心に火が点るようなエキサイティングなこと
そんなことに夢中になれば、色んなことがレベルアップします。
そういう環境にするにはどうしたらいいのかな?
というのが日頃の課題。
これね、けっこう難しいのですよ。
そんな夢中になることには、必ず何かしらのリスクがあります。
それはもう、小さなものから大きなものまで様々。
夢工房で言うなら、Formula SAEでレーシングカーを作って海外の大会で戦うのですけど、これはリスクだらけ。
まず多大な労力が必要。
これは肉体的にも精神的にも。
そして、初めてのことに次々にチャレンジするわけだから、現状の自分が常に通用しないわけで、失敗のリスクと同時に、現状の自分のレベルでは通用しないという現実と向き合うリスク。
クルマを作ったり走行テストをすれば具体的な危険がある。
海外遠征でも同様です。
そもそも、言われてもいないことを自身の発想でトライするなんてこと自体がリスクです。
と、挙げ始めればキリがない。
しかし学校は、可能な限りリスクを排除する方向で動きます。
学生から、保護者からクレームが来ないように。
なので、リスクが発生する可能性がある面倒なことは、軒並み排除しちゃった方が楽で良いのです。
それに、高校までリスクを排除された環境で育ってきた学生の多くは、一気に多くのリスクを負う活動には耐えられないでしょう。
しかし、そういったリスクを負う活動をすると得られるものが沢山あります。
それらは社会に出ると即必要となるものばかり。
学生のうちにリスクと向き合っておけば、リスクのコントロール方法を身に付けます。
リスクをコントロールしながら目的を達する方法です。
それを持たずに社会に出ると…
まぁ、いきなり挫けるかもしれませんよね。
それに狭い領域を掘るようなエキスパートやスペシャリストは、すでに沢山いますからね。
すでに沢山いるタイプの人材を量産してもしょうがないでしょう。
そもそも、何かしらのリスクがあるものって、単純に価値が高かったりするのですよ。
そういったものが、独自性とか希少性に繋がっていくわけで。
まぁ、中途半端なことをやっていたら本末転倒なのですけどね。
というわけで、やり甲斐を感じて楽しみながら、リスクをうまいことコントロールできる人材を育成するというのは、従来型の授業では無理なんですよね。
世の中の問題を見ても分かるように、もうここらが限界ではないでしょうか。
なので、夢工房のような環境を維持してくれている本学は凄いと思うのですよ。
期待に応えないとね。