1 Day佐多岬 出発

2019年の8月にやった宗谷岬の1Dayチャレンジは
住んでいる埼玉県から北海道最北端の宗谷岬まで
バイクで24時間以内に行けるのか
といったものでした。

青森の大間から函館へフェリーで渡り
搭乗待ちとフェリーに乗っている間で
合計2時間くらいは休むことができましたが
その時間も込みで
約22時間でミッションコンプリート。
食事や給油の時間もあったので
実質的な走行時間は19時間程度だったかと思います。

そして今回のチャレンジは
24時間以内に九州最南端の佐多岬に行けるのか?

実は今まで何度か帰路のフェリーの予約までするも
(帰りは自走ではなくフェリーで休ませてもらいます)
コロナ禍により実行を断念していました。

今回は、ワクチン接種も済んで
全国的に感染が収束してきているので決行です。

佐多岬ともなると走りっぱなしです。
奇しくも距離は宗谷岬と同じ1500km。
埼玉って、北海道最北端と九州最南端の中間なんですね!

今回は途中にフェリーは無いので
恐らく18~20時間くらいで着くと思っていますが
フェリーに乗るような長時間の休憩が無いので難易度は高いかも。

一応言っておきますが
こういうチャレンジの難しいところは
ミッションコンプリートするよりもむしろ
ヤバイときにやめる判断です。

この判断を誤ると
人生コンプリートしちゃいますから。

では出発!

想像と現実のズレ (副題:フラフラとゲロゲロの話)

あなたは自動車酔いをしやすいタイプですか?
私は子供の頃、自動車酔いに悩まされました。
なのに後に自動車の開発を仕事にするなんて
今考えてみるとおかしいですね。
クルマの好き嫌いと
酔う酔わないは別だったのでしょうね。
もっとも、自分で運転するようになってからは
酔うことはなくなりました。

さて、なぜ自動車酔いをするのか
探せば色々な専門的な説明が出てくるとは思いますが
前職で仕事をする中で気付いたことを書いてみますね。

ある時、ドライビングシミュレーターを開発していて
気付いたことがあります。

この時のシミュレーターは
映像を投影する大きなスクリーンと
ドライバーにGを感じさせるために動作する
コックピットで構成されていました。

ドライバーが運転操作を入力すると
コンピューターで演算された結果が
スクリーンの映像と
ドライバーへの物理的なフィードバック
(操縦系統への反力やコックピットの動作)となって現れます。

しかし、コンピューターの演算能力や装置の動作の遅れが原因で
ドライバーからの入力に対する反応の遅れや
スクリーンの映像と動作のズレが生じます。
これがごく微少な時間でも
ドライバーは違和感を感じて
「酔い」が発生することが分かりました。
というか、自ら実際に経験しました。

利用者は、視覚から得る情報から
「次はこうなるだろうな」と想像しながら運転するのですが
この想像と実際(体感)にズレが生じると酔いやすいのです。

シミュレーターではなく
実際のクルマで起きる現象も興味深いですよ。
ちょっと一例を挙げてみましょう。

普通に自動車を運転している時
特に直進時に、自分がどのようにハンドル操作をしているか知っていますか?

運転初心者であれば、ほとんどの操作が意識的なので覚えているかもしれませんが
経験者の場合は反射的に、無意識にしている動作ですので
「知っているか」と言われても覚えていない可能性が大きいです。

多くの人は
恐らく無意識のうちにハンドルに微少な動作を入力しています。
例えば、ごく小さな路面の凹凸や
うねりを感じたりした時に
反射的に微少な修正舵を当てていたりします。

