ものがないのでものづくりの何を伝えるか

学生の設計内容を
特に1年生のものを確認していると
色々と気付くことがあります。

具体的には
客観的にどう見えるか
使用者を考えているか
使用環境を考えているか
そのあたりが見えていないなぁといったところです。

もちろん彼らはノウハウを知らないわけですし
機構や材料、要素部品についての知識など
基本的な知識が不十分だったりもします。

そもそも人が使うものなのに
ユーザーの視点に立って考えていなかったり
起こりえるイレギュラーな事象を
想像できていなかったりもします。

でも
学生なのだから
最初はそんなものです。
自分が作ってみたい物をなんとか形にしたい
というレベルからスタートです。

現状では
こうなるはずだ
という自己中心的な考え方になってしまっています。
こうなるかもしれない
という外部の不確定要素を視野を広げて
色々と発見できるようになると良いのですが
そういうのは
実際にものをつくらないと腹に落ちません。

そもそも人が使うものなのだから
ユーザーの視点に立って
どう見えるかとか
起こりえることなどを
作ったり試したりしながら体感できると
話が早いのです。

そのチャンスがあるのが
ものをつくる活動の良いところですね。

その辺に気づきを得られれば
クリエイティビティが刺激されて
急成長できます。

しかし
今はすべてをオンライン環境で進めているので
「じゃぁ作って試してみようか」
と簡単にいかないのが歯がゆいところ。

物体に関することを
言葉や文字や絵で伝えるしかないのですが
限界があります。

はやく大学に来て
物に触れるようになれば
色んなことが一気に解決するのですけどね。

そのときのために
どこまで準備しておけるか。
それが今すべきことの一つなのです。

結果として昨年は
マインドとメンタルの面を
集中的に伸ばせたと思います。

思えば
1年生と、こんなに色々話したことは
かつてありませんでした。
自分の経験や過去の事例、一般論など
口頭で可能な限り
伝えたつもりです。

このへんはオンライン環境のメリットですね。

ひょっとすると
彼らは今後
凄い伸び方をするかもしれない
とも思っています。

実際に手を動かして
ものをつくり始めると何が起きるか
今から楽しみです。

勇気を持ってすぐやろう

皆と同じようになりたい?
それとも違うようになりたいのか?
好きなことをやるべきか?
無難な方向に行くべきか?
多くの学生達は
色々な狭間で揺れています。

やりたいこと
好きなことはある
でも
自信がなかったり

独自のものに価値がある
そんなことはなんとなく分かっている

価値があるのもは独自性がある
と言うべきかもしれないけど

じゃぁ
独自の道を行くかと問われれば
それはそれで怖かったり

損得勘定が働いたり
群れから外れることを恐れたり

迷いの正体は
恐怖であることが多い気がします。
というか
恐怖が原動力になって何かをするというケース
思いのほか多いものです。

他にも
面倒だから
というのもあるかもしれないけど
そういうケースはここでは論外。

失敗するかもしれないけど
やりたいことを一生懸命やったり
人と違うことをやる
というのは勇気が要ることなのかもしれませんね。

真面目な良い子だったりすると
そこそこ成績が良かったりするケースも多いでしょうから
変わったものを目指さないで
無難に真面目に勉強した方が得かな
とか思っちゃうのかもしれませんね。

でも
もし迷っているとしたら
勇気を持ってチャレンジして欲しい。

チャレンジすると失敗するかもしれない
というか
間違いなく何かしら失敗はするでしょう
でも
失敗しないことが成功ではありません。

諦めないでトップエンドを狙っていれば
そこで得た経験は決して無駄にはなりません。
やらないと分からないことがたくさん手に入ります。

自分の経験上でも
今まで見てきた学生の実績でも
これは間違いないです。

恐怖に目を向けて
迷っている暇があったら
理想に向かって動いた方がいいですよ。

怖いからってコーナーの外を見てると
そこに行っちゃうのだよ。
コーナーの出口を見てスロットル開けないとね!

そのうちやる?気持ちの整理が付いたら?
「そのうち」なんて来ないよ。

「できるようになったらやる」って変だよね

ゼロかイチか
もしくは
ゼロかヒャクか
どちらも一緒ですが
ゼロか完璧か
みたいな極端な考え方
ありますよね。

若い頃は多くの人がそういう考え方をする傾向なのかな?

自身はどうだったかと言われれば
そうだった気もします。
いや
きっとそうだったな。

子供って
生物としては弱いのでしょうから
そういう思考によって少しでも生き残るチャンスを得ている
ということなのかもしれませんね。

そうやってリスクを回避するという。

今回何をお話ししたいかというと
新しいことにチャレンジする時の考え方についてです。

凄く奇妙なんですが
意外と多い気がします

「できるようになったらやる」
みたいな考え方

「今は完璧にできないからやらないんだ」
みたいな考え方です。

そんなふうに口には出さないかもしれませんが。

こういうのって
やらない言い訳に使われることが多い気がしますね。
気が進まないことに対してはありがちかも(笑)

そもそも理屈としておかしいですよね
「できるようになったらやる」
って。

最初はうまくいかないかもしれないけど
やるから
できるようになるんでしょう?

やらずに
何かを待っていたり
考えていても
経験を積むことによってできるようになることは
いつになってもできるわけないですもんね。

世の中には
こういうやり方したらきっと良くなる
とか
こういう考え方をしたらきっと良くなる
ってこと
ありますよね。

まぁ物事って多面性がありますから
一概にそうも言い切れないことも多いとは思いますが
理想ってのはあるわけで。

いえね
何でこんなこと言ってるかというと
コンペティションでチャレンジすべき立場にいる学生達も
ついついそういう思考・行動をしちゃうことがあるんですよ
ってことなんです。

好きなら
とにかくやってみて
ダメでも失敗しても
何度でも挑戦すればいいのにね。

それまで生きてきた環境とか
色々事情はあるんでしょう。

無意識にそういうやり方が発動しちゃうんです。
本人だって理屈では分かってると思うんですよ。
壁にぶつかりながら
ダメでもチャレンジする必要があるんだって。

でもたぶん
過去にあったんでしょうね
チャレンジして結果が出なかったり
失敗したりすると
怒られたり
バカにされたり

もしくはそもそも
失敗しそうだとチャレンジさせてもらえなかったり


理屈は分かっているけど
気持ちの部分がそれを許さないので
そういうリスクを回避する癖が付いているだけ
なんだと思います。
別に同情はしませんけどね。

リスクを取っても欲しいものを手に入れるか
欲しいものを諦めてリスクを回避するか
という二択で
リスク回避を選択してきただけだから。
深層心理による自動的な選択でしょう。

でも本人がその状況をなんとかしたいと望むのなら
背中を押して
困難にもめげず
チャレンジし続ける
変態の馬鹿野郎に変身する手助けをしたいな
と思っております。