ノーリスクの幻想

最少のリスクで最大のゲインを得る
なんてことはあり得ない。

そんなことは百も承知だとは思いますが
取るべきリスクと
取らざるべきリスク
その線引きをどこにするのか
そこが難しいところでしょうね。

恐らく大事なのは
「何のために?」
でしょう。
時間軸上の「先のこと」ですね。
「何のために」「何をするの?」
という考え方です。
この時点では実にシンプルです。

ですが

そこに色々と欲や恐れが入ってくるから始末が悪い。

楽にできないかな?
恥かかないかな?
怒られないかな?
などなど
アレも欲しいし、コレも欲しい
で、そのうち何が大事なのか分からなくなってくる。
加えて周囲が色々言ってたり
ネットを検索して、色んな情報を入手しちゃったりすると
自分の価値観なんてぶっ飛んじゃう。

ふと気付くと
今、何に力を入れるべきかが分からなくて
片っ端から頑張ろうとするものの
「そんなの無理だ」
と気付いて自信を失う。

難しく考えて答えが出せるなら、それでも良いですが。
それが無理だと思ったら簡単に考えましょう。

短期的なものや
重要度の低いものを
犠牲にしてしまいましょう。

先にある重要度の高いものを取るのです。

自分の持っている熱意の総量には限界があります。
(「限界は無い」と思えば
一時的にリミッターが解除されるようなこともありますが)
それを細々と分割して、色んなことに使うと
実に普通のことしか起きません。

それを一点集中で使えば
普通じゃないことができそうな気がするでしょう?
そういう簡単な理屈です。

とはいうものの、その過程では
失敗したり悩んだり
多くの人が持っているものを持てなかったり
色々起きることでしょう。

でも、そんなことは気にしないことです。
最初は無理でも続けていれば慣れてきますから大丈夫。
それに、そういう経験が後々効いてくるんですよ。
社会に出たら分かります…たぶん。

どうせ人生を良いことばかりで構成することなんてできないんですよ。

禍福はあざなえる縄のごとし
とか
人間万事塞翁が馬
と言うじゃないですか。

だったら、ある程度自分で
「どうするか」
を決められた方が楽しくないですか?

え?
そんなの面倒くさい?
うん、じゃぁしょうがないですね。
それも一つの選択です。

夢工房も一歩前へ

「先生、会社入ったら、まんま夢工房でしたよ!」

今日は今年の春に卒業して
完成車メーカーに就職した卒業生の一人から
たまたま話を聞く機会を得ました。
どうやら楽しく仕事ができているようです。

どうやら卒業生の多くは
会社に入ってから、あまり大きなギャップを感じずに
業務遂行できているように感じます。

今回、冒頭のような感想を聞けたのは何よりなのだけど
全ての卒業生が同じような感想を持っているかというと
決してそんなことはないはず
というお断りはしておきます。

もちろん、入った会社によって
学生時代に何をどのようにやっていたか
色々なバックグラウンドによって
感想は違ってくると思います。

ここ、夢工房は
学生の主体性によって回っているのですが
そこに管理監督者の考えが介入するのは
安全面や開発の基本をはじめとした
諸管理から当然のことです。

この部屋の運用のモデルは
前職でやっていた特殊部隊のやり方なのですが
それもかれこれ20年前のことで
いまだにこのやり方が通用しているのは
嬉しくもあり、疑問を持つところでもあるのです。

なので、卒業生から広く話を聞いて
時代に即した要素を入れて
先を見越した改変をしていきたいですね。

ただ、基本の部分は時代によらず不変なのかな
という気もしているのですけどね。
この核心になる部分も
より明確化と強化をする必要があるでしょう。

夢工房のやり方は
あまり一つのことに固執しているつもりはないのだけど
この核心部分の明確化によって
一歩前進させる時が来ている気がします。

今日は2年生メンバーが本格的なテスト走行に帯同した初日となりました。
彼らがチームに所属してからおおよそ1年半
やっとコースに出られました。
このご時世ですので、感染防止の対策とか
色々工夫が必要だったようですが
彼らはなかなか良い動きをしていたようですので
今後に期待ができそうです。

やはり利他ですな

今の世の中がどんな風になったら
もっと幸せな世の中になるのでしょうね。

個々が自分の幸福を追求して
みんなが幸福になる

なーんてことは無いよね。
と思っています。

だってそれって
みんなが利己主義になるってことでしょう?

個々の幸福とか利益を追求していくとどうなるかというと
失うのが怖くなるんじゃないかな。

似たようなので
自分を守ることばかり考えていると
自分が攻撃されたり
自分の領域を侵されることが怖くなるでしょう?
そんなことないですか?
で、ますます守りに入っていく。

組織の中で
自分のことばかり考えていると
他から見るとその当人って
あまり価値が無いんですよね。
まぁ当たり前なのですが。

学生って若いわけで
生命体として弱い子供の時期から
大人としての自立に切り替わる時期なので
この辺が難しいところなんだと思います。

弱い子供は
自分が生きることに必死で
当然、自分のことばかり考えるのが自然で
周囲もそれを助けますが
成長すれば自分が周囲を守ることによって
価値を生み出す立場に切り替わっていく。

この場合の価値を生み出すというのは
仕事で考えると分かりやすいですね。

仕事で生み出す価値によって
会社が守られたり
お客さんや地域の利益に繋がったり
国力が保たれたり。
で、自分の価値が確立されていくのですね。

なもんで
自己の利益とか保身とか
そんなことを考え始めちゃうと
仕事の方向性自体が変わってきちゃったりするんだと思います。
自分に課すハードルが最低限になっちゃったり
そもそも向かう方向がおかしかったり。

夢工房で頑張る学生達も
大抵はこういう壁にぶち当たります。
最初は自分の興味とか利益でスタートしますから当然です。
でも、色々コンペティションやってたりすると気付くんでしょうね。
「これじゃ勝てねぇ」
って。

そんな彼らの変化を見ているのも楽しいものです。