思いは実現する

「思いは実現する」
みたいなことをどこかで聞いたことはありませんか?

初めて聞いたときは
「本当かよ?」
なんて思いがちですが

ものを作っていると
「そんなの当たり前じゃん」
と思えたりします。

なのでこれを
ものづくりのアプローチから説明してみましょうか。

作った「もの」は
作った人そのものが実体化したものです。

なので、「もの」には
考えた人、作った人そのものが現れます。
その人以上にはなりません。

もうちょっと具体的に言うと

何かアイデアを考えて
作りたいと思う
この時点では
ボヤーッとしたビジョンですね。
鮮明でもないし
具体的でもありません。

まずはスケッチとか
要点を文字に起こすとか
そんなことをしていると
何となく形になってきます

その後、より明確にするために
図面を描いたりして
かなり具体化してきます。
この辺になると
思うというよりは
考えるというプロセスと言って良いかと思います。

そして実際に作ってみる。
これは行動ですね。
厳密に言うと、設計をしている段階も「行動」と言っても良いかと思うのですが
ここではプロセスの話をしていますので
こんな感じで良いかと。

で、ものができる
そして、使ってみて
その評価によって結果が出る。

それぞれのプロセスでは色々考えているはずですが
一連の流れでみると
思ったことが結果になって現れているだけです。

なので、最初の段階の「思い」は特に大事なのです。
それが具現化するから。

それ以降のプロセスはスキルを向上すれば
レベルは上がりますから修業あるのみです。

うまく行かないときは
思いがイマイチか
それ以降の技術やスキルが不十分か
だいたいそんなものではないでしょうか。

中でも、思いは
集中力とか継続性とか
全てを支配しますので特に大事ですね。

ものづくりを例にとって説明するとこんな感じです。
作ったものは、作り手そのものです。

作る人、使う人への配慮とか
性能や品質など
全て自分以外の人のためです。

そこに自分の思いが向いていれば
「価値がある」ということになります。

なので
良いものを作りたいと思ったら
人となりを磨かなければならない
ということになるのですね。

ものづくりの場合
プロセスや結果が目に見えるので分かりやすいのですが
他のことでも同様でしょう。

「思い」無しで何とかしようとすると
一般論とか理論とか
そういうものをベースにやらざるを得ないでしょうけど

そうなると出る結果は
誰がやっても同じになってしまって
そこに価値はありません。

そんなことを考えていると
心を成長させるのが大事なんだなぁ
なんて思うのです。

やはり
技術は人なり
ですね。

ミケランジェロかく語りき

学生達は日々成長しています。
特に今回のような困難の後は。

もちろん望んで失敗する者などいないでしょうが
どんな失敗をするかが問題なのだよなぁ
と、つくづく思います。

とか思っていたら
ミケランジェロの名言を見つけました。

The greater danger for most of us lies not in setting our aim too high and falling short; but in setting our aim too low, and achieving our mark.

我々の多くにとって、目標を高く設定しすぎて到達できないことよりも
低い目標を設定して到達することがより危険なのだ。

ミケランジェロは500年以上前のフィレンツェに生まれ
天才の名を欲しいままにした彫刻家であり画家であり建築家であり詩人でした。

後世の評価だけでなく、活躍していた当時も天才と言われていたようですが
本人は
自分は天才ではなく努力と忍耐によって良い仕事をした
と思っていたようです。

さて、上記の名言ですが
「危険なのだ」と言っています。
ということは、超重要だということです。

そして、天才や実力者に向けた言葉ではないことは
文中の”for most of us”「我々の多くにとって」という言葉で分かります。

つまり、一握りの人達に向けたアドバイスではなく
多くの人に向けた警告です。

その後に続く、目標設定の高低については難しい理屈ではありません。

色々御託を並べましたが、簡単に言うと
「無難なことやってるとヤバいんだぞ」
ということです。

「やってみなはれ やらなわからしまへんで」(サントリー創業者 鳥井 信治郎氏)
「やってみもせんで何が分かる」(ホンダ創業者 本田 宗一郎氏)
ということです。

高い目標を設定するからこそ人は成長できるわけで
チャレンジしている限りは失敗しても成長していきます。

安心安全を求めて低い無難な目標を設定していると
本人は現状維持を欲していたりするかもしれませんが
成長できないどころか下降していきます。

世の多くが、そんなふうに生きていたら
そりゃあ大変なことになるでしょう。

世の中を良くしようとしたら
皆の力が必要です。
だからミケランジェロは
「我々の多くにとって」という前提で
こんなことを言ったのではないしょうか。

500年以上前に重要だったことが
今重要ではないわけはないでしょう。

鎖国下の漂流者たち

数年前から、思い付いたように
たまに読む本のジャンルがあります。

それは漂流記というか
漂流した日本人の伝記です。
それも鎖国の頃の。

当時の日本は、当然ながら外国には行けなかったわけですが
そんな時代にも図らずも船の難破や漂流により外国にたどり着き
思いもしなかった環境でベストを尽くした人達がいます。

実は結構な人数がいたようなのですが
代表的なところは以下の3人だと思います。

尾張国の音吉
遠州灘で難破、14ヶ月(!)漂流ののちアメリカに漂着
Wikipedia

中浜万次郎(ジョン万次郎)
足摺岬沖で難破、無人島の鳥島に漂着し143日間生活
アメリカの捕鯨船に救助される
Wikipedia

浜田彦蔵(アメリカ彦蔵)
紀伊半島沖で難破し2ヶ月漂流
アメリカの商船に救助される
Wikipedia

中でもジョン万次郎は有名ですね。
以前の記事にも書きました。

今読んでいるのはアメリカ彦蔵 通称「アメ彦」の自伝
古本を買ったら、なんと自分より年上でした

こういう人達の伝記は、まさにリアルな冒険記なわけですが
当時の内外の様子や、ものの考え方、価値観が生々しく記されていて
とても興味深いし、今だからこそ参考になることが多いです。
もちろん、当時のものの考え方などが
そもまま現在に利用できるわけではありませんが。

もちろん当時は鎖国していたので
一般の人はまともな外国語の教育なんて受けているわけはありませんし
漂流した彼らは、そもそも満足な教育自体受けたわけでもなかったりします。
が、最終的には立派な仕事をしていたりします。

音吉は初めてイギリスの地を踏んだ日本人ですし
ジョン万次郎は知っての通りの有名人で、帰国後に活躍しました。
アメリカ彦蔵は、アメリカの大統領と初めて会見した日本人だったりします。

そんな彼らの伝記を読んでいると
「うん、やればできるんだよな」
と思います。

こういう時代の、こういう人達を参考にするのはどういうことかというと
そもそもの日本人のポテンシャルや
日本の若者の潜在的な可能性を知ることができるのではないだろうか
と思っているのです。

外国の偉人伝も参考になりますが
日本人の話の方が説得力がありますから。

冒頭にも書きましたが
実は鎖国の時代でも海外には結構日本人がいたようです。
事情は様々ですが。

興味がある人は、ネットでちょっと調べてみてください。
驚いちゃいますよ。