システムは幸せにしてくれない

この時期になると学生に
「この業界は(この会社は)将来性あると思いますか?」
なんてことを聞かれることがあります。

ちなみに夢工房の学生ではありません。
彼らはそういう迷いはありませんから。

そういうことを聞きたくなる気持ちは分からなくもない。
たぶん多くは、そんなことが気になっているでしょう。

でも、この疑問
全く意味が無いかもしれません。

だって、今の状況が未来永劫続く保証なんて無いし
むしろそんなことはあり得ませんから。

世の中のトレンドなんて
いつ変わるか分からないし

昨日まで日の目を見なかったものが
突如、脚光を浴びる
そんなこともあり得ます。

その根源にあるのは

ですね。
常に。
間違いなく。

つまり
その業界を、会社を
支えていったり変えていったりするのは君なんじゃないの?
と言いたいのです。

業界や会社が盛り上がるには
何かトリガーが必要なわけですが
それを作るのは
その業界、その会社にいる人間でしょう。

そもそも、今現在大きな会社だって
創業時は小さな会社だったわけで
その業界だって小さかったはず。

なので
業界が
とか
会社が
なんて気にする必要は無くて
自分が信じていることを
一所懸命やればいいのではないかと
そう思います。

勤め先がどうであろうと
それをどうするかは自分次第ですよ。

なので、自分が好きなことを仕事にして
「自分が大好きなコレで盛り上げてやる!」
「いいものつくって皆を驚かせてやる!」
そんなつもりでやれば良いだけ。

どうせ未来のことなんか分からないし
そんなふうに考えて一所懸命やれば
大抵は良いことが起きるし成長します。

全く別の業界・業種に転職したとしても
その経験は活きるわけで
きっとうまくいくでしょう。

なので全く心配無し。
心配なんかしている暇があったら
どうやったら良い仕事ができるかとか
良いものがをつくれるか
なんてことを
考えたり試したりしていた方がいいですよ。

イケてる会社
イケてる業界に入ったところで
お金とか休みとか福利厚生とか安定とか
恩恵を受けることが目的なら
そのシステムは君を幸せにはしてくれません。

最低限の労働の提供で
人一倍おいしいところを貰おうって
そんな人間が集まってきちゃったら
組織は存続できません。

その「おいしいところ」のリソースは誰がつくるのさ?

