勢いのあるヤツには敵わない

先日、卒業生が夢工房に来てくれて色々話ができました。
日々楽しく仕事できているようです。
良かった良かった!!

彼曰く

「勢いがあれば何でもうまく行きますね!」

チャンス(かもしれない)と見れば
「あ、それやります!」
で、うまくいっていて
面白そうな仕事に次々に関わることができていると。

そりゃそうだ。全くもってその通り。

大抵は、チャンス(かもしれない)ものが来た時に
「できるだろうか?」「失敗しないだろうか?」
とか
「(自分が)得するだろうか?」「(自分が)損しないだろうか?」
みたいなことを考えちゃうんですよ。
で、やるかどうかを考える。

それが普通と言えば普通なんですけどね。
でも、そんな風に損得を考えている間に
チャンスは走り去ってしまいます。

それに、勢いがあるヤツって
ちょっと躓いたくらいじゃ諦めないから
最終的にはうまく行く
というか
うまく行くまで諦めなければ
うまく行くのは当然です。

そして、チャンスに即反応できるヤツって
期待できるんですよね。

なので、チャンスがそこに集中するのは当然です。

そして、そんな風に動くヤツは
経験の数がドンドン増えていくので
パフォーマンスがグイグイ伸びていきます。

そう考えると
早く成長するためのロジックって
実に単純なのだけど
そのための理解を妨げる先入観があります。

何だと思いますか?

「それには能力が必要だ」
という思い込みです。

一見もっともらしいですが…
では、能力がある人間が
そもそも初期段階において
能力を手に入れるためにどうしていたでしょう?

経験が必要ですよね。

やらないと分からないことに囲まれた世界で経験を積むには
やるしかないのですよ。

やらないと分からないことに対して

「分かったらやろう!」

なんて考えるのはナンセンスではないですか?

正解なんて無いのにね

学校でどういう勉強をしているかというと
「正解」を出すための勉強ですよね。
「正解」以外は「間違い」で、評価ゼロです。

もちろんそれは、今に始まったことでは無く
そんなことを150年くらいやっているわけですが。

で、ですよ

じゃぁ、社会に出たら
正解を出すような仕事はどれだけあるんでしょうね?

今どきそんなのほとんど無いでしょう。

もし「正解」という到達点が存在していて
それができたらお終い
そんな仕事があったら
その仕事は価値が無いのではないかと思うんですよ。

正解を出そうとする思考方法でいくと何が起きるのか?
それは簡単

アイデアが出なくなる
チャレンジできなくなる

ダメかもしれないものを描けないでしょう?
失敗するかもしれないことはやれないでしょう?

夢工房の活動なんてしてると良く分かりますよ。
こんなことが起こります。

正解を出すために考えて考えて…

正解なんてそもそも無いのだから
延々と考えて…

締め切りギリギリになって仕方なく

1コ出す。

それは特に良いわけでもなく
不十分だったりするのだけど
もう時間も無いし仕方ないよね
ということになって

ブラッシュアップもできないものだから
次回も同じことを繰り返すしかない。

これを何とかするのが夢工房では一番タフなことです。

なんたって、大学に入るまでの18年近く
そんな風にやるトレーニングをされてきて
何も考えなくても、つまり無意識で
そういう風にやってしまう習慣が身に付いています。
正しいやり方として。

これ、絶対に開発の仕事に向かないやり方です。
開発に限らないだろうけど。

ただし、この呪縛から解放されてしまえば
後はグイグイ進むだけです。

そのためには、やはり…

好きでもない
面白くもない
そんなことをやっても習慣は変えられないので
魅力的なゴールが必要なわけですよ。

これは絶対でしょう!

とはいえ、本人の持つ価値観が最も重要なのでしょうけどね。
それ、どうしたら良いのでしょうね。
価値観なんて、そう簡単に変えられるものではないですから。

ま、色々考えたところで
全員に適合するものなんて無いですからね。
正解なんて無いってことです。

正解無かったらどうするの?

ベストを尽くすしかないでしょう。

「うわぁ、すげぇ!」たのめに

学校で授業で教えているお勉強
それらはツールとしては有用…かもしれません。

断言できないのは
ヘタすると
卒業すると
テストが終わると
ほとんど忘れちゃうから。

その知識を何かに使ったり活かしたり
ってことになると話は別なのですけど
覚えただけの知識なんて、そんなものです。

個人のパフォーマンスを向上させることは重要でしょう。
お勉強も頑張って下さい。

さらに

視野が狭くて利己的だったりすると
どうにもならんのですね。

夢工房で学生達を見ていると
そんなことが良く分かります。

良く考えてみましょう。

学校では個人のパフォーマンスのためのことばかりやってます。
加えて、知識に関することばかりです。

すぐに忘れちゃいそうなことを
個人レベルでやるのです。

で、次は社会に出るわけですが
そこでは…

知っていればなんとかなる
なんて仕事は無いし
個人で完結しちゃう仕事も
ほとんどありません。

特に企業でものを作るような仕事の場合
チームで力を合わせて
皆のために
お客さんのために
仕事をするのです。

個人のパフォーマンスでは勝負になりません。
だから組織があるのです。

そのためには
組織で強力なパフォーマンスを発揮できるよう
下地を作っておく必要があります。
言ってみればトレーニングですが。

なぜって、その方が絶対に面白い仕事ができるから。
なぜって、社会に出てからトレーニングなんかしてたら時間がもったいないから。

皮肉なことに
視野が狭く利己的な状態では
いくらやっても面白くなりません。

当然です。

チームで力を合わせて
個人では到底為し得ないことをやって
「うわぁ、すげぇ!」
が起きるから面白いのです。
それがチーム外からなら
なおさら嬉しいでしょう。

でも
「うわぁ、すげぇ!」
を起こすためには
壁にぶつかったり乗り越えたり
必要なことが沢山あるわけで

本人達は必死にジタバタやっているわけだけど
ふと気付くと、凄い成長をしていたりするんですよね。
本人は全く気付いていないところが、これまた面白いですけど。

そんな中で得た経験は
本やネットでは決して手に入らないし
ちょっとやそっとじゃ忘れたりしません。