コミュニケーションについての気付き

コミュニケーションスキルが…という話は学生からも聞きます。
やはり本人達も何とかしたいと思っているようですね。

恐らくこれは世代を問わず
というところでしょう。

何せ、インターネットを基盤とする
コミュニケーションツールが
これだけ発達しているのですから当然かもしれません。

コミュニケーションツールが発達しているなら
コミュニケーションのレベルが上がってるんじゃないかって?

いえいえ、そんなことはないと思いますよ。

ひょっとしたら頻度は向上しているかもしれません。
でも、その内容はどうでしょうか。

多くはLINEなどを用いた文字主体の情報ですよね。
せいぜいZoomなどのネットミーティングだと思います。

実はコミュニケーションにおいては
言葉以外が果たす役割が大きいのです。
ひょっとしたらご存じかと思いますが。

なんと言語によるものは
わずか7%に過ぎません。

その他の93%は、ノンバーバル・コミュニケーション
つまり非言語によるのですね。
見た目の印象や声色、声の大きさなどによるものです。

文字情報ではノンバーバルはほとんど欠落してしまいます。
絵文字やらスタンプやらで補完はできるかもしれませんが
それはほんの一部。

ネットミーティングでカメラをオンにしても
かなりの情報量が欠落しているはずです。

まぁいずれにせよ
コミュニケーションを取らないよりは遙かに良いとは思います。
現在は状況が状況なので仕方ないですね。

コミュニケーション云々が問題だ
という気配を醸し出してきたのは
このコロナ禍に突入する以前です。

なので、このコロナ禍による自粛体勢では
問題が加速されたに過ぎません。

なので、コロナが収束して
対面のコミュニケーションが再開されても
問題は解決しないはずです。

今後、そのための工夫はされると思いたいですね。

と言うのも
学校をはじめ、世間では
ノンバーバル・コミュニケーションを含む
コミュニケーションの質の向上などについては
ほとんど何ら工夫されてきていなかったと思うのです。

そういうセミナーなどはあると思いますが
特定の職業など、かなり少数の人が
対象だったのではないでしょうか。

学校に関していえば
バーバル・コミュニケーションどころか
文字情報「しか」評価しませんので
ノンバーバルはどうでも良いというスタンスです。
コミュニケーション内容の93%を占めるのに。
せいぜい口頭でのコミュニケーション止まりです。
それも評価対象ではなかったりするどころか
バーバル、ノンバーバルのコミュニケーションを
評価したらクレーム対象ではないでしょうか(笑)

ちなみに「見た目」の果たす役割は
なんと50%以上だそうです。
なので、ヘタをすると話を始める前に
結果が出ていることもあるわけですよ。

皆さんも経験があると思います
「言ってることはもっともなんだけど、どうも受け入れがたい」
という感覚。

「正しいことを言ってるんだけど、やる気になれない」
ってありますよね。

「頭良さそうなんだけど、期待できそうに無い」
とかも。

もちろん受け手自身に問題がある場合もあるんですけどね(笑)

さらに
意外と意識されていないのは
そこにいない
何も言わない
それら自体がすでにコミュニケーションの一部になっている
ということです。
「無い」ことが確実に発信されている
ということです。
これ、今日気付きました。

そこにいない
何も言わない
その本人は、いなかったり、言わなかったりするわけだから
「無」を起点に何かが起きるはずは無い
と思っているかもしれません。

暗い雰囲気を醸し出して
それに気付かなかったり放置している人は
何も発していないと思っているかもしれません。

無とかネガティブ側のエネルギーは強力です。
凄い勢いでポジティブなエネルギーを消失させます。

そんな彼らを責めて矯正しろとは言いません。

往々にして彼らには自覚がありません。
自然とそうなっちゃってるケースがほとんどです。
なので怒っても通じません。

自覚が無いというのは
意識の外に問題があるわけで
見えないものに対処するということですので
大変難しいということでもありますが。

というわけで
ノンバーバルを何とかしないと
せっかく色々身に付けても
それらを活かすチャンスすら掴めない
ということになりかねません。

裏を返せば
ノンバーバルを磨けば
言葉で発するより遙かに強力な情報を
発信できるのかもしれません。

そんなの無理?
やってみてから判断しましょうよ。

そこには凄い可能性があるはずです。
だって人が動く原動力って感情でしょう?

理屈で感情は動かないけど
ノンバーバルなら動かせるかもしれません。
これができたら最強ですよ。

夢工房の学生達は元気いっぱいです。
まだまだ修行中ですが
元気なうちは可能性があると思ってます。
そんな彼らから得られることは山ほどあります。

時間軸付きの未来の地図

伝え方って難しいです。

今すべきことを頑張ってやるのは重要です。
でも、先が見られていないと
今どのように何をすべきかというのは決められません。

頑張っている学生達に
「こう考えるんだよ」
というのを伝えたりするのですが
そもそもそれがうまく伝わっているのか
ということはなかなか分からないものなのです。

「伝えた」
と思ったことが
形になってきてはじめて
「あぁ、伝わってなかったか…」
なんてことが分かったりします。

でも良いんです。
伝わってないことが分かったことは収穫です。

とか言いつつ
うまく伝えられなかったのは申し訳ない限り
次はもっとうまくやろう!
と思うのです。

コンペティションをやるのなら
それで勝ちたいのなら
どうすれば勝てるか
から逆算して
やるべきことを抽出して準備します。

そういう考え方や、やり方を
自分の経験から伝えるわけです。

レースとか開発の実体験から
「こう考えるんだよ」
を伝えます。

言ってみれば
時間軸が付いた未来の地図
のようなものを考えるということかな。
これがうまく伝えられなかったのですよ。

レースで勝ちたいと思ったら
そのために必要なことを準備します。

当たり前ですが
レースが想像できていないと
現場を想像できていないと
そこで成果を出すのは無理です。

想像もできていないことは
やるだけでも精一杯になる
そんなんじゃ勝つ以前に
まともに走れればラッキー
ということになります。

決勝の前には何をすべきか?
予選では?
フリー走行では?
コースに向かう道中では?

