ETCに思う

ETCとはElectronic Toll Collection System、高速道路の電子料金収受システムのことです。

日本の高速道路、料金高いですね。

特にバイクは高いと感じます。軽自動車と一緒でしたっけ?
何でタイヤも定員も半分なのに料金同じなのでしょうね。
重量が軽いので、設備に対する攻撃性だって大幅に低いはずなのですけどね。

しかも、料金を払うための機械を買って装着する必要がある。これ、バイク屋さんにお願いして取り付けやセットアップをしてもらう必要があって、3万円以上必要になります。
今やそんなことは当たり前でしょうけど、なんか解せないのです。

と、ここまで言っておいて何ですが、理由は分かってます。
バイクは危ないから、高速使って欲しくないのでしょう。

さて、高速道路の料金徴収システムのお話です。
台湾に行くたびに思います。
これ、賢いなーって。

分かりますか?ヘッドライトに貼られた細長いシール。
これを道路側の機械が読み込んで料金徴収が行われるのです。
しかも、無料で配付されるんですって。
で、日本のように料金所も無ければ減速する必要もありません。
賢いですねー。

ちなみに、台湾ではバイクで高速道路を走れません。
何と残念な!
台湾の高速道路、個人的には好きなんですよ。
何か雰囲気が良いんですよね。
あそこをバイクで走れたら気持ちいいんだろうなぁ。

まぁ、日本方式も台湾方式も、それぞれ長所短所があるのでしょうけど、お金を払うための機械を数万円払って買うってのはどうなんですかねぇ。

先進国で高速道路料金を取る所なんてそうそう経験が無いので、どうにかならんものかなぁ、なんて思うんですけどね。
まぁ、日本には日本の事情があるわけでしょうけど。

オーストラリアの高速道路には有料区間があります。都市部の一部だけでそれ以外は全て無料です。
もちろん、私が縦断に使ったスチュアートハイウェイは全区間無料です。

有料区間を利用するには…というより、料金の支払い方法はいくつかあって、一つはe-TAGという小さな装置を手に入れて、これをフロントガラスの上部の内側などに貼り付けておきます。料金は前もってチャージできるようですね。日本の機械みたいに何万円もしません。保証金に40ドルくらい必要なのではなかったかな。
で、有料区間のゲートを通過すると、ピー!と音が鳴って料金徴収を確認できます。

e-TAG無しで利用する場合は、利用後にWebサイトで支払いができるそうです。
私が以前レンタカーを利用した際に取った方法は、レンタカー返却後に、自動販売機みたいな機械にクルマのナンバーを入力してクレジットカードで払うというものでした。その時のレンタカーにe-TAGが付いていませんでしたので。
今は、レンタカー利用後に自動的にクレジットカードに請求が行くようになっているようですね。

ちなみに、ドイツのアウトバーンは無料です。
以前走ったのは2008年だったかな?
どこでも速度無制限ってわけではなく結構速度が制限されている区間があって、さらに推奨速度ってのもあって、130km/hくらいで走ってましたけど。

アメリカではハイウェイは無料です。有料の高速道路はあるのかな?
トンネルとか橋とかは有料区間がありますね。
これはイギリスも一緒です。

おまけ
台湾で乗せてもらったテスラのガルウイングのヤツ。賢いクルマでした。
オーナーのBenは実業家なので彼にはピッタリですが、私のような平民にはマッチしないな、と思いました。

もっと分かりやすい写真撮っておけば良かったですね。
ボケボケですみません。

オーストラリアのEV事情

というほど多くを見ているわけではありませんが、今回のツーリングルートで、ざっくり見たレベルでの話です。
忘れちゃう前に記事にしないとね。

メルボルンではテスラを見ました。でも、決して多いとは感じませんでした。
やはりEVと言えばテスラが代表格なのですね。
あとは、中国製のデッカイEVのSUVを1台だけ見ました。
そもそも充電設備を見かけませんでした。

