若い人をもっとハッピーにするには

どうしたら今の若い世代をハッピーにできるか
これは教育を商売にしているなら
重要な課題です。

本人が満たされたり
ってのは重要だと思うんですが
そうは言っても
どうすると満たされるのだ?
満たされるってどういうことだ?
そういうところが難しい。

例えば
何かにチャレンジして
「できた!」
という感覚は大事だと思うんですよ。

でも、それで良いのか?それだけで良いのか?
ってところです。

学生に「できた!」という感覚を与えるのって
それだけならそんなに難しいことじゃないと思うのです。

だって、色々教えちゃえば良いから。
ああしろこうしろ
って。

でもね、そんなの社会に出たら
一瞬で化けの皮を剥がされますよ。
その時に本人は
一体何が起きたのか分からないでしょうね。

学校ではOKだったのに
何でダメなんだ?
何でできないんだ?
となるでしょう。

なので、そんなやり方はダメ。

結局は本人のためにならないし
何より世の中のためにならない。

そうそう!ここですよ。
世の中のためになる
ってところがポイントです。

自分は自分以外の何かの役に立っている
という感覚です。

そういうのを得るための下準備を
学生のうちにしておけると良いと思います。

勝手にやって
勝手にできて
勝手に喜んでる
そんなの自己満足にすぎなくて
趣味なら良いですが
趣味の領域を出たら
そんなやり方は続かないでしょう。

何かにチャレンジして
サポートしてくれている皆さんに喜んでもらうとか
そういう経験をできると良いと思います。

ボランティアとか
職人さんの仕事とか
そういうのって
成果を受け取る人が近いのです。
なので、役に立っている実感を得やすいと思います。

対して
エンジニアって
凄い仕事をしてるんだ
とか
でっかい仕事をしてるぞ
という感覚は得られるかもしれませんが
お客さんとの距離が遠くて顔が見えなかったりします。

なので
売り上げとかの数字を通じて
などで仕事の成果を見るしかなかったりします。

でも、本当は
仕事の成果を受け取ってくれる人がいて
そのために仕事をするわけで
喜んでくれる人の顔が見えれば
もっと頑張れたりするのではないかな。

そういう意味でもアレかな
最近、開発者がメディアに露出して
色々解説したりしているのは
開発側にとっても良いことなのかもしれませんね。

メディアが間に挟まってはいるけど
お客さんに一歩近づいている感じがしますものね。
相手からの反応は見えないけど。

とはいえ
じゃぁ、開発者は孤独な仕事中というと
決してそんなことはなくて
一緒に頑張っている仲間の顔は見えるわけです。

私なんかは
一緒に設計している人達とか
試作の人とか
テストドライバーとか
部品を作ってくれるメーカーさんとか
そういう人達が喜んでくれるのは
凄く励みになりましたね。

なので
やるからには
皆で喜べる仕事の成果が欲しいですよね。

ずいぶんと長くなりましたが
結局、自分がハッピーになるキーワードって
周囲をハッピーにすることだと思うのです。

誰の役にも立たない技術なんて
自分をはじめ、誰もハッピーにできないですものね。

技術は人なり

ハングリーになれと言っても無理ですよ

チャレンジして失敗しても
現状がダメで満足いかなくても
それはそれで良いと思うのです。

今この瞬間がダメでも
別に人生がそのまま終わっちゃうわけではない

大事なのは
じゃ、どうすんの?
ということなんですよね。

でも恐らく
失敗したり
現状がダメだったりすると
もうそれで「ダメ」が確定しちゃうような
そんな風潮が強いんじゃないか
そんな風に思います。

夢工房では
学生が色々ものを作るわけですけど
もちろんダメなものなんて
いくらでもできちゃうわけですよ。

だって経験が不十分な学生が作るんだから
当然でしょう?

