オーストラリアの自動車事情

オーストラリアの自動車事情とは言っても、我々からするとかなり偏ったジャンルだけど、オーストラリアではスタンダードなジャンルとして、ピックアップトラックを紹介してみましょう。
現地ではUte(ユート)と呼ばれてメジャーなカテゴリーだったりします。

最も見かけるのは、私も乗ってるトヨタのハイラックス。
実はこれ、オーストラリアで最も売れてるクルマなので、実によく見かけます。
トラックカテゴリーの中で、ではなく、全てのクルマで、です。
これは日本でも見られるので写真は無し。

フォードと言えばRangerなのですが、これはより大きいF-150 Plutinum。

一昔前は、フォードならFalcon utility、ライバルは地元オーストラリアのホールデンのUteでした。それらは、車高が低く、フロントマスクはスポーツカーで、エンジンはV8の5リッターだったりして、実にカッコよかったのだけど、今ではめっきり見なくなりました。

フォードもそうですが、トヨタも大型路線にシフト中?
これはハイラックスより大きいタンドラ。アメリカではこっちがスタンダードですね。

これはマツダのBT-50ってヤツかな?
ちょっと古い型です。

三菱のトライトン。日本でもたまに見かけますね。

イスズのD-MAX。カッコイイですね。
日本でも売れば良いのに。

後ろ姿しか無いけど、中国のShanghai Automotive Industry Corporation 上海汽车集团股份有限公司のMaxus T60。
韓国車は以前から多かったけど、今回は中国のクルマをよく見かけるようになりました。

写真は撮れなかったけど、他にも、フォルクスワーゲンとか、メルセデスのピックアップトラックが走っていたりします。

ホテルの駐車場に、こんなトラックがいました。イスズです。

我々が遠征に使ったトラックもイスズです。3トン車。
右隣にあるのはメンバー移動用のハイエースコミューター。

デカイです。
ドライバーの卒業生 新島氏と。

ホンダオーストラリアにあったトラック。
こういう実用的な荷台のバリエーションもあります。
1トン積みのワントナー。

カー用品店にて。
全車シュノーケルが付いてます。

おまけ

お!この左のは?

現地では正規販売していないので輸入したのでしょうね。
日本からの輸入車には高額な税金が課されるはずなので、よほど欲しかったのでしょう。

馬力を例に取った尺度のお話し

クルマやらバイクやらの特長といえば、形とか色とかありますが、代表的なところが「性能」です。
まぁ、数値的なものの一つですね。

代表的なところだと、エンジンでしょうか。
加速を司る重要なパートです。

エンジンの性能評価では、やはり「馬力」ですね。
トルクも大事なのですが、一般的には最大出力を見ますよね。
この数字が大きい方が優れている、と。

馬力の数字だけで評価するのであれば、この最大出力で比較して、優れているだの劣っているだのと言って、はいお終い。なのですが…

カタログスペックは、数字として目に見えるので参考にはなりますが、実際に走行するとどうなのか、というのは数字だけでは分からないものです。

単に馬力の大きなエンジンが良いのか?というと、そうも言い切れない部分もあったりします。

馬力が大好きな人は、馬力がもたらすメリットにフォーカスして、他のことはあまり気にならなかったりしますが、ものごとにはトレードオフがありますので、その辺をお話ししましょう。

「馬力」は、結構イメージしやすいワードですよね。
「出力」と言ったりしますが、専門的には仕事率のことを言います。
単なる力の大きさではありません。
そっちは「トルク」ですね。回転力です。

仕事率とか言っちゃうと分かりにくいので、もっと簡単に表すと

力(トルク)× 回転数=馬力
と思って良いです。

なので、大きな馬力を得たいと思ったら、こんなことをします。

  • 力を大きくする
  • 回転数を高くする
  • もしくはその両方

力を大きくするなら、大きなピストンにして、長いストロークにすれば良いのですが、そうすると高回転が難しくなります。
大きく重い物を速く動かすのは難しいのです。

なので、それぞれは大きな力を出せないけど、小さな軽いピストンを使って、多気筒構成にして高回転まで回してあげると馬力を向上できます。
なので、ハイパワーなエンジンは多気筒だったりするのです。

しかし、多気筒にすると、エンジンそのものは大型化して重くなります。
すると当然、それを用いる乗り物自体の動きに影響を及ぼします。

バイクなんかだと顕著です。
前後方向の加減速に加えて、バイク自体を寝かせるローリング(バイクの場合はリーンと言ったりします)がありますので、重いエンジンは、なかなか大変なことになります。

以前、900cc 並列4気筒のバイクでレースをやってたことがあります。
で、同じ900ccで、2気筒のL型エンジンのマシンと競い合っていたときの話が参考になると思います。

