変態になれるかどうかが成功の鍵

斬新な製品や作品は
多くの注目を集めたり
高い評価を得たりします。

もちろんそれらは
アイデアを出せる人が生み出します。
人と違った考え方や
違うことをする人です。

変な人です。

そういう人達は
ものづくりのシーンでは貴重です。
なにもものづくりに限ったことではないですが。

さて、ではそういう人になりたいですか?

昔は「なりたい!」って人が多かったけど
最近はどうなんでしょうね。

「大変なんだったらいいや」
が大多数かな。
うん、そうだね。
それもまた人生です。

「なりたい!」
と思っている人に朗報です。

皆さんのライバルが激減しているかもしれません。
今なら頑張ればより目立つし
より多くのチャンスを得られるかもしれません。

もっとも、ライバルが減ったからって
チャレンジのハードルが下がるわけではないでしょうけどね。

斬新な素晴らしい物を生み出すのだから

変わったことができるか?
リスクを取れるか?
失敗を乗り越えられるか?

というハードルは厳然として存在します。

見てもお分かりの通り
これらのハードルは
知識や技術の問題ではありません。

心の問題です。

人と違ったことを頑張れるのか?

という。

もちろん、頑張っていく過程で
知識やら技術やらは必ず必要になるでしょう。
でも、その段階の前提条件として
心の問題があるということです。

多くの人は
成長過程において
褒められることとか
少なくとも
怒られないことを身に付けていきます。

変わったことをしていると
褒められないどころか
批判されたり怒られたり心配されたりしますので
自然と手を出さなくなっていって
無意識下で
怒られないために
という行動原理が働きます。

授業とかで消極的な姿勢を取る場合も同様でしょう。
余計なことをして怒られるのを避けるために
「やらない」という選択をしています。
その方が楽だし
みんなそうしているから。
この選択は自動的に働いていますので
「やらない」ことによって怒られたとしても
勝手にそうなっちゃっているので
どうしようもありません。

さて、ここでは
ダメなケースを吊し上げるのが目的ではありません。

無意識に人と違ったことができなくなっちゃっているのに
それを意識的に修正するのは
思っている以上に難しいよ
ってことが言いたいのです。

だって、意識できていないのだから
自分で気付きようがないのですよ。
まずこれが一つ。

それに
「みんなそうしているから」
となると、これまた大変です。

なぜかというと
メインストリームに乗っかって安心する
のが行動の目的になっているから。
これが二つ目。

さらに
人と違ったことをするのは
「安心」が行動原理ではありません。
むしろその逆の感情と向き合うことになるかもしれない。
ワクワクする感情は
その先にしかありません。

なので、安心の壁をぶち破って
その先に行きたい
と思えるように
自分の心を改造できるのか
これが三つ目。

これらを何とかすれば
何とかなっちゃうんじゃないかな。

でも別に特別なことじゃなくて
パッションを持って頑張ろうぜ!
ってことなんですけどね。

頑張り続けていると
それが習慣になって
自分にとっての「普通」になります。
そうしたら
次へ次へ!
って、自分でハードルを上げて行けますよね。

もっとも、自身の変化を
楽しめるようにならないと難しいですけどね。

斬新な素晴らしい物を生み出して
ワクワクする世界はその先にしかありません。

今の世の中
ワクワクして頑張っているヤツに乗っかって
ワクワクさせてもらおうたって
そういうのが通用するほど余裕がない。
なので自分でやりましょう。

夢工房の学生達の皆が
その辺をできているかというと
必ずしもそんなことはありません。
多くがジタバタ苦労してますよ。

でも良いんです。そういうプロセスは必要ですから。
そういう連中の背中を押すのが私の仕事です。
授業じゃないから動かない者の背中は押しませんけどね。

コロナ禍の過ごし方

コロナ禍で色々我慢しましたか?
何を我慢して
何を我慢しませんでしたか?

夢工房みたいに色々作る連中はどうするべきか。
今はオミクロン株で大変でしょうけど
ボチボチこの状態も収束してしまうでしょうから
正確には
どうするべきだったか
ということになろうかと思います。

2年間も自粛状態が続いてしまいましたが
その間にずっと我慢してたりすると
「あとでやろう」
が溜まってきます。

お分かりかと思いますが
「あとでやろう」
と思ったこと
大抵はできません。

やろうと思ったことを
先送りにした瞬間に
自分のやり方を含め
未来の一部は決まります。

さて、夢工房は
ものを作ってナンボなわけですが
現物に触れられないなら
そりゃぁもう、どうしようもない。

で、そこで諦めるのではなく
もう一つ重要なことに気付きました。

彼らはデッカイ夢に向かって
チャレンジしているのですが
大事なのは
デッカイ夢に向かって
チャレンジできるマインドそのもの
なんですね。
分かります?