そりゃ、君だろ。

風土とか文化とか…実は意外と身近な話

今日は1年生に対するクラブ活動などの紹介があったようです。
で、夢工房にも多くの1年生が来訪しました。

今年の1年生は、結構アクティブなのかもしれません。
良かった良かった。

ただ、夢工房に入れる人数も限りがあるので
活動メンバーは先着順ということになるのかな

まぁその辺は現メンバー達が何か
いいアイデアを考えているでしょう。

新1年生に接している上級生達を見て思ったのは

コロナ禍でもしっかり成長してくれたなぁ

ということです。

というのも、恐らく…
これは推測に過ぎませんが

本学のみならず
大学の多くのクラブ活動やら
学生主体の組織は
壊滅状態になっているのではないかと
そんなふうに思っているのですが
どうなんでしょうね。

ウチの連中は
萎えていないどころか
常にやる気満々ですから
よくもまぁこんな成長してくれたな
と感心してしまいます。

これ、恐らく
歴代の先輩達が頑張ってくれたお陰なのだろうな
とも思うのです。

卒業してしまって
現役とは十分に接点が無くても
部屋には何かが残っています

空気感というか何というか
たぶん部屋の風土というか
文化ともいうべきものだと思います。

そういうのを部屋にある様々なものから感じ取れるのかな。

工作機械とか
部品とか資料とか
学生達が自ら作った設備とか

ただ、その空気感を途切れさせるのは
実は簡単なことです。

「ちょっとだけ」と言って
一時的にやめちゃえば
実はそれでお終いでした。

文化ってそういうものです。

やめるのは簡単ですが
一度やめてしまったら
決して復活しません。

難しいのは
何でもかんでも変えずに続ければいいのか
というと、そうでもないでしょうから

何を変えて何を残すのか
または
最適化しながらどのように継続するか
その辺が難しいところですね。

そういうのって、数字で評価したりできませんので
直感というか、嗅覚みたいのが重要なのだと思います。

私は知能で勝負するタイプではないので
自然とそういったものを磨くことに
力を入れていたのかもしれません。

でも今思うと
やはりこれも仕事を通じて
諸先輩方から学んだのだと思います。

やはり人には恵まれていました。
色んな経験させてもらいましたもの。

「何でもかんでも変えるのはいいけど
文化は失ったら復活しねぇぞ」

そんなこと言われましたわ。確かに。

良い時代?悪い時代?

過去2年間は世界的にコロナ禍による影響を受けました。
一般的にはネガティブな時代と受け止められているでしょう。

しかしながら
ものごとには多面性があるので
どこかにきっとポジティブな側面があります。

今日は新1年生に対してのガイダンスの日でした。
彼らは高校3年間のうち
実に3分の2に相当する
2年間もコロナ禍による自粛状態だったはずです。

果たしてそういう状況に置かれて
高校では何をやっていたのか?
それは追々彼らに聞いてみたいと思います。

この春に卒業した大学生だって
在学期間の半分は自粛状態です。

彼らは、色々なものに制限がかかり
多くの我慢を強いられてきたはずです。

しかし、その裏では
やらなくて済むことも多かったはず。

もちろん、やらなくて済んだ
というメリットの裏には
能力を伸ばすことができなかった
という事実があったかもしれません。

でもその裏には
自宅に籠もる時間が長かったからこそ
できたことや、分かったこと
そんな経験があったかもしれません。
…無かったかもしれませんが(笑)

とまぁ、こんなように
ものごとの裏、その裏、またその裏…
みたいに、メリットとデメリットが積み重なるような
そんな状態だったのではないかと思っています。

でも、そんなのは平時ににも言えることななので
別にその形態自体は特別なことではありません。

問題は、彼らがそこからどうするのか
ですよ。

企業側では
そんな時代を過ごしてきた学生達が
果たして実社会で使い物になるのか
そんなことが大変気になっているようです。

残念ながら、企業側の懸念は的中するでしょう。

ただし、それは全員に対してではない。

このコロナ禍で学生として過ごしてきた彼らの
多くに不足している能力は
コミュニケーション能力とか思われていて
実際にその通りかもしれませんが
恐らく深刻なのは
アクションができない
というところだと思っています。

自粛してオンライン
みたいな環境だと
圧倒的に受け止める側の経験が多いはずです。

そしてそれに慣れてしまって
内的な基準がそういう環境に適合して
そういうのが「普通」になっているでしょう。

で、問題は
そういった者が多い環境で

君はどうするの?

というところです。

もし、そういう状態を自覚して
意識的に能動的な行動を取れる
アクション型の人間になれる
そのためのチャレンジができる
そんなふうになったらどうでしょう?

圧倒的に目立ちます。

学校、社会といった周囲の環境は
若いチャレンジャーに提供するための
チャンス、リソースが用意されています。
目には見えにくいですけどね。

なので、大多数が自発性が不十分で
リアクション中心になってしまったとしたら

それらのチャンスは宙に浮いて
余ってしまいます。

ですが
アクションができる
チャレンジができる君は
圧倒的に大量のチャンスを手に入れられるかもしれません。

もちろん
「手を抜いていてもうまくいっちゃうよ」
ということではなく

チャンスを手にしたら
全力で頑張る責任が発生しますから
頑張らないといけないのですけどね。

まぁ、責任がなくて頑張る必要がないことなんて
やり甲斐が無くて、やっていても楽しくないし
そもそも、そんなもの意味が無いのですが。

ということで、今の時代を
良いと考えるか
悪いと考えるか
それは君次第なんですよ。
というお話しでした。