快適さは成長を妨げる その1

技術の進歩によって
良いものが手に入って
負荷が減り
容易に高度なことができる環境が手に入る。

テクノロジーの進歩とはそういうもの。

より便利に
より快適に
より安全に
そんな世界を実現するために
エンジニアは日々努力しています。

そうやって作られた
安全で快適で
不満のない環境だと
全力を投入して
良い成果が出せるだろうか?

確かに様々なノイズが無い環境の方が集中できたりするし
様々なリソースは、あるに越したことはないでしょう。

ところが!

満たされた環境だと
それ以上、進歩・発展させる
動機が無いのですよ。

なんというジレンマ。

もっとも、それは全員ではありません。
人間は欲深いですから。

なので
動機が無くなる可能性がある
と言った方が良いかもしれません。

大多数は進歩・発展の恩恵を受けて満足し
動機を失う。

しかし
どこまでも行こうとする人はいるでしょう。

分かりやすい例が
クルマやパソコンです。

日本人がクルマを利用し始めてからしばらくは
多くの利用者が、自らが簡単な点検・整備程度はできました。

パソコンも同様です。
多くの人が持つようになってしばらくは
多くのユーザーが初歩的な設定やメンテナンスができました。
自作PCのユーザーも結構いました。

しかし
技術が進歩して

クルマの信頼性や快適性が向上した現在は
タイヤ交換やスノーチェーンの装着ができない人は多いでしょう。
エンジンオイルや冷却水のチェックなど
基本的なメンテナンスができる人は少ないでしょう。
というか、そんものを頻繁にやる必要すら無い。

今や手のひらに載るスマホが
普及し始めた頃のパソコンの性能を遙かに凌駕していますが
プログラムの構成や動作に関して分かっている人はほとんどいないでしょう。
変なタイミングで電源を切ったり、プログラムをインストールしたらトラブルを起こす
なんてことはありません。

簡単に扱えて、高い信頼性を持つように
進化してきた結果、そうなったわけです。

その環境にいる多くのユーザーは
難しい操作や、面倒な整備などが
できる必要はありません。

あなたは、簡単・便利な環境になったら
よりレベルの高いことに挑戦しますか?

違いをつくるのは常に少数派

夢工房の学生達、卒業生達は
違いを生み出すエンジニアになって欲しい。

一見個性的な量産品を購入するのとは訳が違う。
自分達で価値をつくる側なのだから。

ヨソと同じことをやっていたら
それは「価値」にはならない。

ヨソと違うものをつくるには
ヨソと違う考え方が必要で…

しかし我々は幼少の頃から
「なんで皆と同じことしないの!?」
と言われて育ってきていたりするわけで
これはなかなか難しい。

そして当然
違いを生むと
結果として少数派になる。

孤独であるが
孤立は避けたい

それは本能的なものなのだろうし
孤立すると継続できなくなるのだから
そんな気持ちが邪魔をするのは当然かもしれない。

チームじゃないとできないことをやっているのだから
孤独を恐れず
むやみに孤立せず
強いチームを作る必要がある。
もちろん理解者・協力者も必要。
となれば、コミュニケーションが重要。

なんか矛盾しているようだけど
その辺のバランスが大事なのだと思います。

でも、そういうのは授業じゃ手に入らないのですよね。

変化の兆し…なのか?

今日はオープンキャンパスでした。

夢工房には多くの高校生が来てくれて
彼らの様子を見たり話をしたりできました。

で、感じたのは
世代による変化でしょうけど

未来に対する捉え方とか
価値観とかが
何となく変わりつつあるのかな?
ということです。

まだ、ちょっぴりですけどね。

さらに言うなら
全体が変化しているというより
「二極化してきている」
ということです。

  • 周囲に迎合せずに自身の価値観を構築しようとしている
  • ゴールを定められずに(心が)漂流状態にある

という「二極」です。

一方は、より尖って
一方は、より普通に
といった感じでしょうか。

ただし、この
「ゴールを定められずに…」
がダメなのかというと
決してそんなことはありません。

自らのゴールを定めず
周囲の言うことに従う

一般的にそれは
模範的な良い子ですから。

恐らく多くの教員は好印象を持つのではないかな。
「扱いやすい良い子だ」と。

ただし、恐らくその評価は
社会に出ると一変します。

自らのゴールを定められず
周囲から言われないとできない
と。

若いうちは色々な刺激を受けて変化するものなので
何がきっかけになって
どう変化するかなんて分からないのですけどね。

とはいえ
考え方や価値観を変えるってのは難しいことです。

一方の尖った価値観を持ちつつある人達が
多数派になることは無いでしょう。

しかし、彼らが一歩踏み込むと
世の中は面白い方向に変わりそうな気がします。