バカで結構でございます

昔、京都大学で総長をやられていた
平澤興先生という方がいらっしゃって
こんなことを仰っていたそうです。

賢いと燃ゆることができないですね。
燃ゆるためには愚かさがいる。
愚かさは力です。
<中略>
損とか得なんていうことは考えないで、ひたむきにいく人ですね。

む?
どこかで聞いたような…

そうです。
スティーブ・ジョブズが似たようなことを言ってます。

Stay hungry, Stay foolish.

そうなんですよね。
燃えてる時って愚かなものなんですよ。
でも、そんなことを気にしていないから
ますます愚かなんですが
そういう状態ってとても大事で
そういう時こそ成長しているんです。

でも、その愚かさを他から指摘されることが怖かったりするので
多くはやらない。諦める。

そこをぶち抜ける勇気さえあれば
大抵は何とかなっちゃったりすると思うのです。

誰でも勇気を持って
ぶち抜ける選択をする機会があると思います。

でも、多くの人は
そんな選択肢を取りません。

だって、バカみたいだから。
そんなことやっても得する保証が無いから。

おっと、来た来た!!

そこで、自分が得することを考えたり
(バカみたいに)リスクを取ることができなかったり
だから、ぶち抜ける選択を取れない。

まぁ普通はそんなもんですよ。
別に間違ってはいないでしょう。
他から「賢い」と思われる選択肢を取りたいし
少なくとも他からバカだと思われたくない。

でも、だから面白くならない
そういうことですよ。

こうすればうまくいく 2

想像力は大切です。

色々知ってるってのも大事なことですが
「知ってること」は全て過去のことです。

で、重要になってくるのは想像力なのですが
起きてもいないことを想像するわけですから不確定なわけです。

不確定ってことは
合っている保証は無いってことで
合っていないかもしれないことは
正解が欲しい人からすると嫌なことなのかもしれません。

もちろん、現状をベースに計算すれば分かることもありますね。
そういうのは想像力とは言いませんけどね。

で、その想像力をどうやって鍛えるか
これは大問題です。

過去の事例を沢山知っていれば
未来の予測にも利用で空きます。
これは当然として。

「想像しろ」って言われて想像して
それによって想像力が鍛えられるなら苦労しません。

やはり主体性が必要なのでしょうけど
大事なのは、不確定な対象に対して興味を持ってチャレンジする
という姿勢が作れるかどうかということではないかと思うのです。

でも、そういうアクションを取るためには
勇気とか興味とか熱意とか
いわゆる失敗をぶち抜ける何かが必要になるでしょう。

だって不確定なことに対して
予想を立てて実行するのですから
当然「外れ」もあるわけで
「それでもやる」必要があるのです。

ということは
勇気とか興味とか熱意とかが
「外れ」の恐怖に対して上回っていないと不可能ですよね。

そのためには未来を想像して
勇気とか興味とか熱意とかを持って頑張ると良いことがあるぞ!
という経験を積み上げるようにしていくのが良いでしょう。

よく言われる「小さな成功体験」ってヤツですね。

なので「小さな」をバカにしてはイカンのです。
小さな面倒くさいことでも継続すれば
それが未来の大きな喜びに繋がっていくのですね。

これを沢山積み上げると、より良いことがあるので
経験の数が重要なのです。

なので、「すぐやる」が効いてきます。
すぐやれば沢山経験できますから。

「小さいこと」でも「すぐやる」
これですよ。

ただ、「数打ちゃ当たる」で数を増やすと
当然外れも増えるわけですが
外れた弾にフォーカスしてガッカリしちゃうと継続できなくなるので
少なくても当たった弾にフォーカスすべきです。
そうしないと続きませんから。

