主体性に関する問題の構造

話は主体性に戻ります。
やはり核心はここでしょうから。

ニュージーランドで得た知見は、ここに向けて組み立てる必要があります。

さて、主体性が弱くなる構造(典型的プロセス)はどんなものなのでしょう?
それを明確にして、ひっくり返す必要があります。

何度か言っていますが、子どもは元々かなり主体的。
ですが、環境によって変わってしまう。

他からコントロールされることが日常になると
「何のために」とか、「どうすべきか」は、自分で考えるべきことではなくなる。
本当は、それこそが考えることの核心なのに。

自分の外、つまり他人の頭の中にある「正解を当てること」がいわゆる「学習」の中心。
それをやらせるのが「教育」。

正解が外れた場合の、失敗のペナルティがあれば
試すより安全な行動を取りたくなる。

つまり、失敗するリスクを取らず、チャレンジせず、言われたことをやる。
そして、心の片隅には、常に「できればやりたくない」がある。

これは主体性が無い状態になるのは当然ですね。
むしろ、主体性があると回らなくなる。

主体性を発揮する生き方をしたい人にはキツイ状態でしょう。
近年の不登校の増加には、こういったことも原因になっていると思います。

やるべきことを決められて、やらされる
↓
できればやりたくない
or
最低限にしたい

それは当然。

夢工房は

やりたいことを、できるところまでやりたい

と思う学生のための環境です。
それを磨いていかねばなりません。

創造型思考のために

昨日の記事で
再現型思考
創造型思考
の二つの話をしました。

開発の仕事をする人などは、創造型思考を持つ場合が多い。
というか、ほとんどがそうでしょう。

でも、そんな人でも最初から創造型ではなかったりします。
だって、学校では再現型思考のトレーニングをしているし、受験に成功するためには、再現型思考を磨くしかないのですから。

その結果、再現型思考に留まり続ける場合もあれば、変わる場合もあるということです。

では、変わるのであれば、何をきっかけに変わるのか
もしくは変わらないのか
そこが興味深いところです。

創造型思考にシフトするためには、原因が必要です。

知的創造には知識が必要となるのが間違いないのは当然なのですが
ただ、知識があれば創造型思考に繋がるというものでは無いというのが難しいところ。

なので、それ以外に原因が必要ということです。

で、それは環境ではないかな
と思うのです。

夢や希望を持てる環境
ゴールを設定したくなる環境です。

ただそれも、単に待っているだけではダメで、探して、掴みに行って、試してみる必要があるでしょうね。
理想的な環境が無ければ作ればいい。

誰かのせい、何かのせいにしても、何も変わりません。

その辺もウェルビーイングに繋がってくるのではないかな。

二種類の「頭の良さ」

学校では、頭が良いとか悪いとか言いますけど…

一般に「頭が良い」と言われる能力には、大きく分けて二つの性質があります。

一つは、再現型思考と言われるもの。
まぁ、呼び名はどうでも良いのですけど、大事なのはその特徴です。

  • 与えられた問題を解く
  • 記憶や既存の解法を利用する
  • 思考は収束的(正解に向かって絞っていく)
  • 試験や標準化された評価に強い

これは、既に存在する知識や方法を用いて正解に到達する能力です。
様々な解法(手段)の中から、適したものを選んで解いていき、一つの正解にたどり着くような思考パターン。
言ってみれば、正解に向かって収束していく考え方です。

これはまさに試験、受験に必要な能力です。
数値化できるから、学校で評価されるのはコレです。

もう一つは、創造型思考と言われるもの。
こちらは、既存の知識を組み合わせながら、新しい解や可能性を生み出す能力です。

特徴は

  • 問題そのものを定義する
  • 知識を材料として再構成する
  • 思考は発散的(可能性を広げる)
  • 不確実な課題に強い

この思考は、単に再現型思考の反対というわけではありません。

アイデアや仮説、違和感
↓
試す
↓
失敗・評価・新しいアイデアや仮説によって修正
↓
試す

といった、ループする思考です。
再現型思考が正解に向かって収束するなら、こちらには最適値はあっても正解が無い。

失敗の結果は、次のループで改善するための材料なので、そもそも失敗に対する認識が再現型思考と違うというのも特長。

再現型思考が収束型の思考なら
創造型思考は発散型の思考と言って良いでしょう。

学生の多くは、再現型思考です。
学校で、そのようになるように訓練されているから、そうなって当然です。

ものを作るとき、大抵は正解なんて無いので
多くのアイデアを出して、最適なものを選択したり
まずはやってみて改善して、最適、最善に近づけていく
というアプローチが必要です。

ですが、再現型思考でアプローチすると、「正解があるはず」となります。
でも、正解なんて無い。

結果として
延々と考え続けて時間切れ
となることが多いのです。

考えるのは良いことですが、経験の数を増やせないのは問題です。

夢工房で活動を開始したばかり学生達の多くは、新しいものを作るときに収束型の思考によって正解を探そうとします。
なので当然失敗するわけですが、そこから改善しながら自ら思考法を改造していくのです。

だって、そうしないとうまくいかないから。