アデレードとダーウィンではEVを見た記憶がありません。
充電設備は言わずもがな。

もちろん、内陸部ではEVは皆無です。
そりゃ充電設備が全くありませんから。

テスラは右ハンドル車の生産をやめてしまったそうなので、オーストラリアでテスラを見ることはますます無くなっていくと思います。
果たしてそこに他のEVが入り込んできて、普及するかどうか…。
個人的にはかなり懐疑的です。
あの大きな国では充電インフラの整備は困難でしょうし。

加えてお国柄というか国民性の問題もあるのではないかな。
これは個人的な見解というか、勘なのですが…

オーストラリアの人は英国からの移民が多いわけですが、彼らは結構経済観念がしっかりしている気がします。
EVの車両価格の半分は電池代なわけですが、使っているといずれはゴミになってしまう。そういうのを受け入れられないのではないかなと思っています。
オーストラリアの人は、結構長い期間クルマを所有する人が多いようですので、10年かそこらで新車価格の半分の費用を払って電池交換するなんてのは受け入れられないでしょう。

あと、ライフスタイルも大いに関係しているでしょう。
何せ、かの国で一番売れているクルマはトヨタのハイラックスです。
ディーゼルターボの四駆で、キャンピングトレーラーをグイグイ引っ張れるヤツが人気なのです。
他にも良く見るのは、同社製のランドクルーザー。
中古車屋さんでも、一番目立つところにに置いてあるクルマのウインドウには「Turbo Dieselだぜ!」とデッカく表示してあったりします。

見かけるクルマの多くは、トレーラーを引っ張るための牽引装置(Tow Bar)が装着されていることが多いです。非常に多い。
これはピックアップトラックだろうが、SUVだろうが、普通のセダンだろうが同様です。
そのクルマを普段使っていて、週末はトレーラーを牽いてキャンプとか、そういうライフスタイルなのでしょうね。
あと、ペトロールステーションでは、荷物を運ぶためのトレーラーがレンタルできたりしますので、普段使いのセダンで、ちょっと大物の荷物を運ぶのも簡単です。

次回オーストラリアに行って、現地人とゆっくり話す機会があったら詳しい事情を聞いてみることにします。

新しい技術は奇妙だったりする 2

WIKIPEDIA “F-117”

奇妙でカッコイイので冒頭に持ってきてみました。

前回はバイ・ワイヤ技術のお話をしましたが、その続きです。

この技術の利用で分かりやすいのは
クルマのアクセルですかね。

従来のやり方は
ドライバーがアクセルペダルを踏むと
コントロールワイヤー(この場合は電線ではなく、細い針金を束ねて撚ったものです)が引かれて
エンジンの吸入空気量を調整するスロットルバルブを開いて
エンジンが発生する力が増大して
結果として速度が増します。

つまり、ドライバーは
アクセルペダルを踏むことによって
エンジンが発生する力を調整して
クルマの走行速度を
「これくらいでいいかな?」
と調整しているのです。

もちろんこのやり方だと
「あ、ちょっと足りなかったな」
とアクセルペダルを踏み増すことや
「あ、踏み過ぎちゃった」
とアクセルペダルを戻すことがあって
ドライバーはそういうことを繰り返しながら
スピードメーターに現れた結果を見ながら調整しているのです。

この方式で、超絶に凶暴なエンジンを搭載している場合
アクセルペダルをちょとだけ踏んでも
凄い勢いで加速してしまって速度調整が難しくなります。

でも、バイ・ワイヤ技術を使って
アクセルペダルには開度のセンサーを組み込んで
エンジン側はスロットルバルブをモーターで開閉するようにして
それらの関係をコンピューターで制御すれば
ドライバーがどんなに急激にアクセルペダルを踏み込んでも
エンジンの出力は、ゆーっくり変化するようにできて
まるで非力な軽自動車のように走らせることも可能です。

