「できるようになったらやる」って変だよね

ゼロかイチか
もしくは
ゼロかヒャクか
どちらも一緒ですが
ゼロか完璧か
みたいな極端な考え方
ありますよね。

若い頃は多くの人がそういう考え方をする傾向なのかな?

自身はどうだったかと言われれば
そうだった気もします。
いや
きっとそうだったな。

子供って
生物としては弱いのでしょうから
そういう思考によって少しでも生き残るチャンスを得ている
ということなのかもしれませんね。

そうやってリスクを回避するという。

今回何をお話ししたいかというと
新しいことにチャレンジする時の考え方についてです。

凄く奇妙なんですが
意外と多い気がします

「できるようになったらやる」
みたいな考え方

「今は完璧にできないからやらないんだ」
みたいな考え方です。

そんなふうに口には出さないかもしれませんが。

こういうのって
やらない言い訳に使われることが多い気がしますね。
気が進まないことに対してはありがちかも(笑)

そもそも理屈としておかしいですよね
「できるようになったらやる」
って。

最初はうまくいかないかもしれないけど
やるから
できるようになるんでしょう?

やらずに
何かを待っていたり
考えていても
経験を積むことによってできるようになることは
いつになってもできるわけないですもんね。

世の中には
こういうやり方したらきっと良くなる
とか
こういう考え方をしたらきっと良くなる
ってこと
ありますよね。

まぁ物事って多面性がありますから
一概にそうも言い切れないことも多いとは思いますが
理想ってのはあるわけで。

いえね
何でこんなこと言ってるかというと
コンペティションでチャレンジすべき立場にいる学生達も
ついついそういう思考・行動をしちゃうことがあるんですよ
ってことなんです。

好きなら
とにかくやってみて
ダメでも失敗しても
何度でも挑戦すればいいのにね。

それまで生きてきた環境とか
色々事情はあるんでしょう。

無意識にそういうやり方が発動しちゃうんです。
本人だって理屈では分かってると思うんですよ。
壁にぶつかりながら
ダメでもチャレンジする必要があるんだって。

でもたぶん
過去にあったんでしょうね
チャレンジして結果が出なかったり
失敗したりすると
怒られたり
バカにされたり

もしくはそもそも
失敗しそうだとチャレンジさせてもらえなかったり


理屈は分かっているけど
気持ちの部分がそれを許さないので
そういうリスクを回避する癖が付いているだけ
なんだと思います。
別に同情はしませんけどね。

リスクを取っても欲しいものを手に入れるか
欲しいものを諦めてリスクを回避するか
という二択で
リスク回避を選択してきただけだから。
深層心理による自動的な選択でしょう。

でも本人がその状況をなんとかしたいと望むのなら
背中を押して
困難にもめげず
チャレンジし続ける
変態の馬鹿野郎に変身する手助けをしたいな
と思っております。

トップエンドでいこう

コロナウイルスが再び猛威を振るい出しました。
皆さんお気を付けください。

でも
くれぐれも心配しすぎて
ネガティブな心にとらわれないでくださいね。

かといって
コロナなんて恐れる必要ないから
普段通りガンガンいけ!
なんて言うつもりはありません。
ちゃんと感染予防はしましょうね。

さてさて
今回は
どのように未来に向かっていくか
というお話をしましょう。

教員やって20年くらいになりますので
学生を見て
「あぁ、こいつはうまくいくな」
という勘はずいぶん磨かれてきました。

学生を見ていて
彼らから学ぶことって
凄くいっぱいあります。
教員は教えるのが仕事ですが
実は
学生から多くのことを教えてもらっている
と思ってます。

ほんの一例ですが
一人の学生の例をお話しましょう。

ずいぶん前に
私の研究室から巣立っていった男の話です。
そいつは今、MotoGPマシンの設計者です。
どこのチームに所属しているとか
具体的に何をやっているとか
すべて機密事項なので
そういったことは一切記しませんが。