仮にものを作らなくても
チャレンジすることそのもので
得られることがあるのです。

設計でも
自分自身のマインドの改造でも
何でも良いのですが
ちょっと背伸びして挑戦して
失敗しても諦めずにやり直して

「お!ちょっとうまくいったかも!」
という感覚を得る経験をする
これが大事なんですね。

うまくいったときって
脳内麻薬が出て快感を得るわけですが
これが
「もっと!もっと!」
に繋がっていく経験になるわけです。
ギャンブルやめられなくなる人と似てます。
でも、仕事もそうだし
レースもそうですね。

もちろん中にはそういうのが
肌に合わない人もいますが
中には
「まさかコイツが!?」
というケースもあって面白い、。

というわけで
自粛期間だからって
地味なことばかりやってると
その後に、我慢した分が
炸裂することもあるかもしれませんが
やりたいことを先送りした経験が継続してしまって
離陸できないまま滑走路が終わってしまう
そんなことにもなりかねないのですね。

もちろん、夢工房の学生達の
全員がうまくいったかというと
決してそんなことはないのですが
部屋トータルとしては
ボチボチうまくいったかな
という感じです。

さて、この後がどうなるかお楽しみです。

これから必要とされる人

学生達に付き合っていくというのは
未来をつくるお手伝いです。

将来、どのような人が必要とされるのだろう

それはみんなが気になるところ。

「これからは、こんなことが必要になるよ」
なんて情報は気になって仕方ない?

じゃ、それを真に受けて
頑張ってみましょうか。

まぁ、それもいいでしょう。

でも、みんなで同じことやっちゃったら
独自性とか無くなっちゃって面白くないし

仮にその読みが外れたらどうするの?

それにね
「これからはこれだよ!」
なんてのは
大抵は「ツール」を指しているのであって
もちろんそれを上手に使えれば良いのでしょうけど
それを駆動するのは人の心でしょう。

なので、マインドを成長させるのが
実は最重要だと思っています。
もちろん、それだけじゃどうにもなりませんけどね!

だから、腕を磨きながら
心も磨ける活動をしていくのが重要。

さて、夢工房で学生達は
何かに一所懸命取り組むわけですよ。

もちろん好きなことをやるために
集まってきた連中なので
自主性とか主体性とかが重要で
自発的に色々やるわけですが

ぶっちゃけ、今までの人生で
ここまで自発的にやる必要がある環境に
身を置いたことが無いのでしょうね。

大抵はピントがズレた行動からスタートです。

どういうことかというと

好きなことをやっているはずなのに
やらされるやり方をしてしまう。

誰に言われたわけでもないのに
制限を掛けて
小さいことを考えたりしちゃう。

最上流の概念から考えて良いはずなのに
最下流の小さいことを先に決めてしまって
身動きが取れなくなる。

人に指示されてやらされるときって
楽をしたいもんだから
ついついそんなやり方をしてしまう。

好きなことなんだから
自由にデッカく行って良いはずなのにね。

でも、いいんですよ。
最初はみんなそんなものです。
やってみないと分からないんだから。

いつまでも、それを繰り返していちゃダメですけどね。

夢工房の仕組みはうまくできていて
毎年決まった予算なんてありません。

レーシングカー作るのなんて
1台数百万円必要です。
それを毎年続ける。

手のひらに載るような惑星探査機だって
彼らが納得いくものを作りたければ
数十万円です。

そのためには
身の程知らずだろうがなんだろうが
本気で頑張る学生がいて
彼らを支援してくれる人達の理解と協力があって
はじめて可能となるのです。

なので、学生達は好きなことを
満足いくレベルで続けるためには
本気で頑張り続ける必要がある
そういうことです。

好きなことを本気でできるチャンスがあるのに
小さいことを考えて手を抜いていたら
誰も興味を示しません。

でも、デッカイ夢を持って
本気で頑張っていれば
誰かが力を貸してくれる。

レーシングカーも惑星探査機も
最初に夢工房に集まった学生達の
熱意とマインドを連綿と受け継いで続いています。

彼らのやり方があったからスタートが切れたし
20年も続けてこられた。

こんなやり方
もちろん誰でもできることではないし
うまく行ったり行かなかったり
色々あります。
でも、決して諦めない。

我が国の将来に向けて
色んな人が必要とされるでしょうけど
こんな連中だって必要ですよ。きっと。