なんでもルール化すればいいってもんじゃない

我々はルールの中で生きています。
生まれたときからルールがありました。

やっちゃいけないことを決めておけば
不快な思いや危険な思いをしなくて済んだりしますし
やるべきことを決めておけば
皆に都合が良かったりします。

ずっと時を遡って
縄文時代までいったら
明文化された法律みたいなものは無いにしても
きっとルールはあったでしょう。
村の掟
みたいな感じで。

本当は、そんなものが無くても
皆が気持ちよく過ごせれば良いのでしょうね。
皆が他を慮って。

モラル(道徳)で対処できれば
それが一番良いのでしょうけど
なかなかそうもいきません。
人は皆異なる価値観を持っていますから。

さて、仕事ともなると
業務内容をルーチン化することによって
効率が向上するもんだから
マニュアルが登場します。

それにしたがってやれば良い、と。

危険な作業を伴う業務などは
ルールやマニュアルに従うことで
ある程度はリスクを回避できたりしますし
ノウハウをマニュアル化することで
業務の内容が向上したりします。

反面
ルールやマニュアルがあると考えなくなる
という側面もあって
こうなると業務内容の向上は難しくなります。

「言われたことをやればいい」
みたいな感じになるのですね。

これは、行動が問題になるというより
そういうマインドが定着することが問題なのです。

「言われたことをやればいい」
というのは
「人が決めたことをやる」
ということです。

自分では決めない
ということです。

つまり
自由ではなくなる
ということです。

「自由」とは
自分に由る(よる)
ということで
自分で決める
ということですから。

なので、言われたことや決められたことを真面目にやる人が
アイデアを出せなかったりするのは
その辺が理由だったりします。

というわけで
言われたことをやるのが苦手な人は
アイデアで勝負する方向で頑張ってみたらどうですか?

そのために必要なのは
やはり「引き出し」ですね。

なので、とにかく手数(てかず)を増やして
経験の数からアイデアを導き出しましょう。
それしか無いです。たぶん。

変えなければそのままだ

「現状に満足しているか?」
と自分にそう問いかけて

満足しているなら
この先は読む必要はありません。

満足していないなら、次は
「今のままで大丈夫か?」
です。

現状のやり方や方向性でいいなら
そのままハードにプッシュしましょう。

ダメなら何かを変える必要があります。

「やり方や方向性がダメだ」
となったら
そのままハードにプッシュしたら
ダメな方に行っちゃいますから。

当たり前でしょう?

当たり前なのですが
これがなかなか難しいのです。

そもそもの話ですが
自分の現状に対して
疑いを持ったり確認したりなんて
意外とやらないものです。

自分が「普通」にやっていることに対して
危機感を持ったり
問題意識を持ったりなんて
なかなか難しいことなのです。

「普通」を意識するのは難しいのです。

だから
視座を変えて、自分を客観的に見るのが大事だよ
なんて言うのです。

もし、すでにやってるなら
あなたは偉い!

そして
現状の確認なんてしちゃったら
大抵は満足いってないことに気付いちゃいますから
何かをやらなきゃいけないのです。

その何かは「変化」です。

これも難しいですよ。
多くは変化を嫌いますから。

だからなおさら
現状の確認なんてしたくなかったりします。

さて、こういうのも
「能力」と言っても良いのかもしれません。

そういう能力を早くから身に付けている人もいれば
全くそういう見方、考え方ができない人もいるでしょう。

あと、現状の認識ができても
果たして実行ができるのか
という話もありますね。

そういうことができるようになりたいなら
工夫して頑張ってみればいいと思います。

新しいものを作り出す仕事をしたいのであれば
きっと役に立ちます。
というか必須ですから。

「そんなの当たり前だろ」
という話なのですが、結構忘れがちなので記事にしてみました。

過去のリソースを己の力に

我々には何ができるか?

多くは
自分が生まれてから何を学んで、何をしたかで全てが決まる
と思っています。

そうかもしれません。
けど、必ずしもそれが全てでは無いかもしれません。

というのも
他人の実績とか
過去の事例とか
を例に引いて

同じ人間がやったのだから
自分達の先人ができたのだから
自分にもできないはずはない
と思うかどうか
これは結構効いてくると思っています。

というのも
できるかどうか
やるかどうかにかかっていて
それは
できると思えるかどうかが根っこにあります。

最初は「思い」です。
思えるかどうかです。
これが無いと何もスタートしません。

でも、最初の段階では
「まだやっていない状態」なので
実績も何もありません。

その状態で「できると思う」のは
単なる思い込みに過ぎませんが
これが大事だと思います。

そう思えるようになるための
リソースを手に入れましょう。
きっと、そういうものが未知なるチャレンジの助けになるはずです。

色々と見て聞いて触って
「きっとできるはずだ」を支えるパーツを手に入れましょう。

そういう考え方をすると
我々の先人が考え、行ってきたことも
我々のこれからの行いに直結している
と思うことができるのではないでしょうか。

日本は現存する世界最古の国家です。
なので、他に類を見ない長い歴史を
自分達のリソースにすることができます。
我々の歴史を掘り起こして
自らの糧とすることができます。

それは具体的な知識でも良いし
心掛けや行いに関するものでも良い。

自分が生まれてから何を学んで、何をしたかで全てが決まる
なんて思っていたら
世代を重ねても、常にゼロ・スタートで
全く前に進めなくなります。

これは、日本初のF1マシンを開発した佐野彰一先生から頂いたメッセージです。
「理論は経験の省略なり」
理論は先人達が構築してくれた貴重なリソースです。
それを利用すれば、ゼロ・スタートせずとも
自分では経験したことのないレベルの結果を出すことができます。
しかし、何も理論だけでなく
あらゆる先人達の経験を自由に使って良いのです。

教科書や参考書などにある理論は
もちろん先人達の残したリソースですが
何もそれに限らずとも
博物館でも偉人伝でも名言でも、何でも良いのです。
何か製品を手に取れば
そこには膨大な知識と経験が凝縮されています。

インターネットも良いのですが
足を使ったり労力を払ってリアルな体験をすると
必ずそれに見合ったものが得られることも
知っておくと良いと思います。

いつからか我々は、先人達の経験を活かすことを重視しなくなってしまった気がします。
その原因や理由はあるのでしょうけど、そこにフォーカスしても事態は好転しません。
そんな暇があったら歴史を掘り起こして自らの糧としましょう。