当大学では
4年生から研究室に所属するのですが
そいつは3年生の春に私のところに相談に来ました。

「雑誌主催の最高速を競うイベントに出たいんです。
速いバイクを作るにはどうしたらいいですか?」
というのがそのときの彼の質問。

確か125ccくらいの小排気量のバイクを改造したい
という話だったと思います。

まぁ相手が3年生で
ボチボチ就職とかも考えた方が良さそうな時期ですから
聞いてみました。

「そんな小さいバイクの改造くらいでいいの?
本当は何やりたいの?
どれくらい速いバイク作ってみたいの?」

今にして思えば
正しい教員の返答は
「そんなこと言ってないで勉強しろ」
とか
「就職のこと考えろ」
とかなんでしょうけど。
残念ながら私はそういう思考回路を持っていません。

彼は
「本当は世界一速いバイクを作りたい」
と言いました。

正しい教員の答えは
「そんなのできるはずないだろ」
とか
「そんなこと言ってないで勉強しろ」
とか
「就職のこと考えろ」
なのかもしれませんが
残念ながら私はそういう思考回路を持っていません。
本当に残念なことです。

正しい答えを言えない私は
「ふーん。じゃ、世界一速いマシンを見に行く必要があるね」
と言って
アメリカのユタ州にある
ボンネビル・ソルトフラッツという広大な乾塩湖で開催される
最高速競技を見に行けと言ってしまいました。
映画なんかでも有名ですね。
私も一度見に行きました。
凄いイベントです。

そのとき彼には
本気で行く気があるなら
どうやって現地に行ったら良いかなど
具体的なアドバイスをする
と言う話をして分かれました。

私が行ったのは2009年です

そしたら後日来ましたよ。
なので
どんな飛行機に乗って
どこに行けば良いかとか
具体的な話になりました。

その流れで
「ところで英語は大丈夫なんかね?」
と聞いてみたら
「全然ダメっす」

「お金はどうすんの?
イベント中の近所の宿は3倍レートになってるから高いよ」
と言ったら
「金は全然無いのでこれからバイトして貯めます」

そりゃもう当然
「お前、そんなんで大丈夫かよ。
行くだけ行っても
宿に泊まれないんじゃ野宿?
金なかったら飯も食えないじゃん。
そもそも英語全然ダメってどうすんだよ」
と言う話になりますよね。
そしたらヤツは熱く語りました。

「先生、そんなこと心配しても何の解決にもならないんですよ。
風呂入れなくて臭くなっちゃうとか
メシ食えなかったらどうしようとか
そんなこと死ぬほど悩んでも何も解決しないんです。

問題は、どうしたらトップチームのリーダーに
俺を必要としてもらえるかなんです。
それができたら、そもそもそんなレベルの低い心配しなくていいんですよ」

なんと
こいつは最速チームのリーダーに面倒を見てもらうつもりなのでした。

アメリカにはジェット戦闘機の翼を外したようなマシンで
音速を狙ってるチームがあります。
そのマシンはボンネビルのイベントを走るわけではないのですが
マシンのオーナーが持っているチームは参加するので
そのチームに入れてもらうと。

こりゃ参りました。

何が参ったかって
大層大胆なことを考えているのは
参っちゃうっちゃぁ参っちゃうのですが

最上位の
トップエンドのゴールを設定したら
そもそも
最悪の
ボトムエンドの心配なんかしなくていいのだ
という理論ですよ。

これは凄いですよ。
まさにその通り!

そいつはその後どうしたか

高所恐怖症なのに一人飛行機に乗って渡米し

ホームレスのたむろするストリートを抜けて
キャンプ場にたどり着き
(ソルトレイクシティの空港は、徒歩で出られない構造なので
途中でおまわりさんに捕まったりしながら)

金がないので友達になったドイツ人のキャンパー一家に飯を食わせてもらい
(ご主人はF1マシンのメカニックだったそうな)

SNSで連絡を取ったトップチームのオーナーご本人に車で迎えに来てもらい
チームに入れてもらって
1週間チームクルーとして働きました。

最初は
言葉もできない外国人なので
全く信用されずに
荷物運びだったそうです。

でも最後には
マシン停止用のパラシュートを畳む
という役割をもらったそうです。
(パラシュートを畳むということは
ドライバーの命を預かるということなので
かなり重要な役割)

私が行ったときの写真なので、この話に出てくるマシンではありませんが
こんな風に後端の円筒形の部分にパラシュートが入っています

それで終わりかと思いきや

その後に開催された
バイク専門の最高速イベントにも
チームを紹介してもらってクルーとして参加

結局
1ヶ月半ほどアメリカにいました。
キャンプしたり
チームクルーのアパートに泊まったりして。

彼は高校生の時はラグビーしかしていなかったので
脳ミソが筋肉でできているような男でしたが
その後は私の研究室で
複雑なバイクの運動解析なんかをやってました。

結局、卒業前に
色々な意味で
世界一速いバイクを作るにはどうしたら良いか
という答えを手に入れたというお話です。

そんなの誰でもできることじゃないだろって?

