Hの話 前編

いきなり何を言うんだ?
と思ったでしょう(笑)

水素です。
よからぬ想像をしてしまったあなたの心は汚れています。
反省して修行しましょう。

ここに来て燃料電池自動車が盛り上がりを見せてきましたね。
今回はその辺の話をしてみましょう。

現行車で水素で走る車は
トヨタのミライとホンダのクラリティ
この2つはいずれも燃料電池で走るクルマです。

これらに搭載されている燃料電池は
燃料として搭載した水素と大気中の酸素を反応させて電気を取り出す装置です。
水素と酸素を供給すれば電気を取り出せる電池と思って良いです。
なので、燃料電池自動車もいわゆるEV(電気自動車)で
Fuel Cell Electric Vehicle:FCEVと呼びます。

自動車用の燃料電池は「単セル」と呼ばれる小さな単位で発電して
それを直列にたくさん繋いで必要な電圧を得るようになっています。
その集合体を燃料電池スタックと呼びます。
EVは数百ボルトの電圧で走るので
この単セルを、たーくさん繋ぐ必要があります。
燃料電池のセルは、繊細な構造をしています。
これをたくさん繋ぐので
信頼性とかコストが課題となっていました。

現状の一般的なEVは、外部からバッテリーに充電して走りますが
燃料電池の自動車は、燃料電池で発電した電気を
バッテリーに貯めて使うので
外部から充電する必要はありません。

外部からの充電が必要か不要かという違いはありますが
核心はそこではありません。

今回、トヨタが新しいミライのために
性能向上して汎用性のある燃料電池スタックを開発して採用したそうです。
航続距離が伸びてコストも下がっています。
これをトラックなど乗用車以外に流用することによって
色々なものの電力を得ることができるようになる
これが今回の話題の核心ではないでしょうか。

以前
電池はエネルギーがあまり入らない割には重いし大きい
という投稿をしました。
トラックなどの貨物自動車をEVとして走らせる場合
バッテリーを輸送しているのか荷物を輸送しているのか
分からないほど多くの(重い)電池が必要になるのです。
これがトラックのEV化に対する課題でした。

燃料電池ならこれを改善できる可能性があるということです。
もちろんガソリンや軽油などの液体燃料ほどのエネルギー密度は得られませんが
クリーンだし
航続距離が伸ばせるので
トラックのEV化には使えるだろうということです。

日本ではトヨタグループの日野自動車
ヨーロッパではダイムラーやボルボで結成されたトラック連合が
電池のみのEVトラックではなく燃料電池のトラックに目を付けています。

後編につづく

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