大事なことはゴール そして矛盾だらけ

このブログ、言ってることが矛盾だらけで
白黒はっきりさせたい若い世代には掴みにくくて
「意味分かんねぇ」
ってことはありませんか?

近くを見ながら遠くを見る
とか

分からなくてもやってみる
とか

拘らずに離れる
とか

分からなければ仕方ないのですが
それでも一所懸命何かをやったりしてみましょう。
そんな中で徐々に気付きを得られるかもしれません。

このブログが多少なりとも助けになれば
とは思いますが
外部からの情報だけでなんとかなったら
行動する必要は無いし
得られたものには大して価値はありません。

今、何気なく「一所懸命」と言いましたが
実はここが大事なところです。

現状に満足いかないのなら
何かを求めているのなら

方向性も持たずに
ちょっとずつやったところで
どこにも向かわないので
何も起きません。

そうだなぁ
イメージとしては…

あなたは目隠しをして
池の真ん中に浮かべたボートに乗っています。

手に持ったオールで漕ぎ始めるのですが
風が吹いているし
池にはさざ波が立って揺れるし
手に持ったオールがどちらを向いているかも分からない。

当然ですが
結果としては、どこへ行くかは分からない。

ゴールを定めるというのは
目隠しを取る
ということです。

結果、間違ったところへ行き着いても
間違えたことは分かるし
他の場所も見える。

だったら次にどうしたら良いかは決められます。

ゴール達成のためにベストを尽くすべきで
結果がどうあれ得られるものがあって成長に繋がる
というのはこういう感じかな。

キッチリしてればいいってもんじゃないらしい

都市設計で興味深い話があります。

道は真っ直ぐにして、格子状にして
商業地帯とか工業地帯、住宅地帯など
機能別に地域を分けるゾーニングをして
建物の間には広い緑地帯を設定したりして
整った機能的で合理的な都市を計画したとしましょう。
何が起きると思いますか?

もちろん、こういう構想で作られた都市があるそうです。

結果、暮らしづらい、犯罪多発都市となってしまったそうです。

南アフリカのヨハネスブルグなどは
世界的に犯罪が多くて危険な都市として知られていますが
Googleマップなどで見てみたりすると
実にキッチリと区画が切られていて幾何学的です。
こういうの、ダメなんですね。

では、どんな都市計画なら良いかというと

道の幅が狭くて曲がっていて
そんな道に区切られたブロックが短く
新旧の建物が混在していて
複数の機能が混在していて
人口密度が高い

そんな都市が魅力的なんだそうです。

はい、皆さん、分かりましたか?
キッチリしてればいいってもんじゃないんですよ。

これ、半ば冗談ですが
半分は冗談ではありません。

もちろん、カオスで良いってことはないでしょうが
整いすぎているものは
脆弱だったり、つまらなかったりするのです。

都市を動かしているのは人です。
治安を左右するのももちろん人なわけですが
人は心で動いていて
心は環境で作られます。
だから地政学なんてものがあるのでしょうね。

効率効率言っていると
心は病んでいくのかもしれません。

今の日本は、まさにそういう状態なのかもしれません。

生産性とか効率とかでは
よくドイツが例に挙げられますね。

確かにキッチリカッチリした国民性ですが
お祭りやイベントがあれば大騒ぎするし
モータースポーツが生活に根付いていたりするし
そんな側面もあって
100%四角四面ではありません。
そんなのやってられないでしょう。

日本人は極端にやっちゃいがちですよね。
そういう国民性なのでしょうけど。
…いや、どうかな?
昔はどうだったのだろう?
その辺は大いに気になるところです。

でもまぁ
適度な余裕とか混乱とか
上がったり下がったり
心の動きが大事なんですよね。

そんなところに面白さがあったり
新しいものが生まれたり
ということなのでしょうね。

よし!
これで出来の悪い自身の言い訳ができたぞ!

