プレーンズ・オブ・フェイム航空博物館 その1

9月のARLISSの帰りに寄った博物館の紹介をしましょう。
知る人ぞ知るマニアックな博物館です。
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場所はここです。
ロサンゼルスの空港付近から、クルマで1時間30分くらいかな。

なぜか外観の写真撮らなかったのですよね。
「2回目だしなー」なんて思っていたから。
でも、建物前の駐車場に並んでた凄いクルマは撮りました。

入ってすぐに目に入るのは、ライト兄弟のライトフライヤー号。
もちろんレプリカです。
アメリカの航空宇宙関連の博物館は、ライトフライヤー号の展示がしてあるとことろが結構あります。
でも、こんなに間近で見られるところはあまりないんじゃないかな。

この写真は機体の正面から見ています。
右翼(写真では左側の翼)の前にある木箱は、ライト兄弟が製作した翼の形状を決めるための風洞実験装置(のレプリカ)です。

お陰で詳細な構造も良く分かります。
ライトフライヤー号は、一機のエンジンで左右1つずつのプロペラを回しますが、左右のプロペラを同方向に回すと、反力で機体がロール(横転方向の回転)しちゃうので、片側のプロペラはチェーンを8の字に架けて逆回転させています。黒いパイプのチェーンガイドが交差しているのがわかりますか?よく見えませんが反対側はそうなっていません。
これはチェーン駆動だったからできることで、自転車屋さんだからこそのアイデアです。(というのは、お師匠様の佐野先生からの受け売りです)

ご存じの通り、初めて飛んだ飛行機はこのライトフライヤー号なのですが、現代の飛行機と比べて構成がだいぶ違いますね。

まず、昇降舵(エレベーター)が主翼の前方にあって、方向舵(ラダー)は後ろ。
そして現代の飛行機には常識的に装備されている機体をロールさせるためのエルロンはありません。

飛行機の左右方向の運動は、基本的にロールで行うので、エルロンは重要なのですが、これは主翼に取り付けた別部品としての動翼でやるのではなく、主翼をねじることによって行うのです。
ライト兄弟は、この「主翼をねじって機体をロールする」という構造の特許を取ったので他は真似できませんでした。仕方なしに他の飛行機は動翼としてのエルロンを装備したのですが、今やそれが常識。
何とも皮肉なことです。

ライトフライヤー号は、地面に敷設したレールから離陸したはずなのですが、これは機体の「脚」についているレール用の車輪。自転車のハブですね。さすが自転車屋。

この入って早々にあるライトフライヤー号、近くで見られることで各部の構造が良く分かるので、しばらく見てました。
「あー、そんなふうに操縦するのね」って感じで。

続く

バカになれるかい?

たまに聞くことありませんか?
「バカになれ」
とか。

これね、意外と深いですよ。
「バカ」ってどういうことなのか?というところがポイントなのですけどね。

「バカになれ」という字面を見て浅く捉えるなら、いわゆる馬鹿げたことができるか?面白いことをして周囲を楽しませることができるか?みたいな感じに捉えられるでしょう。
そういうのも大事ですけどね。

戦略的な捉え方もできます。
本当に大事なもののために、優先順位の低いものを切り捨てるという捉え方です。

人の力には限界があるので、色んなものに労力をかけたら、それぞれのレベルは上げられません。
本当に優秀な人は、そういうことができちゃうのかもしれませんが。

でも、誰しも一点突破で力を集中したら、結構なことができるはずなのですよ。
トレードオフが発生して、本当に重要なことを掴める可能性が高くなります。

学校や家庭で「あれもこれもできるように」と教育されているので、あれもこれもやらなければいけないと思い込んでしまいます。

それに、基本的に人は何かを手放すのは怖い。
特に多くの人が「普通に大事にしていること」を手放したりするのは勇気が要ることで、普通の人からそれを見たらバカみたいに見えるかもしれません。
やらないことを決めるのも戦略上大事なことです。

それができるなら、大きな強みになると思いませんか?

大抵の人はそれができないのですよ。
だからこそ「普通」なのですけどね。

そして、その普通の状態から脱するのは勇気が要ることです。

「普通」をキープしたまま「何か特別なことはできないかな」「特別なことをするにはどうしたらいいのかな」なんて思ったりしがちなのですけど、それは普通じゃない「バカ」から見たらバカなことなのかもしれません。

ダライラマの言葉

何を思ったか、ダライラマ法王14世の著書を読んでいます。
正確には、ジャーナリストの池上彰氏との共著ですが。

「これからの日本、経済よりも大切なこと」

というタイトルです。

約10年前に書かれた本ですが、タイトルからして今の日本に必要そうじゃありませんか?
もちろん大事なことが書いてありますが、特に難しい内容ではなく、文字も大きく読みやすいです。
恐らく1日で読み終わっちゃうと思いますので、興味がある方はぜひ読んでみてください。

で、この本の冒頭にあるダライラマ法王の言葉があまりに印象的だったので紹介させてもらいます。

一私たちの世代の矛盾一

大きな家に住めるようになったのに、家族は減ってしまった。
便利にはなったけれど、時間に追われている。
立派な学位を持てても、分別を失い、
知識は増えても、判断力は鈍ってしまった。
専門家と呼ばれる人は多くても、問題は増え続け
薬はたくさんできたのに、不健康になっている。

月に行くことができるようになっても、
通りを渡って新しい隣人に挨拶することには苦労している。

情報を集積するコンピュータを大量に生産し、
製品を沢山作ることはできても、コミュニケーションはうまくとれない。
大量の商品を作ることができても、品質は下がる一方だ。

ファーストフードで時間を節約しても、消化する力は衰え、
立派な身体であっても、心は貧しい。
急激な利益を得ても、うわべだけの人間関係になってしまった。

外から見ると豊かであっても、中身は空っぽ。
そんな時代である。

ダライ・ラマ法王14世

どうですか?
なるほど、その通り…と思いませんか?
どうやら我々は大事なことを忘れてしまっていそうです。

これからどうしたら良いのか、それを考える際には、現状を評価する必要がありますが、なかなかそういった機会は無いものです。

いつも通りの環境で、いつも通りの価値観に囲まれていたら、現状評価なんてできません。
視座や価値観が異なる人からの評価はとても参考になりますね。