の道場みたいなものなんだよなぁ
というお話しでした。

日本人の強みは何だろう

国際社会で日本人がうまくやって行くには
一体どうしたらいいのでしょう?
なんてことを日々考えています。

地方の一大学教員がそんなこと考えてどうするんだ?
なんて言わないで下さいね。

夢工房の学生達は海外のコンペティションに出て
社会に出た後はグローバルマーケット向けの製品開発をするのですから
私ごときでも、そういうことを考えて仕事をしないといかんのです。

そもそもモータースポーツは欧米発の文化だし
海外大会で戦うレーシングカーを作る
学生の面倒を見ているのですから
これは大事なことなのです。

学生のレーシングカーにしても
グローバルマーケットの製品にしても
ライバル達の真似をしていても
オリジナルには勝てないので
自分達の強みを使う必要があります。

ここで言う
真似だの強みだのと言うのは
技術的なことに限りません。
というか、むしろ考え方なのです。

戦略的な思考の階層で言ったら
上位の方の概念に関する考え方ですね。

その辺を考えて
強みや価値にしていく必要があるのですが
現在の我々の持つ独自の強みとか特徴って
意外と分からないものなのです。

だって、日ごろ意識していないから。

我々が普段自然に考えていることは
我が国の歴史とか風土とか
そういうものから自然とできているのです。
そういうのって意識できません。

なので、その辺を意識できるようにするには
昔のことを調べてみると良さそうな気がします。

昔から我が国日本でコンスタントに起きていたこと
といえば自然災害です。

またまた前置きが長くなりましたが
最近考えているのは
日本の自然環境が日本人の考え方を作ったのだろうな
ということです。

前に書きましたが自然災害なんかは
我々の考え方に
とても大きな影響を及ぼしていると思います。

我々にとって自然災害は
結構身近で慣れちゃっているところがあるのですよね。
そりゃぁ大規模な災害ともなれば話は別なのですが
小さな地震なんかはあまり気にしないでしょう?

でも、ほとんど地震が無い国なんてのも結構あるわけで
そういう国にしたら、震度1とか2くらいでも
大騒ぎだったりもします。

他にも、大雪が降ったり水害に見舞われたり
火山が噴火したりなんてこともありますが
何とか対応してしまう。
インフラの復旧スピードなんて凄いと思いますよ。

そういうのって
自然災害は我々にはどうしようもないことだ
って諦観しているようなところがあって
いつまでも執着しないで
手早く対応に着手できる
なんてのもあるのかな
とも思っています。

この災害に対する対応スピードや内容については
恐らく賛否があるとは思いますが
たぶん世界的に見たら
かなり頑張っている方だと思います。

で、このあたりから何を考えていたかというと

起きてしまったことに対して
必要以上に執着しないならば
次のアクションに速やかに移行できるわけで
開発のサイクルを早く回す
なんてのもうまくいくのだろうな
というようなことです。

それがうまく行ったら
性能とか品質を向上させるようなことも
うまくいくでしょうね。

ただ、技術を向上させていくためには
執着するのも大事なことなわけで
その辺の使い分けはどうしたら良いのかな
というのを引き続き考えてみます。