下がったときに試される

何かものごとに取り組むときに、面白かったり困難に遭遇したり、色々あります。大抵は。
面白いことばかりで、困難なんて一切無いことなんて、そもそも大して面白くもならないものです。
何より自分が磨かれないので成長しませんし。
結局、やり甲斐は生まれません。

面白い時なんてのは、うまくいっちゃってるので別に問題にはなりません。
大事なのは、うまくいかないときの過ごし方にあるのでしょうね。
何をやってもダメだ、みたいな時はあるもんですが、それでも逃げずに続けていれば、大抵はなんとかなるもんです。継続は力なりってヤツですね。

昨夜のお誕生日会では、卒業生達とそんな話もしていました。
彼ら、夢工房では夢を追いかけながらも、かなりタフな日々を過ごしていたわけですが、逃げずに踏みとどまっていたからこそ、今は面白い仕事ができている、というような話題が結構出てきていました。

同時に話題に上がったのは、最近は何かキツいことがあると、すぐに「ハラスメントだ」とかそんなことになっちゃうようで、普通にやってたらタフな状況を乗り越えて成長するなんて機会はかなり減ってるようですね。
面白い仕事なんて、大抵は何かしらのキツさとセットになってるもので、だからこそやり切ったときの満足感とか充実感があるのだし。

キツいこととか難しい状況とか、そういうのに遭遇すると「自分には向いていない」とか、何か他のもののせいにしちゃうなんてのは、昨今に限らず良くある話なのですが、そこでの考え方とか選択が自分の未来を決定的にしているのだなぁ、そういうのも才能ななんだよなぁ、なんて思って彼らの話を聞いていました。

ところで、ウチの卒業生達は、機密度の高い研究開発なんかをやって連中が多いもので、仕事の具体的な内容や細部は一切聞けませんし、私もそういうのは聞かないってのが癖になっています。

彼らの話を聞くときに大事なのは、関わっている細部ではなく、どういう気持ちで仕事に向き合っているのか、というところです。
彼らの表情を見たり話を聞いていたりすると、エンジニアって良い仕事だよなぁ、なんて思うのです。

で、彼らの羨ましいところは、自分の現状を一通り話したところで、「佐野先生の頃はどうだったんですか?」なんて聞けるところです。
量産開発はもちろん、運動性能や安全技術、果てはF1マシンの開発まで経験した、世界的に有名な方に、そんな風に気軽に話を聞けるなんて…ねぇ。

お誕生日会@銀座

今日は銀座で、お師匠さまの佐野先生のお誕生日会でした。
本当は10月だったのですが、諸事情により今日でした。
私も誕生日が同月なので、ついでに祝ってもらいました。
以前は毎年実施していたのですが、コロナ禍により3年ぶりの開催です。

その前に、あちこちブラブラしてましたが。

超絶技工展なんてのに行ってみたりして…

月下美人の花は、鹿の角と木からの削り出しだったり、スルメも一本の木からの削り出しだったり、工具は漆器だったりします。実に超絶でした。

銀ブラなんてのは、私の世代でも死語ですが…

で、お誕生日会です。

私の自動車工学研究室は、佐野先生時代から引き継いだものなので、若い衆も集まりました。

佐野先生、お元気そうで何よりです。

そうそう!
佐野先生、日本の自動車殿堂入りをされたのです。
正式な祝賀パーティーは改めて実施する予定ですが、そのお祝いもできて良かったです。

卒業生達は、揃って驚くような立派な仕事をしていて大変ハッピー。
お陰様で、大変良い夜を過ごせました。

再起動のカギ その3

さて、ではアウトプットをどうすれば良いかというお話しです。
内容は一般論のつもりで書きますが、かなり夢工房寄りかもしれません。

問題は2つあると思っています。

1つめは「面倒だから」アウトプットしたくない。
これまで長い期間、授業と言えば画面を見ているだけで良かった環境から、自分から発信しなければ何も起きない環境に移行したのだけど、今までの習慣が抜けないってのはあるでしょう。

