「良い」って何?

ありがちな話なのだけど…

ものをつくるには企画が必要です。
レーシングカーを作るのであれば
どうやって勝つのか
ということになるのですが。

そのための戦略を考えるのが企画です。

マシンの設計を始めるということは
どうやって勝つのか
という戦略が決定された後
ということになります。

というのも
設計をするということは
勝つための方法を実現するための
具体的な手段を決定していく
ということだからです。

マシンを構成する部品は
戦略実現のための手段を形にしたものです。

設計段階においては
「何のために」
が明確化されていないと
何のためかよく分からない部品になります。

単品ではイケていても
マシンのコンセプトに合致していなければ意味がありません。

なので
「まず設計してみようか」
なんてことはあり得ません。

また、一般的に言われる
「良い部品」
を寄せ集めても
良いマシンにはなりません。

なぜかというと
その「良い」が
マシンの戦略やコンセプトに合致しているのか
というのが問題で
コンセプトと異なる方向の「良い」では
マシンにとっての「良い」では無いからです。

たぶん、この辺はビギナーにとっては
理解しにくいところではないかな。

自動車マニアな新入生なんかも
こういうところでハマります。

ヘタに色々知っていると
一般的に「良い」と言われるものも知っていて
そういうものを使えば「良いマシン」になる
と思いがちだから。

これ、人間も同様で
「あいつは頭いい」
とか言うけど
「何のために?」
が明確化されていなければ
あまり意味は無いのではないかな。

と、そんなことを
久々に行ったバイク用品屋さんで
ハイクオリティな部品を眺めながら思っていました。

アイデア そもそもの話

学生が色々ものをつくってチャレンジする
そんな時に重要なものは
「思い」と「アイデア」
でしょうかね。

「思い」は、「どうしたいか」
何のために、どんなゴールを設定するのか
ということになるでしょう。

「アイデア」
これは色々なレベルがあるとは思います。

ゴールの設定も
場合によってはアイデアの一つになるかもしれません。

アイデアを出すには何が必要か?
まぁぶっちゃけ、
何するの?
どうするの?
ということです。

考えて・決めて・やる
ってことですね。

こんなときに心掛けるべきアプローチ
というかプロセスは

「選択」と「集中」です。

まず「選択」

そのためには複数のアイデアが必要です。
なぜ?
それは「良い」が欲しいから。

アイデアが一つでは「良い」ということにはなりません。
「何に対して良いの?」
ってなっちゃいますから。

多くのアイデアから選抜されたのであれば
より「良い」と言いやすいですね。

なので、最初のプロセスは
多くの選択肢を出すことが重要です。

そして、良いアイデアを選択したら
「集中」するのです。

とまぁ、言うのは簡単ですが
この、多くの選択肢をどうやって出すかが問題です。

ノウハウとかアプローチのヒントなんかは
調べれば、ある程度は見つかるでしょう。
そういうのは結構参考になると思いますが
結構忘れがちなのがメンタル面だったりします。

「やらされる」意識・やり方で
アイデア出るわけないよね
ということ。

でも、長いこと受動的な生活を送っていると
主体的に考えたりやったりという経験自体少ないので
実はとても難しい問題だったりします。

その辺の思考とか行動をスイッチするために
大好きなことを一所懸命やる
というのが非常に効果的だと思うのです。

好きなことをやっていても
必ず壁にぶつかるものだけど
好きなら乗り越えられる。

そんな中から変化できるのではなかろうか
というか
それしかないのではないか
と思うのです。

少しずつでも進むのか 進め!

少しずつでもまずやってみて、とにかく進むか?
十分にならないと進まないのか?

何か新しいことをやる上で
当然、準備はすべきですが
どこに「GO」の線を引くのか
ということです。

こういうの、人によって程度がまちまちですよね。

しっかり準備をして足下を固めて
確信が持てたらGO!の人も当然います。
そういうケースを
「石橋を叩いて渡る」
と言ったりしますね。

しかしですよ

新しいものにチャレンジする学生達を見ていると
思うことがあるのです。

そもそもあまり経験が無いのに
新規性があるものを考えて実行するわけだから…

どこまで考えても関心なんか持てるわけなかろう
と。

恐らく一般的には
「確信も持てないことなんてやるな!」
ってなるのかもしれませんが
(その方が管理する側は面倒がないから正直楽なのです)

ビギナーが初めてのことにチャレンジするのですから
そんなの無理だろう
と思います。

そんなことやってたら
死ぬまでビギナーじゃないのか
と。

結局はやってみないと
どこに「十分」の線があるのかは分からないことも多いし
そもそもの方向性が定められないのに
根を詰めて確信を求めて考えても時間の無駄じゃないのか
と思うのです。

見当違いな方向性で
長い時間をかけて考えてたら
恐ろしいほどの時間の無駄になりますし

石橋を叩くなんて誰でもできますし
叩いているふりもできます。

そんな悠長なことをやってたら
学生達の4年間なんて
何もしないまま終わっちゃいます。

なので夢工房では
「すぐやろう!」
です。

「やる」
には色々含んでいるのですけどね。

まず、ちょっとでも進んでみないと
どうすべきかなんて分かりませんから。

そういうやり方は
結構勇気が必要かと思います。

でもそれが明暗を分けたりもします。