電気の時代…はやってきたか?

今回はクルマのネタです。

電気自動車、なかなか先が見えませんね。

一見未来のテクノロジーという気がしますが、実はBEV(バッテリーで動く純EV)も、HEV(エンジンと電動モーターのハイブリッド)も、100年以上前に誕生して絶滅するという歴史を持っています。
その時は、色々理由はあったのですが、電池を使うという基本的な原理に基づくところが大きかったのだと思います。

電池は高価で重くて大きい
簡単に言ってしまうとその辺が主な原因でしょう。

もちろんEVならではのメリットはあります。
しかし、メリットがデメリットを上回らない限り普及は難しい。

EVは本気出すと凄いパフォーマンスを発揮するのだけど、いかんせん重いのがネック。
それはバッテリーのエネルギー密度が問題なのです。
バッテリーにはあまりエネルギーが入らないので、大量の電力が必要なら、電池をたくさん搭載する必要があるわけで、そうなると大きく重くなる。

電動モーターは、低回転で大きなトルクを出せるのだけど、当然ながら重いクルマを加速させるとエネルギーは沢山必要になります。

そして高速域での巡航は大量のエネルギーが必要になるので、より大量のバッテリーを搭載する必要があって、ますます重くなる。

クルマが重くなると、運動性能は低下します。
まぁ、エネルギー消費とトレードオフすれば、それなりに加速が良かったりしますが、危険を回避する動きなんかは悪化するでしょう。

そして、重ければ各部の消耗が激しくなるのは当然で、それはクルマ本体に限ったことでは無く、道路や橋などのインフラだって同様でしょう。

というわけで、既存のエンジンで動くクルマの未来にあるのテクノロジーがEVだ、と言うのは現時点ではちょっと無理があって、用途に応じて使い分けする方向性での発展はアリだと思うのです。

EVは高速域での連続使用は苦手だけど、制御しやすいので低速での短距離移動に特化すsひて、コミュニティ内での自動運転の公共交通機関として使うなんてのはアリだと思います。

自動運転を不特定なルートで速度域が高い状態で使うと難しいでしょうけど、決まったルートを低速で使うなら難易度はかなり下がるでしょうから。
すでにそういう実験してますものね。
そういうやり方で人員とかコスト削減をしていく方向性なら現実的なのでしょうね。

あと、最近耳にするようになってきた全固体電池なんかが実用化されれば、かなり話は違ってくるのかもしれませんね。

最近では、単に環境性能とか効率ばかり言っていられなくて、いわゆるエネルー安全保障とか、政治や経済についても考えないといけないでしょうから、難しい世の中になってきましたね。

というわけで、引き続き見守っていきましょう。
さて、どうなることやら。


電動バイクの話

クルマのEV化、思ったほど進みませんね。
まぁ、電動化したところで、エネルギー源である化石燃料から走行までの最終効率は数パーセントしか変わらないし、製造に要するエネルギーや電池のリサイクル、そもそもの電池を巡る問題やらがあって、当初の思惑通りにはいかないってところでしょう。

それはそれとして、実は私、エンジンは好きだけど、別に電動モーターが嫌いなわけでもありません。
まぁ、乗って楽しければ良いかな、とも思いますし、パワーソースが何であれ、それぞれメリットはあるわけで、一概に良いだの悪いだのは言いにくいですから。

とはいえ、趣味のバイクが電動化されていったらどうなんだろうなぁ、なんてことは考えるのですよ。
最近は新しい電動バイクの話も聞かなくなってきましたけどね。
小さいのはあるようですが、それも主に国外の話ですね。

最近は、1日で1000キロ越えのツーリングなんてしてるけど、そういったことはできなくなるんだろうなぁとか、バイク自体重くなるんだろうなぁとか。

以前やったオーストラリア縦断なんてできなくなるでしょうね。
途中でマメに充電するなんてできないでしょうし。
そういうのは寂しいなぁ。

加減速の少ない高速域の連続走行では、回生充電もできないので、大した距離は走れないでしょうしね。

バイクEV化のメリットは何だろう?
静かなことや、獰猛な加速…あとは何かあるかな?
環境負荷は、実は大して変わらないと思うし。

車重もトルクも大きけりゃ、タイヤやブレーキなどの消耗品のライフは短くなるだろうし、重い乗り物は、乗るのが億劫になるんだよなぁ。
そうなったら乗車時間は減るわけで、環境負荷は低減されるとも言えるのか。それは皮肉だ。

全固体電池とか、電池の革命みたいな事が起きて、エネルギー密度が今のリチウムイオン電池の100倍くらいになれば、つまり現状の電池と同体積と重量で、100倍くらいエネルギーが突っ込めれば、エンジンと同じような使い方ができるのでしょうけどね。

充電インフラも気になる点ではあるなぁ。
大型連休など多くが充電を必要とするときに、乗用車と一緒に充電待ちをする絵を思い浮かべると…ちょっと微妙な感じです。

気に入った電動バイクがあるとして、何年も乗った末にバッテリー交換したくなったら
「あぁ、そんな古い型の電池なんて無いよ」
と言われてお終い?
まぁ、そんな頃まで生きてないだろうから気にすることでもないか。

と、今のところデメリットが多いのかなぁとか、そんなことを考えながら、技術の発展も楽しみにしてたりするのです。

ホンダ主催の講習会見学

今日はホンダ主催の、Formula SAE参加校向け講習会にお邪魔していました。
学生達とともに朝6時に大学を出て、帰ってきたのは夜の9時。
場所はモビリティリゾートもてぎ。旧ツインリンクもてぎです。

講習会は、サスペンションアライメント講座と銘打っていますが、実質的にはレーシングマシンのサスペンションを開発を前提とした、実践的な内容の講義と実技。
講師陣は、元F1マシンの開発者を含め、エキスパート揃いの豪華な布陣。
現在は皆さん現役の開発現場には籍を置いていませんが、リタイヤした後、またはそれなりの地位に就きながら、今回のように次世代の開発者となる若者達に指導されています。

で、今回は、以前お世話になった知人が講師をするということで見学に行ったのでした。
想像以上にレベルの高い、とてもためになる講習会でした。

この講習会に教材として使われていたのが、私がかつて開発に関わらせて頂いた小型レーシングカーのSide by Side。いやぁ、懐かしい。
20数年前にモーターショーでデビューした後、14台ほど生産されましたが、現在はわずか2台を残すのみだそうです。
それらが次世代の開発者を目指す若者の役に立っているのは嬉しい限り。

一通り講習会を見学して思ったのは、教育はこうあるべきだよなぁ、ということ。

大好きなレーシングカーについて、エキスパート陣から少人数に対する指導。
単に言われたことを聞いて覚えるのではなく、自発的に手を動かして頭を使ってコミュニ-ションを取って、本当に欲しいものを取りにいく感覚。

こうやって手に入れたものは、書籍やオンラインでの学びでは得られないものばかり。
ましてゴージャスな顔触れの、本当にトップクラスで活躍していた元開発者と直接対話して貴重な情報を手に入れる。
普通こんな機会はありません。学生達が羨ましい。
こうやって手に入れた知識やスキルは、一生忘れないでしょうね。

この講習、一人の教員から、数十人に対して一方的に講義して、言われたことを覚える・やる、といった、いわゆる学校の授業とは対極だなぁ、と思ったのでした。