漂流記からの気付き

ジョン万次郎の漂流記は今まで何冊か読んでいて
今は浜田彦蔵の「アメリカ彦蔵自伝」を読んでいます。

万次郎は14才で難破して渡米
彦蔵は13才で同じく難破して渡米
なんとほとんど同じ年齢なのですね。

そして二人とも
アメリカで親のように面倒を見てくれる人があり
教育を受けて働いています。
もちろん、その内容はかなり異なりますが。

彼らは、仲間と共に遭難しているところを救助されていますが
特別な経験をするのはその中の一人だけでした。
他の仲間達は、万次郎や彦蔵のような
言ってみればディープな経験はしていません。
(とはいえ、数年間を異国で生き抜くわけですから
全く普通の経験ではなく、むしろディープなのですが
ここでは相対的にということです)

彼らの漂流記を読んでいて思うのは
一体何がその違いをつくるのだろうか
ということです。

二人は漁師の倅だったり船乗りの倅だったりするわけで
日本では特別な教育を受けていたわけではありません。
それは同時に遭難した仲間達も同様です。

となると、やはりマインドとか
心のありかたがポイントになりそうです。
というか、それは間違いないと思います。

そしてそれは、150年以上経った今でも十分通用するどころか
むしろ今の日本人が失いかけている大事なものなのではないかな
と思っています。

うん、何か見えてきましたよ。

知恵って何だ

知恵って何でしょう?

辞書を引くと色々出てきますけど
どうやら単なる知識のことでは無さそうです。

色々と経験した末に
それらを利用して得られる知識とか工夫とか
そんなニュアンスですかね。

あと、頭脳だけでなく
心の働きも関係しているような感じです。

そもそもは仏教用語らしいですが。

どんなときに知恵を絞る必要があるか

それはたぶん
心の働きがあるときではないかと思うのです。
特に強烈に心が動いていなくても
ちょっとした時に発動することもあるでしょうけど。

平穏無事なときは
知恵は必要とされません。

多くの知恵を働かせることができる人は
多くの経験を持っていることでしょう。

熱意を持って行動していて
壁にぶつかったとき
そんな時は知恵を絞る必要があるわけで

そんな経験を沢山していけば
知恵の引き出しが増えるのでしょうね。
単に知識が増えるのとは
ちょっと違います。

なので、頑張るエンジニアで
失敗経験の多い人は
知恵の引き出しをたくさん持っています。

困難や失敗を避けるための知恵もあっていいと思います。

でも、どうしても避けられない困難や
絶対にリカバリーしなければならない失敗を
乗り越えるために身に付けた知恵は
実践からしか身に付かないのです。

なので、学生には
リスクがあったり
困難や失敗があったりしたら
ザリガニみたいに猛烈にバックするような
そんな生き方はしないで欲しいな
と思っています。

そんなの面白くないし格好良くもないですもんね。

この問題は深いですよ

情報のソースは明らかにできませんが
やはり学校の目指すところ(それがそもそもあるのかは別として)と
社会からのニーズの乖離が明確になりつつありますね。

私の場合、自動車業界の情報をベースに考えるのですが
自動車産業は日本の屋台骨を支える大きな一部分なので
今後はこの問題が広範囲に波及する気がします。

さて、それは何かというと

やはり「心」の問題です。

パッションがあるかとか
利他心をもっているかとか
仲間で頑張れるかとか
そういう話です。

優れた知識や技術を持っているのであれば
それは大変結構なことなのですが
それだけじゃダメです。
もう社会が耐えられないポイントが近づいていると思います。

話は簡単です。

仕事はお客さんのためにあるのに
自分のために仕事をしたら
顧客のニーズを満たすことなんて
できるわけないし
そもそも、そんな姿勢じゃ仕事にならないでしょう
ということです。

でも、教育側は
皆さんご存じの通り
全く逆方向に行っています。

プログラム教育とか英語教育の低年齢化とか
形式知的な知識の習得は分かりやすい例です。
幼少期から塾で学ばせるなどもしかり。

そういうのをやっても良いとは思うのですが
それ以前にやることがあるでしょう
というのをなおざりにしてきました。

そのツケがきてます。

これは産業とかの限られた領域における問題では無く
我が国の問題になります。

恐らく多くの社会人は気付いていたでしょう。
だいぶ前から。

でも、それに対して手を打とうとする人が
あまりに少なかったのだと思います。

そういうのは
会社の偉い人や政治家や教育機関の仕事だろう
なんて思っていたのかもしれません。

自分の責任じゃないから
誰かが何とかするべきだ
そんな感じだったのかもしれません。

たぶんこれからは
皆で何とかしないと
どうにもならないと思います。

人のせいにして文句を言っている場合ではありません。

今は国際社会が日本に対して
良い意味で幻想を持って勘違いをしてくれているから
まだ何とかなっているけど
この我が国の持つ問題の深部が明らかになったとき
非常にマズイことになる
そんな気がします。

先人達の築いてくれたものによる幻想が
賞味期限切れになる前に何とかしないといけません。

今回も偉そうな御託を並べてしまいましたが
私はこんな危機感を持っています。
単なる馬鹿野郎の勘違いなら良いのですが。

私は特に大した能力や権力は持っていませんが
明るい側を向いて、できるだけ頑張ります。
夢工房の学生達も頑張ってくれています。
皆さん頑張りましょう!