直線では圧倒的に4気筒の方が速いのです。馬力は30%くらい上回っていましたから。
ですが、コーナー入り口でのブレーキングは、軽い2気筒が思いのほか強い。
そして、コーナーの入り口で隣に並ばれると、かなり不利なことになりました。

2気筒のL型エンジンを用いたマシンは、それ自体軽いのですが、バイクを寝かせる時に大きな違いが出ます。
車重はもちろん効いてきますが、クランクシャフトが及ぼすジャイロ効果が大きいのです。

並列4気筒はクランクシャフトが長いですが、2気筒は相対的にかなり短いです。
高速回転した長い鉄の塊を動かすのはなかなか大変です。

4気筒だと「よいしょー!」って感じですが
2気筒は、ペタッと寝ます。
なのでコーナーの入り口で並ばれてしまうと、やられてしまいます。

まだあります。

大きなな馬力を発生するエンジンを使った車体は丈夫にしなければなりません。
なので重くなります。
重い車体を止めるには、強力なブレーキが必要です。
なので、ますます重くなります。
重くなってしまったら、強力なエンジンが必要に…

といったループが起きます。
当然ですが、重くなるとあらゆる運動性能が低下します。

同一車種で様々なエンジンを選べる量産車がありますよね。
大きなハイパワーなエンジンは上位グレードに採用される事がほとんどなのですが、下位グレードの小さなエンジンを積んだクルマが結構楽しかったりするのです。

重量バランスが良くて、回頭性が良かったりして、旋回時の動きが良い、いわゆる「足が勝ったクルマ」、「車体が勝ったクルマ」になることがあります。

というわけで、ある特定の尺度での評価良ければ何でもOKなわけではなく、そこには必ずトレードオフがあるというお話しでした。

人も同じですよね。
どういう尺度に重きを置くか、そこが戦略的に大事なところです。

電気の時代…はどこへ行く?

前回、どうもEVの先が見えないといった話をしましたが、ここに来てアメリカにおけるEVがかなり微妙…というか、失速の様相。

アメリカ国内で生産する場合、電池やモーターを作るための材料、主にレアアースが問題になるのでしょうね。
原材料の埋蔵量も問題ですが、採掘と精製に掛かるコストも重要でしょう。
それを考えると、どうも分が悪いということでしょうか。

エンジン車とEVは、用途に応じた使い分けを…と記事にしてきましたが、どうもこれ、一つの国内での使い分けと言うより、各国の環境に合わせての使い分け、ということになるのかもしれません。

もちろん、各国で独自に生産して、自国内で使用するというのも非現実的。
自国内で生産できる国は限られているし、エネルギーだって国産でまかなえる国も限られている。

なので、一頃言われていたような、「これからはEV!」というような、ガソリン車からEVに切り替わるというのは現実的ではないようですね。
そもそも環境問題に乗じた政治やビジネスの争いなんじゃないの?とは思っていましたけどね。
自動車のビジネスは巨大ですから。

とはいえ、環境問題は考えなければいけないでしょうし、化石燃料の埋蔵量やコストの問題も含めて、トータルで最適な戦略を取るように落ち着いていく…のでしょうか。

ちょっと思い付くことをパラパラと書いてみましょうか。

クルマの運用だけを考えるなら、原発や自然エネルギーで、電力をガンガン供給できる国はEVで良いのかもしれません。使うだけなら。

遠くから持ってきた化石燃料を燃やして電気エネルギーを作る国の場合は、エネルギー密度が低い電池を使ったEVよりも、エネルギー密度の高い液体燃料を直接投入して走るクルマの方が良さそうです。
特にストップ・アンド・ゴーが多い我が国では、重いクルマは不利ですしね。

太陽光や風力など、再生可能エネルギーなら良いじゃん!と思いがちですが、それらは安定供給できないので、電力を貯めておく巨大な設備が必要です。
その電池はどうすんの?
ソーラーパネル、国内で作ってないし。

生産から利用、廃棄までのライフサイクルコストや、同じく環境負荷、エネルギー消費を考えたライフサイクルアセスメントも重要でしょう。
その辺は何かスッキリしませんね。

重くて強力なトルクを発生するEV、タイヤなどの消耗品の寿命は短そうですね。
その重量でダメージを受けるインフラのコストやメンテナンスも問題では?

電池のリサイクルはうまくいくのだろうか。
技術的にというより、コスト的に見合わないと持続可能にはなりません。

寿命が尽きたEVの処理はどうするのだろう?
リセールバリューは無くなる?電池の交換は現実的?
エンジン車のように発展途上国が買ってくれるのだろうか?

というように、課題は色々思い付いてしまいますが、ひょっとしたら今後の技術発展で解決できることもあるでしょうし、世の中の仕組み自体が変わることによって、問題が問題で無くなる可能性もあるかもしれません。

さて、どうなることやら。