彼らは、なぜものを作るのか

夢工房の学生たちは何をしているかというと

企画する
設計する
加工する
組み立てる
走らせる
壊す
直す
また走らせる
そして遠征に行き、競い、帰ってくる

そんなことの繰り返しです。
それは何のためなのか。

クルマを完成させるためなのか
大会で勝つためなのか

技術を身につけるためなのか

就職に役立てるためなのか

それらは全部正しい。

でも、もっと先にある
メンバー共通のゴールは
自身の価値を向上させること。

日々ものを作るのは
そのための手段です。

恐らく学生に
自身の価値を問う
みたいなことは
普通はアンタッチャブルなのかもしれません。
アプローチによっては
人格否定みたいな捉え方をされるかもしれない。

でも、それはとても大事なことなのです。
だって、そもそも彼らは
自身の価値を高めるために大学に来ているのですから。

難しい理論を理解したり覚えたり
問題を解けるようになったり
それは数ある「手段」のごく一部であって
本質ではないのです。

やっていることは
何のためなのか
誰のためなのか
価値があるか無いか
それはどれだけのものなのか

そういったことは
定量化はできませんが
ものを作るなら

見れば分かる
触れば分かる
走らせれば分かる

それによって何が起きるか
誰がどれだけ驚き、喜ぶか
勝つか、負けるか

そんな結果の中に
彼らの価値の断片が現れるのです。

なので、「もの」を作ること本質ではない。
作られた「もの」も本質ではない。
その「もの」がもたらす価値
いかにその価値を作り出せるようになるか
それこそが本質なのです。

学び方について

例えば
大学の機械科というと
理工系の中でもかなり絞られた専門的な内容を学ぶような印象がありますが
結構幅広く、機械全般に関して学びます。

最近では、4力(よんりき)が大事だとか言います。
「材料力学」
「流体力学」
「熱力学」
「機械力学」
の4つの力学のことです。

ちなみに、私が学生の頃には、そんなことを聞いたことはありませんでした。
アホだったから記憶に残らなかったのか?

疑問に思うのは
それら全部をバランス良くできなければいけないのか?
ということです。

もちろんそれでも良いでしょうし
そうしたければすれば良い。

でも、もっと絞り込んで先鋭化しても良い気がします。
というか、そういうやり方があっても良いのでは?

というのも
「4力をバランス良く…」
というのは、今やあまりに汎用的で
いくらバランス良くても
特に何かができるようには思えないからです。

色々な分野で潰しが利くのかもしれません…
いや、どうかな。

勉強ができても仕事ができるとは限らない
というか
勉強ができるイコール仕事ができる
じゃないからなぁ。

正直なところ
大学のテストをクリアできるレベルの学力を
バランス良く維持し続けているエンジニアは
ほとんどいないと言っても良いでしょう。

なので
もっと何かに特化しても良い気がします。

だって、社会に出れば
色んな分野の専門家がいて
相互に力を提供しあうのは当然だからです。

それに
仮に、もっと何かに特化したら
他の分野に対応できないのかというと
そうでもなかったりするのではないかと思います。

何かに特化して
自ら学べるようになっていれば
同じように必要な周辺知識は自分で獲得できるでしょう。

社会人はそうやって学ぶのですから。

自分が本当に専門としたいところを押さえたら
他は概念だけ分かっていれば良い
そんなやり方があっても良いと思うのです。

それよりもむしろ
実際に手を動かして
創出のプロセスの経験とか
チャレンジの経験とか
改善の経験とか

そういったことに絡めて色々学べば
定型的なもの以外にも経験知とか
それこと考え方、受け止め方
などなど
色んな事が手に入るのですけどね。

色々できないと心配だ
というなら
リソースを広く分散したやり方をすれば良い。

本当にやりたいことを仕事にしたいなら
本当に必要なことにリソースを集中できる環境があっても良いのでは?
と思うのです。

いかに失敗をするか / させるか

リスクを取ってチャレンジする
これは価値を生み出すためには大事。
というか、必須でしょう。

もし
ローリスクでハイリターン
なんてことを夢見ているいたりするなら
それ自体がギャンブルであり
ハイリスクです。

なぜって
消極的で待ちの姿勢になりやすく
トライの数は最小限になり
実践する時間を失いやすいから。
結果として、経験の数も増やせません。

これは大きなリスクです。
失った時間は決して戻ってこないから。

「やる方向」の失敗であれば
時間内の最適化は可能です。

やれば何かしらの結果が出るので
それを元に改善すれば良い。

でも
「やらない方向」の失敗は
決してリカバリーできません。

十分な結果が出ない状態では
どこまでやれば良いのか分からないまま。
時間は刻々と経っていき
待っているのは
「時間切れ」

なので
とにかくやってみること
そして
何かしらの結果を早く出すこと

そうすれば、どうしたら良いかが分かります。

なので
成長するために大事なのは
いかに失敗するか
とも言ってしまっても良いくらいです。

もちろん失敗するためにやる
なんてのは無理でしょう。

なので
ゴールに向かって突進して
失敗も収穫だ!
くらいに思えば良いでしょう。

実際、失敗は収穫ですから。
いずれ必ず役に立つのです。

ということは
私の仕事は「いかに失敗させるか」??
まぁ、そういうことになるのでしょうね。