いやいや、それ決めるの自分でしょ。

おまけ

スタート地点
右端のお方は、私のお師匠様 1960年代のホンダF1マシンの設計者 佐野彰一先生
ヤマハのRZ(現地ではRDですね)も走る
ホンダのZ? ライフ? オーナーは「解体屋で拾ってきた」と言ってました

雨のレースから学ぶ その2 表層心理と深層心理

雨のレースから学ぶ
意識のお話をさせてもらいました。
こういう話を偉そうにさせてもらってますけど
もちろん私は専門家でありません。
ネタ元は専門家から伺って
自分の経験したことと合致させて
納得いく形に整理した内容です。

というわけで
今回もざっくりといきます。
具体的なレースネタからは離れていきますが
レースでは
考えなくても速く走るための行動
を取れるようになることが重要なので
今回のネタは
あながちレースから離れていくとも限りません。

我々の心は
表層心理と深層心理
の二層構造になっています。

我々が頭で考えている(意識している)のが
表層心理

意識していないのが
深層心理
考えずにクセでやっちゃうのはこちら。
「雨のレースから学ぶ」で書いた「無意識」です。
これを自由自在にコントロールできるといいよね
という話でした。

クセのように
意識せずに
ついついやってしまう行動
もしくは判断
これを習慣とも言いますね。

深層心理によるクセってやつは意外とやっかいです。
深層心理は
良いとか悪いとかを判別できない
人称を判別できない
という特徴があるのです。


ターゲットに対して
グイグイ向かっていきます。

どういうことが起きるかというと

何か心配なことがあって
それをとても気にしていたとします。
すると
気にしている対象に向かって
グイグイ進んでいってしまうのです。

本人は
そんなこと起きて欲しくない
と思っていても
深層心理は
起きて欲しいとか欲しくないとか
そんなことはお構いなし
この起きて欲しくないこと
強い印象自体に向かっていきます。

心配性の人って
結構トラブルに遭遇しますよね。
深層心理の作用で
本人が望んでいなくても
自動的にトラブルの方に向かう
選択とか行動を取ってしまうから
だそうです。

これは
人の悪口とか否定的な意見ばかりを言っている人
も同じです。

これ、何かに似てるな
と思ったら
見ている方に行く
バイクの特徴と一緒なんですねー。
行きたくなくても
見ている方に行っちゃう
クルマじゃそういうこと無いですけどね。
こういうところも
バイクが好きな理由かもしれません。

さて
深層心理を思ったようになるように
修正することができれば
自動的に成功に向かって
行動できるようになるじゃないですか!
なんと素晴らしいのでしょう!

やり方はそんなに難しくありません。
今のクセを新しいクセに
置き換えてしまう
つまり
上書きしてしまえばいいのです。

行きたくない方向ではなく
行きたい方向を見るように
習慣を上書きするには
まずは意識的に
行きたい方を見る
つまり
理想を考えて
理想的な行動を取る
そして
それを繰り返す。

それだけ?

それだけです。
繰り返せば習慣になるでしょう?
ほら、新しいクセのできあがり!

この件については
マザー・テレサの言葉も参考になりますね。
習慣を形作るのは
言葉
それを形作るのは
思考

なので
考えたらそれを口にする
というのも効果的です。

人は口にしたことを自動実行する
とも言われていますのでね。

なので
理想があれば
自信が無くても
言っちゃったほうが良いんですよ。

色々言ってきましたが
「言うが易し」ってヤツで
「お前できてんのか?」
と言われると
「すんません。苦戦してます」
って感じなんですけどね。

どうせこういうのって
完璧にできることなんて無いんですから
ちょっとずつできるようになって
それを楽しんでいけば良いんですよ。

皆さん頑張りましょう!