その時にどうなっている必要があるか
そのために必要なこと
すべきことを抽出して準備します。

でも、実際は何が起きるか分からないわけで
それが想定外の事象、トラブルです。
あらゆるトラブルを想定した準備できません。

なので
「これ以上のトラブルが起きたらお終い!」
という一線を決めて
その領域内での準備ということになります。
で、理想から逆算していく。

そんなことを考えていると
頭の中に地図ができます。
もちろん「いつまでに?」がありますので
時間軸が付きます。

この地図の中に
ボンヤリした景色が無ければ完成。

これでトラブルが起きても決してパニックにはならず
淡々とベストを尽くしていける準備が整います。

もちろん
こういうイメージは人それぞれでしょうね。

元世界GPレーサーの上田昇さんは
レース当日に何をどのように準備するかも含めて
勝つために必要なこと全てを決めておくそうです。
それこそ、ブーツはどちらの足から履くか
なんてことも全て決めておいて、その通りにやる
と言ってました。

だからやることに全く迷いが無く
ベストが尽くせるのでしょうね。

想像もしていないことに対して
ベストが尽くせるはずはありません。
「やっつけ」になるのがオチです。

ただ、こういったことを考えるのは当たり前だと思うのです。

…なんてことを思った時点でダメなんですよ!
指導者としては。

当たり前じゃ無いんです。
だって彼らはビギナーなんだから。
そもそもが普通の学生なんだから。

そりゃ最初からそういうのができる学生も中にはいます。
でも、ごく少数です。
それが標準じゃないんです。

なーんてことを
やっと気付いたりする今日この頃。

中にはそういう想像をしたがらない者もいますね。

彼らはなぜ未来を想像しないのか?
これは大変興味深いところで
ひょっとしたら
その原因の探求をする必要があるのかもしれません。

しかし、そんなことをやっている暇があったら
未来のためのことをやるべきです。
そういうのは
やっていればそのうち分かるかもしれないし
専門家に任せておくのが良いのかもしれません。

我々は結局、勝てれば良いのだから。
時間がもったいない。
前に進もう!

今、成長しましょうよ

在学中にどんな学生が成長するかは大変興味あるところです。
色んな意味での成長があるのですが
こと、ものづくりの面での成長とすると
私はこの辺が重要かなと思っています。

まずは元気と明るさ
これ無しではどうにもなりません。
なぜか?

元気が無くて
明るくも無く
パワーも感じられない
アクションが無くてリアクションすら無い

そんな人と力を合わせて何かに取り組んだり
期待をしてチャンスをあげたり
そんなことをする人はまずいません。

元来の性格の問題があるかもしれません。
それを何とかしたいと思っているのなら
ぜひ頑張って工夫して欲しい。
きっと報われる時が来るから。

代わりの何かでも良いかも。
「異常なパワフルさや執着心」なんか良いかもしれません。
とにかく、他者がそれらを感じられることが大事です。

どうしてもこれらを何とかしたいと思うなら
思い込みや勘違いからのスタートでも良いのかもしれません。

極端な言い方ですが
最初は嘘っぱちでも
それで迷惑する人はいないでしょう。
そして継続していけば
いずれはそれらが身に付いて
本物になります。

そんなことを前提にして
続けていってみましょう。

やはり、アウトプットの数は重要です。
つまりスピードと継続ということになるでしょうか。
在学中という限られた期間で成長するには
やはり経験の数がものを言います。
磨かれる機会が多ければ
輝きを増すのは当然です。
その際の「研磨の質」は本人次第ですが。

アウトプットの質はどうなのか?
これを向上するには他者からの評価が重要です。
それによって現状を把握して
次はどうすべきかということを考えられますからね。
逆に、これ無しでは、これからどうすべきかは決められなくて
迷走します。
仮にうまくいっても「お山の大将」です。
いわゆる
報・連・相
ができる学生は伸びます。

これに関して注意すべきことがあります。
失敗したくない
ダメ出しされたくない
という気持ちが起きるのは仕方ないと思いますが
大事なのは
失敗しないことでもダメ出しされないことでもないのです。
自身が成長することです。
どうせ経験が少ないうちは不十分なのです。
大事なのは、何がどのように不十分で
どうしたら良いのかが分かることです。
それらは失敗とかダメ出しの中にしかありません。

とはいえ
最初のうちは受け入れるのが難しいかもしれませんね。

年齢を重ねると
周囲はあなたにダメ出ししにくくなります。
つまり、ダメなところを教えてくれないということです。
なので、今がチャンスなのです。

そのうち何とかしたいと思ってるって?
先送りはダメです。
すぐ5年とか10年とか経っちゃいますよ。
今、頑張りましょう。

知識とか技術はどうなんだって?

それはゴール達成の手段に過ぎません。
いわば「道具」です。
必要が無いわけはなくて
もちろん重要なのですが
それがあれば何とかなるわけではない。
事前に学ぶのも大事ですが
それだけでなく
色々やる中で手に入れていきましょう。

知識が完璧になったら動こうなんて思ってはいけません。
その頃には、頭も心もカチカチになって動かないかもしれませんし
現実とか現物は大事です。
そのための知識です。
知識と経験を両輪としたバランスは重要ですね。

偉そうにこんなことを書いてみましたが
こういうのって、一生継続するものだと思っています。
完璧になんてなりませんから。
さあ、明日も頑張ろう!