次世代のために

今日はスーパーフォーミュラの某チームで
レースエンジニアをしている卒業生が来てくれました。

彼の場合
「今日は」というか
「しょっちゅう」ですけどね。
夢工房の現役生に指導してくれるので助かります。

彼と話をしていて
ハッとしたのは…

無料でレースを見られないと
レース人口増えないよな
ということです。

私も彼も
幼少期にTVの地上波で
(当時は地上波しかありませんでしたけど)
レースを見ていたのが入り口でした。

私はクルマもバイクも大好きですが
幼少期は、全く自覚がありませんでした。

で、自覚が無いまま
TVで往年の名ドライバー
星野一義さんや中嶋悟さんの
レースを何となく見ていました。

特に週末に雨が降って
外で遊べないときですね。

確か小学生か中学生か
その頃です。

そんな状態でも
クルマが好き
という自覚はありませんでした。

小学校の通学路には
ホンダのバイク屋さんと
ハーレーとBMWを扱うバイク屋さんがあって
特にバイクが好きという自覚があったわけでも無いけど
きれいだなー
カッコいいなー
と毎日見ていました。

こんなふうに
労せず、何となく視野に入ってくる
というような経験があったわけですが…

これ、まさに「刷り込み」ですね。

今やF1もMotoGPも
無料で実況を見ることはできないので
本当に好きなだけ人が
お金を払って見ている状態。

それじゃ、興味の入り口にはなりえませんよね。

なるほど
これじゃレース盛り上がらないわ。

好きになる前は
好きじゃないわけで

次世代のためには
そういう状態でも
視野に入る機会が無いとね。
と思った次第です。


レースが生み出すもの

レースは、燃料をぶちまいて
無駄なことをしているように見えますかね。
何を好き好んで、あんな危なくて不経済なことを…
と思いますか?

きっと興味が無い人から見たらそう見えるかもしれません。

やるにしても、見て楽しむにしても
それなりにお金がかかります。
でもこれは
多少なりとも経済を回すことに貢献していると言えるでしょう。

で、「燃料ぶちまき」の件ですが
実はレースで勝とうと思ったら
効率を上げないといけないのですよ。

マシンには決められた量の燃料しか積めなかったりするし
燃料搭載量のルールが無かったとしても
搭載量を減らせば軽くなるので
速く走りたければ、そうしたくなる。

となると、限られた量の燃料で
もしくは可能な限り少ない燃料で
大きなパワーを得たい
ということになります。

これ、効率向上です。

というわけで
一見、不経済でも
実はそうでもない側面があったりします。

あと、レーシングマシンを作る人
それを運用する人
関わる人の「熱量」は大事です。

この熱量が、新しい技術やアイデアを生みます。
もちろん、周囲にも波及します。

こういう
対象に熱くなれる
という資質は
良いものを作るには欠かせません。

なので、レースはとても大事だと思っています。

レースはチャレンジです。
チャレンジすれば失敗もしますから
そういう意味では効率は悪いのかもしれません。

でも
新しい何かとか
価値あるものは
効率が良いところからなんて生まれないと思うのですよ。

だって、そういうのが生まれるのって
決まってチャレンジからですものね。

鈴鹿8時間耐久ロードレースに思う

本日は、鈴鹿8時間耐久ロードレースの決勝でした。

今年は例年より早い開催となったため、当研究室腹はサポートクルーを出せませんでした。
残念です。
まだ夏休みの前で、授業がありますからね。

こういった規模の耐久レースでは、レース当日だけ手伝いに行けば良いわけではなく、少なくともレースウイーク、つまりレース開催の週は仕事がありますし、終了後は撤収作業がありますので、結構な日数が必要になります。

で、こういった耐久レースに参加した学生は、どうなるか?
それはそれは良い経験ができます。

耐久レースとはいえども、コンマ数秒を争うのは変わりありません。
例えば、8時間のレース中に、7回のピットインがあるとして、そこではタイヤ交換や給油、場合によっては修理も必要になります。

仮に1回のピット作業で1秒のロスをしたとすると、7回のピットインでは7秒です。
7秒の差は、ライダーの走行で縮めようとしたら大変です。
逆に、ピット作業で作られたアドバンテージは、結果に強烈に効いてきます。

ピットレーン上に行われる作業は、ピット内の段取りやスキル、戦略で組み上げられているわけですが、それはレース中だけで組み上げられているものではありません。

そう考えていくと、なかなか奥が深くて、それこそ総力戦であり
言われたことだけやればいい
知ってることだけやればいい
では通用しないわけで
この中から学べることは、言語化・形式化が可能なもの不可能なものを含め、実に膨大なのです。

反面、せっかくレースに行ったは良いものの、どうしたら良いか分からなくて受け身に回り、残念なことになったりもしますので、資質が試されるといったところでしょう。

レースは色んな事を教えてくれます。