2つめは、価値観の問題です。
ここで言うアウトプットは、発言するとか何かを作るとか、そういったもの全般を指しています。
で、ビギナーがチャレンジしている環境でのアウトプットなんて、大抵はうまくいかないものです。知識も経験も不十分なのだから当然です。
当人もそれはよく分かっていて、うまくいかなさそうなものはアウトプットしたくない。
気持ちは分かります。
なので、うまくいきそうになるまで考え続けるわけです。
でも、「自分の中」にはうまくいくためのネタは無い。だからこそ考え続けるのですが、無いものは無いわけです。
そんなことをやっている限り、どんなに考えても思考や行動は磨かれずに時間切れになります。
これが良くあるケースです。

ここでちょっと考えてみましょう。

「うまくいく」ってのは何でしょうか?

夢工房の場合なら、イベントでの優勝とかそういうことなのですが、大抵は「時間内に欲しいものが手に入る」ということで、レースのスタート時に、必要なマシンの性能、ドライバーやクルーの技量などが欲しいレベルに到達していることです。

そうなれば準備段階は「うまくいった」ということになります。
それによって優勝したら、トータルで「うまくいった」ということで、ゴール到達です。
なので、そのための各作業なども「時間内に望んだ状態になる」ということが必要です。

しかし、ビギナーはそのためのパフォーマンスが不足しているわけです。
なので、早急にレベルを上げる必要があるのですが、そこで問題になるのが価値観です。

こういう活動を始めたビギナーの価値観は、2つがせめぎ合っています。

  • 早くレベルを上げたいとか、優勝したいとか、ポジティブ側のもの
  • 間違えたくないとか、怒られたくないとか、ネガティブ側のもの

この後者が強力なのですね。
今までの生活で身に付けた、この価値観が足を引っ張ります。

  • 正解以外は言ってはいけない
  • 失敗はダメなことだ

この価値観がある限り、正解を出せるようになるまでは、報告も連絡もできません。
不完全な状態を理由に相談するなんてもってのほか。
失敗するかもしれないことをやるなんて、とんでもない!

でも、不十分だろうが、勘違いだろうが、ダメな現状だろうが、それをアウトプットして評価を受ければ、どれくらい不足があるのかとか、何がどれくらいダメなのかは明確になるわけで、それをベースにどうしたら良いのかという戦略は立てられます。

「数打ちゃ当たる」という言葉もありますが、ダメでもとにかく数を打っていれば分かってくることがあります。

特に、何をするとダメなことが起きるのかなんてのは、とても貴重な情報で、まさにこれが経験知の重要な一部となります。

まだありますよ。
これも今までの生活で身に付けた価値観の一つで、恐らく無意識下で発動していると思うのですが…

失敗したら、「うつむいて反省(悲しそうな顔を)しなければならない」と思っていませんか?
そうなりたくないから失敗をアウトプットするわけにはいかない、と。

学校で言われたでしょう?
「お前!反省してんのか!?」
なんて。

そんなの反省じゃないですから。
うつむいたって、悲しそうな顔で過去を振り返ったって、何も良いことは起きません。
そもそも、悲しい思いでなんて、未来に活かすことはできません。

経験をネガティブなものに分類してしまったら、それは再利用不可能です。
これ、以前も記事にしましたが。

失敗だろうが何だろうか、何か新しいことを経験して知ったわけですから、「おぉ、なるほど!」とでも言っちゃえば良いじゃないですか。

そもそもパフォーマンスを上げるには何が必要なのかという話なのですが、簡単に言っちゃうと、それは現状からの変化です。
不十分な自分からの変化、できない自分からの変化です。

そう、「変化したくない」が無意識下で発動しています。
「変化しないままで、望んだものが手に入らないか」という、訳の分からないことになっています。

これが「変化したい!」に、変化すると最強なんですけどね。