良いチームが必要だ

個々のモチベーションとか能力とか
そんなのが必要なのは当然ですが
やはりチームとしてうまくいっていないと良い仕事はできませんし
そもそも世の中うまくいきません。

だって、世の中の大抵のことは一人じゃできませんから。

研究者みたい人は、一見一人でやってそうに見えても
大抵は誰かに支えられたりしてますし
(本人がそれに気付いていないことも多々ありますが)
ものをつくって売るにしても、お客さんとの関係は重要で
これも言ってみればチームのようなものでしょう。
特にリピーターやファンなんてのは
商売を支えてくれているわけですから。

昔の日本は、家族や会社内、地域の結びつきが強くて
そういうのも言ってみれば強いチームだったわけでしょう。

もちろん、そうは言っても良いことばかりじゃなくて
チームならではの面倒なことも多いわけですが
そういうのはトレードオフなのですよね。

本来は、このトレードオフのバランスを調整しながら
最適化していかなければならないのに
個人主義なんていって
面倒な部分を切り捨てる方向に行ってしまったのが現在でしょう。

そもそも、そういった類いの面倒って
無くそうにもなくならないものだと思うのですよ。
面倒を切り捨てたところで
それが原因で将来においてもっと面倒なことが起きるわけですから。

まぁ、そういうのもやってみなけりゃ分からないわけだし
そういう変化の過程で将来何が起きるか分かっていたかというと
当然分からないからやっちゃうわけで
面倒を切り捨てたくなるのは大変良く分かります。
だって自身が面倒くさがりだから(笑)

チームビルディングはとても重要ですが
学校だってチームの重要性なんて教えなくて
一人でやることばかりです。

皆同じようにできないと評価されないので
そもそもチームで力を発揮するような経験はないし
ヘタすりゃそんな世界があることすら気付けない。
学校の外はそうなっているのにね。

なんで組織でやるのか
その辺を知らないと
その辺をやってみないと

結局は自分はどうあるべきなのか
なんてことは分からないままでしょう。

多様性がどうとか
皆違っていていいとか
そういうのは当然なのだけど
それらがどこに繋がっていくのかというのが重要で

違う者同士が力を合わせて大きな力を発揮する
という重要なことを伸ばしていかないと
世の中良くならないですよね。

こんなやり方をしていたら
幸福度が低くても当然だし
自殺者が多くても当然だと思う。

恐らく、こんなことは多くの人が
すでに気付いているでしょうから
みんなで頑張っていきましょうよ
ってところです。

追記
先日のアメリカ遠征で気付いたことがあります。
アメリカに限らず、英語圏では”Thank you”を良く耳にします。
いいことです。
対して日本では「ありがとう」をあまり耳にしませんけどね。
で、遠征中に気付いたのは、アメリカ人が以前より”appreciate”と口にするようになっているということです。気のせいかもしれませんが。
これ、”Thank you”よりもう一段深いところに行っているってことでしょうか。
一見、世界の覇権を失いかけているようにも見えるかもしれませんが、やはり強い国だな
と思った次第です。

他に感謝を伝えるのが強いとか弱いとかに関係あるのか?
そりゃぁ日々感謝を口にしてみたら分かるんじゃないかな。

どうやら停止している場合ではない

先月は久々に海外遠征に行ってきて
「今やアメリカでは何をするにもずいぶんお金が掛かるなぁ」
なんてクレジットカードの明細を見ながら実感している今日この頃

加えて、年末にはFormula SAEのオーストラリア遠征もあるわけで
色々と予約したり見積もったりしてみると
「あぁ、こりゃ参っちゃうなぁ」
というくらい以前に比べて色々お高くなっています。

これらは、現地の物価の変化もあるでしょうけど
相対的に日本円が弱くなっていることも大いに関係しています。
つまり日本の国力が低下しているということなのでしょう。

「自分は海外なんて行かないから関係ないし」
なんてことは言っていられませんよ。
国内だって色々値上げが進行中です。

とは言うものの
日本政府や企業は頑張っていると思いますよ。
諸外国に比べて物価上昇は相当抑えられていると思うのですが
どうでしょうか?
燃料価格2倍とかにはなってませんものね。
こういうの、報道してるんですかね?
私はテレビ見ないので分かりませんが。
たぶん、こういう頑張りは誰も褒めてくれないんじゃないかな。