大事なのは
その先どうしたいのか
ゴールはどこにあるのか
なわけで

ダメなものを作っちゃっても
何がダメなのか
なぜダメなのか
が理解できれば
どうしたらいいのか
を考えるスタート地点ができるわけです。

むしろダメなものを作るからこそ
大事なことが分かるわけで
作らなかったらわかりませんよね
そういうこと。

もしダメなものを作っても
その評価を受けたくない
なんてことになると
未来に向けてのスタート地点は無いままになります。

これ、ありがちな話しです。

というのも
ダメって言われたくない

これが
いいものを作りたい
という気持ちと拮抗していて
前者が勝っちゃうことって多いのです。
むしろそういうケースの方が多いかもしれません。

結果として
自分達の現状をオープンにせずに
現状のレベルを保ったまま
閉じた世界でグルグルしちゃう。

で、これを何とかするにはどうするか?

これ、結構難しいのです。

何せ相手の心の問題だから。

相手の心に手を突っ込んで改造するなんてできませんよ。
つまり
「ああしろ!こうしろ!」
って言ったら
一時的には言われたようにやろうとするかもしれませんが
それは別に自分が必要性を感じているわけではないので
基本的には解決しません。
本質は変わらないので
また元に戻ります。大抵は。

むしろ
言えば言うほど
マズイ方向に向かう可能性すらあります。

こういうのって
完璧なソリューションなんて無いと思うのですが
夢工房での学生の活動は
基本的にコンペティションへのチャレンジなので
遅かれ早かれ
「これじゃ勝てない」
という壁にぶつかります。

で、どうしても勝ちたいなら
何とかしようとするでしょう。

で、現状の自分達の
持っているもの
見えているもの
ではどうにもならん
ということに気付きます。

そうしたら
プロにでも先生にでも聞けば良いのだ
評価を受ければ何がダメか分かるのだ
ということに気付くでしょう。

そんな風に思えるようになれば
ひとまず安心。

自発的にグイグイ行けます。

ということは
日頃私は
「あぁ、こりゃダメかもなぁ」
と思うことも結構黙って見てる
ということになります。

もちろん安全に関することなどは
積極的に助言しますが。

これ、結構キツいことです。
分かっているけど
言わないとか
手を出さないとかね。

その結果
彼らは失敗という壁にぶつかって
それを乗り越える
というミッションに直面するわけです。

当然ながら
そういう時のアドバイスが一番効果的です。
ハングリーな状態で
自らそれを欲しているわけですから。

腹減ってない者に
「ハングリーになれ!」
とか、無茶言ってんじゃないよ
という話しなのです。

制限の揺り返し の活用

今日は久々に夢工房の学生達に付き合って
多くの学生が集まるイベントに参加して
こんなことを考えていました。

我々は、ずいぶん長いことコロナ禍で
いろんな我慢を強いられてきました。

特に人対人のコミュニケーションに
多くの制限あったわけですが
この後、この反動が現れてくるはずです。

もちろん、ネガティブなこともあれば
ポジティブなこともあるはずです。

コロナ禍自体がネガティブな事象なので
この影響をポジティブ側に利用する
というのも無茶な話のような気がするかもしれませんが
決して無理ではないと思っています。

というのも
制限によって我慢していたものって
揺り返しみたいな反動があるはずなので
そういうのを利用することもできるのではないかと。

もちろん、今まであったものを途絶させると
以前と同じように戻すことはできなかったりするのですが
ことコミュニケーションにおいては
無くしてしまうわけにはいかないわけなので
途絶から復帰せざるを得ません。
その勢いを使ってブーストするようなことができないかな
ということです。
分かりにくいですね。

無くすわけにいかないコミュニケーションについては
誰しも今までの不十分だった状態から
よりコミュニケーションを取っていく方向に行かざるを得ません。
そっちに動いていくのは必然でしょうから
そこに何かしら加えて
勢いを増す(ブースト)ようなこととか
その勢いを利用して
従来と違った方向に動かしていく
そんなことができるのではないでしょうか。

ブーストするのは
何もコミュニケーションそのものに限らなくてもよくて
それを伴う何か
でも良いと思います。

現時点では
具体的なことは思いついていないのですが
色々試してみたいと思っています。

今まで制限がかかっていたものを
再起動するとなると
もちろん最初はぎこちなさなんかがあると思うのですが
そんなのは皆同じなので
あまり気にせずにガンガンやっていくと
ひょっとしたら何か見えるものがあるのではないかな。