半分は本気です。


ある伝説

私には何人かのお師匠様がいます
まずはホンダF1の最初の設計者である
佐野彰一先生ですが
佐野先生との間を取り持ってくれた恩人が
森久男さんという方です。

森さんは、ホンダの研究所の試作の人で
ゴッドハンド達を束ねていた親方でした。
ホンダがアメリカに工場を建てる際に
英語もできないのに単身現地に乗り込んで
用地の選定から工場の立ち上げまでをやった人でもあります。
叩き上げの職人さんって感じの人なのですが
凄い人です。

佐野先生は設計者でしたが
森さんは、そのマシンを作った側の人です。
製作側の苦労話とかノウハウを色々聞かせてもらえました。

なので私は、ホンダF1の設計者と製作者の両方にお師匠様がいるという
大変幸運な立場なのですね。
私にとっては、お二人ともレジェンドです。

その幸運な立ち位置に相応しいことができているのかというと
どうにもこうにも申し訳ない感じがするのですが
それはここでは置いておいて。

昔々、ホンダの売り上げが低迷していて
とある自動車会社に吸収合併になるのでは
という噂すらあったような時代
「ミニバン」なんて言葉すらなかった時代の話です。

試作の親方、森さんの発案により現場主導で
温泉車(おんせんぐるま)と呼ぶ車が作られました。

通常、車の企画は「上から」落ちてくるものなので
試作の現場主導で作られるなんてことは業務フロー上ありえません。
なので、業務終了後に密かに試作車を製作したそうです。

完成後、社長に見せたらGOサインが出て、量産化となり
当時空前のヒットとなったオデッセイとなりました。
これがいわゆるミニバンの「走り」です。
(「ミニバンの元祖」とかいうと諸説あるようですが)

お陰で命じられていたリストラもせずに済み
業績が回復したそうです。

そんなクルマを企画して作っちゃう現場もカッコイイですが
それに対してGOサインを出す社長もカッコイイです。
この時のホンダの社長は川本さんです。
幸運にも一度お会いしてお話しさせて頂いたことがありますが
本当にカッコイイ人でした。

私の世代は、そんな人達の活躍を目にしながら仕事をしていました。
「あぁ、凄いなぁ。オレもいつかあんな仕事したいな」
なんて思いながら。

なので、そんな森さんから頼まれた仕事は断れませんでした。
凄い短納期で、見たことも聞いたこともないような仕事が来るのです。
それ、普通にやったら絶対に終わらんぞ
みたいのが。

でも、私が率いていた特殊部隊は逆に気合いが入って
「森のオヤジからの仕事なんだから、何がなんでも何とかしてやる!」
という感じでした。
なので、徹夜して仕上げる
なんてのもたまにありましたね。

今はもちろん当時だって
労働組合が徹夜でやっつけるなんてのを許してくれるはずもないので
ボスが調整役になってくれました。

自分としては、そういう仕事こそが
自分にとっても組織にとっても大事な未来に繋がる
という確信があったので
「組合がガタガタ言うなら、いっそ組合辞めてやる!」
なんて大口叩いていましたが
ボスや組合の役員は
「まぁまぁ。そんなこと言うなよ」
なんてなだめながら、結局やらせてくれました。
みなさん大人でしたね(笑)

でも、お陰で凄く成長できました。
満足感も凄かったし、自信も持てた。
こういう仕事が今に繋がっているという明確な確信があります。

そして、普段は自覚が無かったりしますが
こうして思い出すと、いかに人間関係に恵まれていたことか。
本当にラッキーでした。

最近では「働き方改革」なんて言いますが
本当にそんなことしていて大丈夫なのかと心配になります。

「仕事は嫌なものなのだから最少にして効率を上げましょうね」
みたいな単一の価値観に縛られている気がしてなりません。

業務効率上げて生産性向上とか
そういうことに意味はあるでしょうけど
それ以前にパッションのある本当に面白い仕事はできるのでしょうか?
魂の入った仕事じゃないと価値は生み出せないと思うのです。

かのイーロン・マスクだって
テスラの生産立ち上げの時は
工場に泊まり込んで仕事をしていたそうですし
大きな変化点を乗り切る時って
大抵は強烈なパッションで流れを作っているはずです。

やりたいヤツに制限を掛ける必要なんて無くて
すぐにブラックだの何だの言う
やりたくないヤツに逃げ道を作ってあげればいいじゃないか
と思うのですけどね。

「頑張りたいヤツに頑張らせると世の中が二極化しちゃうから
みんなで仲良く貧しくなりましょうよ」
みたいな感じなのかな。
よく分かりませんが。

と、そんな愚痴を言っている暇があったら
頑張らないといけません。

「小平さんよぉ、ただやってるだけじゃダメなんだぜ。
知恵を絞るんだよ。知恵をよ」

森さんが亡くなってもうすぐ5年。
まだまだ不十分で修行中です。