うまくいってるヤツって
意外とそういう地味なところをしっかり押さえているのです。
ほとんど無意識でやってたりしますけどね。

乗り物の進歩

以前、最近の乗り物はユーザーが手を入れにくいといったような話をしましたが
ユーザーどころかお店でも手に負えない状態になっていくような気もします。

分かりやすいところで言うと
最近、ワイヤースポークのホイールを組めないバイク屋さんが増えてきた気がするのです。
さすがにモトクロスをやってるような店ならいけるでしょうけど
町の小さなバイク屋さんは、できないところが多いのではないかな。
だって、スポークホイールのバイク、最近激減してますものね。

もう亡くなってしまった叔父は
先の大戦時に陸軍航空隊の整備兵でした。
戦後は自動車の整備工をしばらくやっていたそうです。

戦後すぐの頃は、部品の入手にも困ることが多かったらしく
修理の際は、よく部品を自ら作って組み付けたそうです。

そんな叔父が
「今の整備士は”とっかえ屋”だ」
とよく言っていました。

故障箇所を部品単位で修理するというより
ユニット単位で交換してしまうことが多いからです。
(アッセンブリとか呼んだりしますね)

そう言いたくなる気持ちは分かりますが
今どきコツコツ部品単位で直せるような時代ではないのです。

そもそも部品が細かい単位で販売されておらず
ある程度組み上げられた単位でしか入手できなかったりします。
これはそうした方がコスト的なメリットが大きいからです。
部品の生産はもちろん、管理とか、修理に要する時間とか。
結局、最小単位の部品で交換できるようにすると
そのためのコストは製品に載せざるを得ないわけで
ユニットにしちゃった方が、売る方も買う方もハッピーでしょ
ということです。

もちろん、そういう製品になってくると
直す方の技術も変わってきます。

コツコツ小さな部品を加工・修正するようなスキルから
診断機に繋いでトラブルシュートするようなスキルに変わったりします。
そして細かい部品単位での修理スキルは
徐々に必要とされなくなってきます。
もちろん、基本的な知識とかスキルが
ある程度必要なのは変わりませんが。

そんな風に環境を作っていくと
発展途上国で車を売っても、先進国とあまり変わらないレベルで修理ができるとかの
メリットがあるようです。

最近の車のエンジンルームを見たりすると
みっちり部品が詰まっていて
うわぁ…ってな感じで
今やエンドユーザーが気軽に手を入れられないのも仕方ないと思うのですが
工場のラインで組み上げる時には、効率よく作業できるようになっています。
おかげで、あれだけの性能・品質の車が
あの値段で手に入るわけですね。
それはバイクも同様でしょう。

一昔前だと
エンジンのオーバーホールなんかは
バイク屋さんにとっては良い商売だったのですが
今や面倒な仕事の一つなのかもしれません。
そもそも、エンジンをオーバーホールしてまで乗り続けよう
というお客さん自体ほとんどいませんから。

先日、久しぶりに30年もののハーレーに乗ってみました。
しばらくエンジンに火を入れてなかったので
キャブレターのオーバーホールをしてから乗るべきか迷って
結局は何もしないまま乗ったら、案の定不調だったのですが
まぁ、これは簡単に直すことができます。

もしこれがフューエルインジェクションのバイクだったらどうなのだろう?
と考えてしまいました。

しばらく乗らずに燃料が劣化してたりしたら
燃料ポンプも燃料ラインも、インジェクターも劣化した燃料で影響を受けるでしょう。
そもそも、30年も経ったら交換部品なんて手に入らないでしょうし
かといって、何とか部品を自作して解決するなんて手段も現実的ではないでしょうね。
なので、快適にツーリングできる今乗っているBMWは
恐らく10年も乗らずに手放すことになるでしょう。
気に入ってるのに手放さなきゃいけないのが
今から分かっているってのも寂しいものです。

対して、キャブレターのハーレーは、まだまだ乗ることになるでしょう。
消耗部品は問題なく入手できますし
物によっては加工して流用したり、作っちゃえば何とかなりますから。

新しい乗り物の方が環境に配慮して作られているはずなのに
何か皮肉なことになってますね。