それがクルマの動きを修正するために
本当に必要な操作の量と速度であれば
乱れた動きは修正されますが
そうでないことも多い。

その結果、クルマの動きに現れてくるのは
フラフラする動き
「振動」です。

面白いのは
修正と思ってやった入力が
本当に必要な操作とは限らず
安定を乱していることがあるってことです。

こういうのを
PIO (Pilot Induced Oscillation:パイロット誘導振動)
と言います。

そもそもは飛行機の用語で
パイロットの入力に対して
機体の反応が遅れることによって
パイロット自らが引き起こす振動
という意味です。

MIO (Monkey Induced Oscillation:サルでも起こせる振動)
というのもありますが
これは、またの機会にお話ししましょう。

こんな例があります。

直進走行中に、ちょっとした路面の凹凸を感じて
反射的に修正舵の入力をした。

ただ、この入力は
本当に必要な量とスピードではなく
そもそも必要でもなかったかもしれない。

いずれにせよ
その操作はクルマの動きに現れます。

「フラッ」とします。

もちろん、ドライバーはこの動きに反応します。
「フラッ」と した動きに対する修正舵を入力します。

この修正舵も
入力量とスピードが適切でなかったとしたら
今後は逆側に「フラッ」と します。

もちろんドライバーは
この動きに対しても修正舵を入力…

それによって
クルマはフラフラした動きを続けます。
もちろん、修正入力と車体の動きが小さい場合は
微少にフラフラするってことになります。

ドライバー本人は
そんな入力をしていることも
クルマがフラフラしていることも
あまり意識していないことが多かったりします。

もちろん同乗者は
その意味の無い動きに違和感を感じることがあるでしょう。
シミュレーターの時と同様に
「予想」に対する「実際」のズレが違和感の正体です。
意識はしていなくても
体は違和感を感じていたりしていて
それが原因で酔ってしまうケースは多いと思います。

このフラフラは
ハンドル操作による横方向の動きですが
アクセルとブレーキによる前後方向の動きでも
似たようなことが起きます。

予測しにくいハンドル操作に
予測しにくい加速や減速が加わると
これはなかなかのものですよ。

予測しにくいものに対して
人は違和感を感じる

こういうのってクルマだけではなく
何か他のことにも通じていそうで面白いですね。

もう一つ。

この話を知ってしまったあなたは
誰かの助手席に乗ると
「フラフラ」したハンドル操作が気になるはずです。
そこから何かを発見するかもしれません。
楽しみですね。

「君ならできる!」

と言われたらどう思う?

「え~無理だよ」
と思いますか。
うん。きっと無理です。

「そうか!じゃぁ、やってみよう!」
と思いますか。
そうですね。きっとできるでしょうね。

「お前なんかダメだ!」
と言われたらどうですか?

「…そんな言い方しなくても…」
と、ガッカリしますか?
残念ながらダメかもしれません。

「何言ってやがる!ダメなわけないだろ!」
と燃えますか?
そうですね。ダメなわけないです。

ちなみに
そういう状態で燃え上がるのを
昔の人は
「発憤する」
と言いましたが、今や私語ですね。
大事なキーワードが死語になるのは残念ですね。

100年以上も前の人ですが
イギリスの作家、ジェームズ・アレンはこんなことを言いました。

「強く思うことは実現する」

「何でだ?」
と興味を持ったら試してみて下さい。

世の中には色んな名言がありますね。
そのほとんどは
経験から導き出されたもので
後世に役立てて欲しいから
と残されたものです。

君のために。

名言を信じて
その通りにやるとかやらないとか
人によって色々でしょうけど
「お!マジか!?」
と思ったら
まずは試してみたら良いと思います。
そこから学べることは多いはず。

自分で試して
自分のオリジナルの理屈ができたら面白いでしょうね。

でも、往々にして
自分のオリジナルかと思っていたら
昔々に同じことを言っている人がすでにいたりして
そんなのに気付くのもまた一興。

そうそう
「信じてやってみたらダメだった
あれは嘘だ」
なんて講釈をたれても
面白いことは起きませんし
言っている本人の価値は向上しませんので
そんなことを言っている暇があったら何かやりましょう。

名言の多くは
先人達が苦労の上に導き出した素敵なソリューションな訳ですが
もっと素敵なのは
それを素直に信じて行動する者自身だったりする
と思っています。

みんな頑張ろう!