こんな風に、アクセルの制御に使うバイ・ワイヤ技術を
スロットル・バイ・ワイヤ
といいます。

もちろん技術的にはアクセルだけでなく
ハンドルやブレーキなどにも適用は可能で
その場合は
ステア・バイ・ワイヤ
ブレーキ・バイ・ワイヤ
といいます。

そんな風にバイ・ワイヤ技術を使って自動車を制御するのを
ドライブ・バイ・ワイヤ
といいます。

飛行機の場合は
フライ・バイ・ワイヤ
です。

さて、このバイ・ワイヤ技術ですが
単にコンピューターを介在させて
各種調整の特製を変えられるだけではありません。
操縦の概念を根本から変えることができるのです。

上で例に挙げたアクセル操作などは分かりやすい例ですが
旧来のシステムにおいて
ドライバーが調整するのは走行速度ではありません。
エンジンが発生する力とか回転数です。
その変化によって、速度を変化させています。

分かりにくいですか?

ドライバーは、直接速度をコントロールしているわけでなく
「40キロで走りたいなー。じゃぁ、このくらい踏んだら、こんな風になるだろうな」
「あ、踏みすぎた。ちょっと戻そう」
みたいなことをやっているのです。

アクセルペダルの開度を入力(手段)として
エンジンの力を調節して
欲しい速度(目的)になるように制御しているわけで
直接速度を制御しているわけではありません。

目的を直接制御しているわけでは無いということです。

分かりにくいですね。
でも、そういうことをやっているのです。

現状のスロットル・バイ・ワイヤのクルマは
機構をコンピューター制御に置き換えただけなので
運転の方法自体は昔ながらの方法と変わりませんが
実はこんなことも可能です。

ドライバーが走行速度と加速の特性をセットしておいて
ボタンを押すと
決められた加速度で加速して
設定された速度に到達したら
その速度で巡航する。

こんなのはやり過ぎでしょうけど
説明としては分かりやすいかと思います。

この場合は、ドライバーが望む速度を直接的にコントロールできます。
目的の直接制御です。

さて、飛行機に話を戻しましょう。
制御の話はこの方が分かりやすいから。

我が国の航空自衛隊が使用しているF-2という戦闘機がありますが
これにはフライ・バイ・ワイヤが採用されています。

この飛行機、操縦桿は機械的に接続されてガチャガチャ動くものではなく
パイロットの入力をセンシングする電子的なコントローラーです。

一定速度で飛行中に操縦桿から手を離す
つまり操縦桿に何も入力しなければどうなるか?

これはコンピューターに「このまま飛べ」という命令をしたことになります。
この場合「コックピットの床方向に1Gの重力がかかったままにしろ」
という結果を指示したということになって
上昇も下降もせず
ロール(横方向への回転)もしません。
飛行機は、そうなるようにジタバタ補助翼を動かしたりして頑張ります。

フライ・バイ・ワイヤ制御はそういうものなのです。

で、冒頭のF-117も似たようなことをしているはずで
あんな変な形をしていても
コンピューターが頑張って飛べるようにしているのです。

ただ、ステルス最優先のために変な形になっちゃっているので
燃費は最悪で速度も出ないと思いますが。

ここまで話しておいて何ですが
最も違和感があるというか、奇妙に感じるのは
このF-117が初飛行したのが1981年なわけで
今から40年以上も前だということです。

なんか目眩がする思いです。時空が捻れてるんじゃないか、と。
「ステルス」や「バイ・ワイヤ」なんて言葉を聞くようになったのって、それほど昔じゃ無い気がするのですが…。

1981年の出来事をネットやYouTubeで調べてから、冒頭のF-117の画像を見て下さい。
「これ作ったの宇宙人だろ」
って思いますよ。

日本では、近藤真彦が「ギンギラギンにさりげなく」なんて歌って、日本経済がバブルでギンギラギンだった頃に、すでにレーダーに映らないフライ・バイ・ワイヤの飛行機が飛んでいたなんて…

そんな歌知らないって?
まぁそうでしょうね。