失った文化の話 その1

アメリカのアップル社で
一躍有名になったビジネス手法に
ファブレス
というものがあります。

これは
ファブリケーション・レス
つまり社内で製品そのものを
製造しないということです。

企画と設計、販売はします。
でも、製造は外部に委託する。
なので製品には
Designed by Apple in California
と表示されています。

で、どこで作られたかは
Assembled in China
Assembled in Vietnam
Assembled in India
とあります。

「Assembled」は最終組立地です。
製品を構成する細かい部品単位で見ると
それはもう様々な国で作られているわけです。

ファブレスのビジネスでは
企画・研究開発 → 設計 → 部品製造 → 組立 → 流通・販売 → マーケティング・サービス
と、いわゆるバリューチェーンの上流から
下流に行くに従って付加価値や
利益率の大きさをが変化します。
このようにグラフで表すとU字型になっていて
「スマイルカーブ」と呼ばれます。
ニッコリした口のようだからですね。

ファブレス企業は、このバリューチェーンのうち
利益が大きい上流の企画、設計
下流の販売以降を握っています。

で、中流部分は
人件費の低い国に任せる。

すると、良いものが
お安くできて
利益率も向上します。

従来は、一つの国の社内で
全ての工程を持っているのが普通でした。

それを初めて変えたのがアップル
というわけではありませんが
有名にして、その流れを主導したのが
アップルと言って良いのかもしれません。

人件費の安い他国に依存して効率を向上させるのは
ビジネス的には正解なのでしょう。
今や多くの会社が
そういうスタイルで仕事をしています。

しかし…です。

続く

土地と文化とチャレンジと

ロボットに始まり
自動運転のクルマやドローン
そういった技術にAIが加えられて
技術が加速する

我々は、そんな進化を日々目にしています。

それらは今後、どういった方向に
どれだけのスピードで進んで行くのでしょう。
大変興味深いところです。

最近では
自動運転のロボタクシーが試験運用されていますし
ドローンを使ったデリバリーなども始まっています。

さらにヒューマノイドロボットが量産され
市場に投入され始まっています。

しかし、それらの分野で先行しているのは
アメリカや中国ですね。

世界的に見ると我が国は
テクノロジーには強い
と分類されているのに
イマイチ分が悪い。

特に、自動運転とかドローン
あとは、空飛ぶタクシーなど
そういったダイナミックなものに関しては
どうも分が悪いような気がしませんか?

全くやっていないわけではありません。
でも、潜在的な実力に見合った発展を遂げているかというと
どうもそうは思えない。

なぜなのでしょう?

これは勘なのですが
恐らく間違えてはいません。

国土の問題です。
というか、国土に根ざした問題と言うべきか。

ダイナミックな技術が発展するには
環境が重要です。

地上を走るものも
空を飛ぶものも

チャレンジしている段階では
発生するリスクを許容できる環境が必要です。

分かりやすいところでは
広い土地です。


アマチュアのロケット愛好家が
ロケットを打ち上げられるような場所

自分で作ったクルマの最高速を試せる場所
果てはは音速を超えるまで

と、これらは極端な例ですが

クルマが好きなら
自分で作って乗ればいいじゃん

それでレースをしたけりゃ
やったらいいじゃん

そういった文化を許容する環境があると
アマチュアレベルの技術の底上げになるので強いです。

代表的なところでは
上の写真のアメリカや
オーストラリアです。

行ったことはありませんが
中国もそうなのかな。

対して
我が国は国土が狭く
とかく高密度な社会なので

ダイナミックなことを試す場合のリスクが大きい。
これはもう仕方ないこと。

衝突したり墜落したりを
そんなの自己責任だろ
ということにはしにくいです。

なので当然
ルールやらモラルも
勝手なことを許容しない方向になります。

基本的には
「ルールで許容・許可されていることをやりなさい」
という感じ。

かの国は
「ルールで禁止されてないんだから
やったらいいじゃん!」
です。

こりゃ分が悪いですね。

ですが!

一概に国土のせいにもできないかも
と思ったりもします。

分かりやすいところでは
イギリスやニュージーランドです。

いずれも広大な…とは言いにくいですが
かなりダイナミックなことをやる国です。

分かりやすいところでは
手作りのクルマで公道を走れる
キットカーの文化。

バイクのレースでは
マン島のTTなんかはダイナミックですね。

そんなことを考えていると
我が国も負けてられないぞ!

というか
もっと面白いことやりたいぞ!
と思うのでした。

追記:
イギリスとニュージーランドを引き合いに出しましたが、問題は国土面積では無く、人口密度ですね。きっと。