やらかしたときは、すぐに吊し上げるのに
頑張ってもあまり喜んでくれないなんて
なんと寂しい世の中ではないですか。

そして、世界的にもあちらこちらで
かなりキナ臭い雰囲気になってきましたしね。
我が国周辺も含めて。

とまぁ、こんなことをネタにすると
なんかこう、暗くて残念なところに突入していきそうですが
こういうのを単に受け止めるだけではイカンと思っています。

というか、現状を変えるチャンスだと思うのです。
危機感が無いから行動する動機が無かったのであれば
色々起きたならやる理由ができるじゃないですか。
もちろん自分がですよ。

これを契機に皆が頑張るかというと
決してそんなことはないでしょうけど
頑張る人の数は多少なりとも増えるはず。

コロナ開けでの変革があるかと思っていましたが
どうやら想像以上に色々変わっていきそうですね。

やるならきっと今ですよ。
こういう変化が起きているとき
「そのうち」
は来ないと思った方がいいです。
今までと同じような
「そのうち」に適した時は来ませんから。

さて、あなたはどうしますか?
たぶん止まって考えている場合ではないです。
動きながら考えましょう。

日本刀から学ぶ

今日は刀匠の方のお話を伺ってきました。

刀匠とは刀鍛冶
日本刀を作る人です。

日本刀に関するある程度の知識は
本やネットで手に入りますし
博物館に行けば色々見られるのですが
実際につくっている人に聞かないと分からないこともあるし
作るための環境を見ないと分からないこともあります。

それに「技術は人なり」ですので
その人と話すことによって感じられること
それが重要だったりもします。

ここで日本刀に関する技術的なことを詳しく話してもどうかな
というところなのですが
異分野のエキスパートの話は大変参考になりました。

まぁ、異分野とはいっても
金属を使ってものを作るということでは
同業と言えなくもないと思っているのですが
あちらは技術レベルが非常に高いことに加えて
伝統的かつ芸術に近い世界なので
かなり次元が違いますけどね。

まぁ、そんなこんなで
色々強させてもらえました。

日本刀は鉄でできていますが
そのつくり方の説明は簡単ではありません。

でも、あえて簡単に言うと…
一口に鉄と言っても色々あるわけで
複数の性質の違う鉄の素材から
理想的な素材に調合するところから始まって
それらを重ねて接合して、成形して、熱処理(焼き入れ)して、研いで作ります。

あの大きさで、あの精度と品質、そして性能
難しいのは当然で、大変面倒な仕事です。

その各工程で、何のために、どんな道具を使って、どんなことをしているのか
そんなことを見たり聞いたりすると
文字にするのは難しいですが(文才が無いから)
何となく我々日本人の持つ強みというか基本特性というか
そんな感じのことが見えてきたりします。

「あぁ、こんな方向性に行けば…
こんな考え方、やり方をすればいいのかな」
という大筋です。

というのも
日本刀の文化は
つくり方の大筋決まってから
数百年間継続しています。
いや、日本刀の起源とも言われますので
ヘタしたら1500年くらいかもしれません。

その間、もちろん工夫したり改良したりはあるでしょう。
でも、大筋は変えずに守って
常により良いものをつくる努力を継続している。

これは凄いことです。

この中には、とても文字にできない
というか
文字になんてしたらキリがない膨大な情報が
しかも目に見えない情報
いわゆる暗黙知が大量に含まれています。

刀匠の世界には
当然ノウハウはありますが
教科書やマニュアルはありません。
日本刀に限らず
伝統工芸の世界はそんなもんですが。

恐らくこれ
現在の教育ではあり得ないやり方でしょう。

現在の教育方法は
せいぜい150年程度の実績しかありませんが
日本刀の技術継承は1500年です。

そこから学べないはずがないでしょう。

とはいえ、これを学校の中に適用しようと思っても
それをそのまま使えるわけではないので
どうしたもんかな
というところなんですけどね。

ま、色々トライアンドエラーしてみます。