「悪目立ちしたくない」…で?

この件、ずっと前からネタにしたいと思っていたのですけど、忘れてました。
で、今日、学生と話していて思い出したのでネタにしました。

「悪目立ちしたくない」

意味するところは分かりますし
言いたいことも分かります。

けどね
やってみないと
その結果がどうかなんて分かりません。

「悪く」目立ってしまうか
「良く」目立ってしまうか

なので
「悪目立ちしたくない」
のための最善のアクションとしては

やらない

に落ち着くでしょう。

目立つことはしない
ということです。

ノートライ・ノーエラー
です。

トライしなけりゃ
エラーも起きない。

つまり
チャレンジできない
ということです。

仮にレースをするなら
勝たない
ということです。

だって、優勝したら目立っちゃうから。

そもそも、優勝狙ってヘマしたら
それこそ「悪目立ち」でしょうし。

なので
皆と同じことをする。

そうすると目立ちません。

が、レースで前走車と同じ走行ラインを走っていたら
一生抜けません。
オカマを掘るのが関の山です。

目立ちたくないけど
個性が欲しい

目立ちたくないけど
優位性が欲しい

目立ちたくないけど
成果が欲しい

気持ちは分からなくもないけど…
いや、分からないな。

でもまあ
失敗したくない
ってことなんでしょうね。

失敗して目立ちたくない
成功だけ欲しい
と。

だとしたら
凄く難しい
天才的なレベルを狙ってるのですね。

いやー、それは大変だ。
というか、そんなの無理だ。

というのも
レースやってれば
ごく普通に分かることなんですけどね。

普通に、皆と同じような日常を過ごして
就職活動の時だけ
エントリーシートにスペシャルなことを書きたくなる

気持ちは分からなくは無いけど
そりゃ無理ってもんだ。

結局のところ
ヘマして目立っちゃうかもしれない
というリスクと
チャレンジして何かを手に入れる
ってのは
トレードオフの関係なのですよ。

なので、腹を決めてやっちゃえば
必ず何かが手に入るのです。

しかもそれは
多くがやりたがらないことなので
やればやるほどライバルが減っていく。

そういうことです。

レースが流行らないのはなぜか?

我が国の恵まれた環境にも関わらず
なぜモータースポーツが流行らないのか
というか、文化として定着しないのか

それは
少子化に原因があるのではなかろうか
と思いました。

ただし、少子化でもモータースポーツが一定の地位を得ている国もあるのですけどね。
ドイツ
イタリア
スペイン
など。

アメリカやオーストラリアなどを加えても良いかもしれません。

さて
この場合、少子化そのものよりも
「少子化によって社会がどう変化したか」
が重要でしょう。

少子化になると
リスクを取ることができなくなるのです。
数少ない子供が死んでしまったら大変ですから。

人口が増えている社会は

  • 挑戦する人
  • 失敗する人
  • 変わった人

が一定数いても全体が回る。

ところが人口が減る少子化の社会では
一人の子供にかける期待や投資が大きくなると同時に
「失敗させない」方向に社会が動く。

そしてリスクを回避するために

  • 安全志向
  • 効率志向
  • コスパ志向

が強くなる。
当然と言えば当然かもしれません。

モータースポーツは本質的にその逆です。

  • 非効率
  • お金がかかる
  • リスクがある
  • 手間がかかる

それでも、やりたいからやる世界です。

  • 人が感動するもの
  • 人生を変えるもの
  • 熱狂するもの

そういったものは大抵効率が悪いもの。
当たれば
ハマれば
高い価値を発揮するけど
リスクを伴う。

レースはリスクが高いかもしれません。
というか、高い。

しかし、死にたくてやっているわけではありません。
死んだら勝てませんから。
でも、リスクが大きいのは確かです。

しかし、そこからしか得られないもの・学べないことがあるのも確かです。
そしてそれは、定量化できない・言語化しにくいものです。

極限状態におけるリスクマネージメントなんかは
経験の中から学ぶしかないことの一つでしょう。

でも、リスクを取れない
となると
そういったものごとは手に入りません。

この話の結論は
「だからしょうがないよね」
ではありません。

皆がやりたがらない
しかしそこには価値や意味がある

多くの人が避ける場所には
競争相手も少ないわけで

皆がやりたがらないからこそ
そこで挑戦する価値があるのです。

そしてそれは
定量化できない
言語化しにくいもの
であるために
やった者にしか分からない・得られない世界です。

であれば
そこにはチャンスがあるということです。

レースは人を育てる

モータースポーツに限ったことでは無いのですけどね。
競争は人を成長させます。

いや、でも
モータースポーツは他の競争とはちょっと違うかな。

というのも
乗り物を使うところが大きく違う原因なのだけど…

人工動力(エンジンなど)を使うから
フィジカルな部分の要求レベルが低いかというと
決してそんなことはありません。

確かに、体力が無くても
とりあえず動く
くらいは可能なので
誤解されやすいかもしれません。

でも、勝ちたいと思ったら
それはもうライバルを上回る必要があるわけで
もちろんフィジカル面のパフォーマンスは
高い方が良いに決まってます。

他には
メンタル面のパフォーマンス。
これも他のスポーツと同様です。
かなり効いてきます。

あとは道具ですね。
レーシングマシンです。

ここがかなり他と違うところでしょう。
多くの部品で構成されたマシン。
その理解から始まって
どういう戦略でどう扱うか?

二輪ならミニバイク
四輪ならカート
それらが小さく、部品点数が少なくて
入門にはちょうどいいと言われますが…

とは言っても
奥が深く
天井は高く
簡単にエキスパートにはなれません。

そんなことを考え出すと
フィジカル
メンタル
技術や戦略と
果てしない数の
諸々の組み合わせがあって
面倒で難しくて奥が深いのです。

そして、マシンを自ら作るとなると
それはもう
努力も工夫もたくさん必要なわけで

単に言われたことをやるとか
決められたことをやるとか
そんなやり方では
何も起きません。

いかにリソースを手に入れて
いかにそれらをハンドリングするか
知恵と工夫も必要です。

だからこそ
そのフィールドでは
人は大きく成長します。
それはもう驚くほど。

我が国には
世界的に見ても異常な数の自動車メーカーがあり
多くの国際的な格式のレースを行えるサーキットがあり
実績を持つ多くの先人達がいる
と、環境は整っているのですが
残念ながらモータースポーツに対する理解は
他の先進国に比べて低いのが現状でしょう。
何ともったいない。